CV:水瀬いのり(書籍版5巻特装版ドラマCD)/加隈亜衣(テレビアニメ)
概要
物語のもう一人の主人公(主人公は彼女の持つ魔剣「師匠」)。獣人の一種である「黒猫族」出身の猫耳少女。12歳。
黒猫族は獣人族の中で長年「進化(強くなった獣人が習得する強化術のようなもの)」ができるものが現れず、劣等種扱いされている。
彼女の両親も進化を目指すものの志半ばで死亡し、彼女自身も奴隷にされて名前も取り上げられ、「名無しの奴隷」として4年間もつらい日々を送ってきたが、それでも「両親の遺志を継いで進化し、虐げられている黒猫族の希望になりたい」という思いを失わない、心の強さを持つ。
師匠と出会ったことが切っ掛けで奴隷から解放され、名前を取り戻し(形の上では師匠が取り上げられる前の名前をそのまま名付けている)、悲願を果たすために冒険者となる。
人物像
普段は無口、無表情で、他者からの呼び掛けに「ん」とだけ言う返答の仕方が特徴。
だが、師匠の作る料理を嬉しそうに食べ、初めて見る風景に感動してはしゃぎ回り、師匠や黒猫族への侮辱にはすぐに怒ると、外見から解り辛いだけで喜怒哀楽は年相応にハッキリしている。
むしろその無口無表情に反して喧嘩っ早くすぐに暴力で解決しようとするきらいがあり、戦闘狂にすくすくと育っている。
奴隷時代の辛い経験ゆえか、戦闘狂故に無意識に煽ってるのか、あるいは元からそうなのかはともかく、変なのに絡まれて師匠に開口一番「斬っていい?」と聞くのは定番の漫才。
同じような理屈で他者に命令されることも嫌う……が、黒猫族への侮辱などの超えてはならない一線さえ超えなければ割とチョロいのは秘密。
小柄な外見に反して超の付く食いしん坊で、好物は師匠の作るカレー、甘味はパンケーキがお気に入り。特に「師匠のカレーは世界一」だと信じて疑っておらず、港町バルボラでは、これが原因で料理ギルドと一悶着起こしている。
地味な作業は苦手。具体的には座学と尋問。特に後者はすぐに拷問になる。
特にその生い立ちから非合法の奴隷商人には残虐と言っても過言ではない(合法である借金奴隷、犯罪者奴隷などには嫌悪を見せる程度)振る舞いを見せる。また、物語の途中までは青猫族に逆差別ともいえる感情を抱いていた。
師匠が知性を持つ武器(インテリジェンス・ウェポン)であることは秘密にしているため、周囲からは「冒険者となって間がないのに非常識なまでの急成長を遂げている天才児」のように思われている。
この秘密の件から普段はウルシを除いてパーティを組まない凄腕でソロの黒い剣士。
能力
基本は師匠のスキル共有の能力で彼のスキルを借りて戦うが、「借り物の力に頼るのではなく、自分自身も強くなって師匠を振るうのにふさわしくなりたい」と考えており、そのためなら自身が傷つくこと等の無茶も惜しまない。師匠曰く「弱い子猫ではない。牙を研ぐ猛獣の子供」。
売られた喧嘩は片っ端から言い値で買取り、襲ってきた悪党を殺す事にも躊躇はない。遺品も遠慮なく巻き上げていく。
冒険者になってすぐに100匹以上のゴブリンの大軍を討伐したり、ダンジョンをほぼ単独で踏破する等、目覚ましい活躍を続けていた為、「魔剣少女」といった二つ名で呼ばれている。
後に、迷宮都市ウルムットでの修行や、様々な出会いを経て、遂に「覚醒」を習得。伝説の種族『黒天虎』に進化できるようになった。
進化時は瞳が金色になるのと、尻尾が縞模様になるくらいで外見に変化はないが(Another Wishでは虎を思わせる紋様が顔に浮かぶ)、能力が跳ね上がり、ランクA冒険者とも互角以上に渡り合えるようになった。
ウルムットでの武闘大会で「覚醒」を披露し、初出場で3位入賞という好成績を残す。
黒い雷を纏い戦うその姿から『黒雷姫(こくらいき)』の二つ名で呼ばれるようになり、当初の目的である黒猫族の希望となった。
当初は自身の地位や名声に興味がなく、むしろ目立つ事を好まないぐらいだったが、黒雷姫の名を得てからは黒猫族を鼓舞すべく目立つことを拒まないようになった。
