※この記事には、原作版のネタバレが含まれます。村田版やアニメ版から入っている方はご注意ください。
概要
ヒーロー協会に所属するプロヒーローの中で、協会からいじめのような酷いヒーローネームを付けられたヒーローが協会に対し謝罪と改名を求めて結成した団体。
B級・C級の下級ヒーローで結成されたが、後にサイタマが加わったことで、最強の組織になったと言えるかもしれない。
肝心の協会からはほとんど相手にされておらず、ヒーロー協会・ネオヒーローズ・怪人勢力が三つ巴状態で対峙するのと対比してコメディ的側面が強調されているが、ヒーロー活動やプライベートでのコミュニケーションに多大な影響が出る問題であるため、サイタマ達としては大真面目である。
なおヒーローネームの変更についてはイケメン仮面アマイマスクという前例がある。
メンバー
サイタマ以外、124撃目で初登場（赤鼻はリメイク版からの逆輸入）。ランクは結成時点でのもの。
- ハゲマント（サイタマ） - A級ヒーロー39位。ランクが一番上なので新入りにもかかわらず幹部として迎えられた。機神ミラーを撃破して以降はリーダーのようにメンバー達を仕切っていた。普段本人はヒーローネームで呼ばれる事を嫌がっているが、この会の中では「ハゲマント」で通している。
- どすけべ - B級ヒーロー100位。「マジックハンド」への改名を希望。外見から「どすけべ」呼ばわりされる要素は見当たらず、本人も説明を求めている。
- ヅラ戦士 - C級ヒーロー83位。「黄金のヒザ戦士」への改名を希望。蹴り技を得意とする。
- ムッツリスケベ博士 - C級160位。「戦う天才外科医ホワイトナイト」への改名を希望。白衣を着て眼鏡をかけているというだけでこんな名前にされたらしい。
- よっぱらい - C級198位。「ヤングマン」への改名を希望。赤ら顔は生まれつきで、飲酒しているわけではないと言うが、酔拳使いだったりする。
- 赤鼻 - C級385位。「レッドサンダー」への改名を希望。初出は村田版でガロウに狩られていた。
背景
ヒーロー協会に所属するヒーローの名前は、基本的にはヒーロー活動開始後、一定期間を経て協会の上層部が会議で決定する。
（忍者時代の名前を使っている閃光のフラッシュなど、相手によっては融通を利かせているのかもしれない）
上層部は、対象のヒーローを市民に認知してもらうためとして、容姿や能力などから判断し分かりやすさを追求した名前を与える傾向があるが、それが悪い方向に振り切れてしまった結果が、被害者の会のメンバーである。
例えば「バネヒゲ」や「主将ミズキ」のような、ただ単に安直なだけの名前ならまだしも、彼らに与えられたヒーローネームは当人のコンプレックスを刺激する悪口や不当なレッテル貼りに近いものであり、協会側に擁護の余地は皆無である（何ならS級ヒーローに対しても割と似たようなノリがあるが、反面そういうノリを出す相手を選んでいる例が散見されるのも生々しい。
更に、実力は足りていないが殆どその人望でC級1位を張り続けていた無免ライダーの例を見ればわかるが、名前から受けるマイナスイメージはそのまま出世に響く（たとえば元フブキ組のB級ヒーロー「メガネ」が居るが、彼に助けられたとして「陰キャニートマン」と名乗られた場合と「メガネ（或いはメガネマン）」と名乗られた場合、どちらの方が人気を得やすいかは一目瞭然）
なので名前は気にしていないとしても充分大問題である。
ある意味、協会のヒーロー管理の杜撰さによって生まれた団体（しかもあまり知られていないとはいえ協会の最高戦力が所属している）であるにもかかわらず、まったく取り合わないどころかほぼ完全無視で放置している辺り、上層部がいかに想像力に欠け、ヒーローという存在を軽視しているかが窺える。
ここまで酷い扱いを受けてなお、闇堕ちや怪人化せずに活動を続けているヒーロー達には脱帽である。
それどころかぽっと出の新入りのサイタマをランクが一番上という理由で即幹部登登用している辺り対応が柔軟というか馴れ合いではなく本当に切実な願いで集まっていることがわかる。
特にワンパンマン世界は「ネットでバカにされた」「カニを食べ過ぎた」「電灯の紐でボクシングしすぎた」だけで元々の性根が悪寄りなら容赦なく怪人化し、元々の性根がどんなに高潔であってもコンプレックスを溜め込んでいるだけで怪人になる世界である。
そんな世界で、ここまでわかりやすいコンプレックス要素がありながらヒーローであり続けられるのは最早聖人と言っても過言ではない。
ネオヒーローズ筆頭のブルーも当初は「名前を変えたいくらいで騒いでいる、状況をわかっていない自分勝手な連中」と認識していた。
サイタマが被害者の会を率いてブラストの後釜を狙っていると考え、「アンタの名前を聞いておこう」と宣戦布告したところ
- ムッツリスケベ博士が名乗る→「違う、アンタじゃない…え？」「いや…アンタじゃない！」
- どすけべが名乗る→「だからアンタじゃ…え？」「どすけべっていうの！？」
と困惑。
「そっちの彼の…」と言ったことでようやく被害者の会の面々はブルーが誰を相手に話していたのか把握、「彼はハゲマントだ」と紹介されたブルーは「ハゲマントか……………うん、一応本名も聞いていいですか？」と当初の高圧的な態度が消え失せていた。
当人のワガママではなく、風評被害や誹謗中傷、ひいてはヒーロー活動にも差し障る本当に切実な願いなのだと理解したブルーは、以降サイタマをキチンと「サイタマ」と呼ぶようになった。
サイタマにとっては…
先述の通り、幹部として迎えられたわけだが、団体の一員として活動している最中は、ジェノスやキングと共に行動している時とはまた違った姿を見せている。
具体的には「敵と対峙した際に進んでチームを組んで突撃する」「怪人を倒した際に仲間同士でハイタッチを交わす」等が挙げられる。
また、言動がとても活き活きしている他、前述の通りメンバー達に力を認められてからは自らノリノリで仕切っており、かなり居心地の良い団体であるようだ。
というのも、今の彼にとってこの団体は、中身はどうあれ自分と共通した思いを持つ同志で、ワンパンで解決できず、終わることのない目的を見出すきっかけにもなった、最強故に久しく出会えていなかった存在である。
友達とは違った対等故の気安さがあり、団体側も決してサイタマを無下にしたり恐れたりせず、あくまで「仲間」として接してくれるため、関係は良好。（一応「あれ、ハゲマントさん強すぎじゃない？」と「俺ら要らなくね？」方面の不信感自体はあるが、全員クソみたいな名前を耐え忍んできた聖人なので後を引かせず脳内で終わらせ以降一切モノローグでも触れないという大人の対応をしている）
彼らもまた、サイタマにとって必要な存在であったと言えよう。
関連タグ
童帝 - 村田版では、名前の意味に気付いた事が協会を離脱した理由・・・なのかもしれない。
キラキラネーム - ある意味共通した問題。