なお歳が歳故か、強そうでカッコいい二つ名自体は嬉しかった模様。
スキル
- 閃華迅雷
黒天虎に至った事で使える様になったスキル。
腕力上昇、敏捷上昇、超反応、雷鳴属性付与、雷鳴強化、雷鳴攻撃無効、雷鳴魔術Lv上昇、更に覚醒状態で使用すると効果が倍増する。
- カンナカムイ
最強最高の雷鳴魔術。フラン達の切り札の一つとして記載。
「本当に人類に扱えるのか?」と、師匠に疑問視される程高度な術で、雷の龍が天から地に向けて降臨するかの如く着弾し全てを破壊。
これによりフラン達は最高位の雷鳴魔術使いとなったが、上には上がいる事が後に判明する。
- 黒雷転動
戦闘中に潜在能力開放を使った事で習得し、一条の黒雷と化して瞬間移動並の速さで移動する。
- 剣神化
フラン達が選択した職、「剣王」固有のスキルにして切り札そのニ。
剣を極めた先の力だが、剣神化状態で放った基礎とも言える歩法と斬撃が、これまで鍛え上げてきた剣術が稚拙に感じる程異常な強化をもたらす。
あまりにも強すぎて今の自分達の実力を恥じ、文字通り剣の神をその身に降ろしたと思わせ、神属性を付与するが最も制御が困難。
主な装備・仲間
- 師匠
フランと共に戦う正体不明の、意思を持った魔剣。
「インテリジェンス・ウェポン」と呼ばれるレア中のレア。
フランと共に成長する、保護者にして最高の相棒。親バカ。
実は異世界からの転世者。
- その他の魔剣
序盤で上級悪魔(グレーターデーモン)を倒した際に入手した「魔影鋼の長剣」をはじめ、敵から入手した様々な魔剣。
基本は師匠を使うためあまり出番がないが、予備武器として取っておいている
- ドレスアーマー
ドワーフの鍛冶師ガルスから購入した防具一式。
元は他の冒険者用にオーダーメイドで作ったのだが、その冒険者が受け取る前に死んでしまったため、フランに割安で譲られた。
白を基調とした(web版では黒)見栄え。
いわゆる初期装備であり、後述の黒猫シリーズまでの繋ぎの装備だが、今のところピクシブでのフランのイラストはこの装備が大半である。
アニメ版第1期では最終回中盤までこの装備だった。
- 黒猫シリーズ
フランと会う前に、師匠が狩りまくって保存していた高ランク魔獣の素材を材料に、ガルスが作ったフラン専用の防具一式。
白色だったドレスアーマーから、名称通りに黒を基調とした軽装な衣装タイプの防具となっており、おへそも出ている(アニメ版ではベルトで見えにくいようになっている)。
作成時に「獣蟲の神」より啓示を受けた「冠名武具(ネームドアイテム)」で、名前の通り黒猫族以外には装備できない代わりに、装備するだけで全ステータスが向上する加護を持つ。
また、各種状態耐性や即死無効、装備自動修復といった特殊能力も豊富で、下手な金属鎧よりも高い性能を誇る。
唯一の欠点は、魔法による修復には高純度の魔水晶が必要となるため、修復費用がドレスアーマーの10倍くらいと、非常に高額であるという点。
余談だが、啓示を行った神についてや、加護の防御効果の説明などが、漫画版で色々と補足されている。
へそ出しという薄着になったのは、猫族系の獣人は、風や気配を肌で感じる能力に長けていたり、動きを阻害される装備を嫌う傾向があるため。
またこの装備は金属のような物理的硬さではなく、加護で守るタイプであると説明されており、実際に素肌部分へ攻撃を受けても障壁のようなもので弾く描写がされている。
そのため、猫族系の好みと併せて敏捷性を優先する作りになったと作成者のガルスは語っていた。
アニメ版第1期では最終話後半でようやく登場したため、やや影が薄い。
フラン達の従魔であるダークネスウルフと呼ばれる魔獣。迷宮のトラップでフランと分断された師匠が召喚し、その際魔力を多く注ぎ、更に名付けを行った為元のオニキスウルフから一気にダークネスウルフに進化した個体。
それ以降フラン達の頼れる仲間として一緒に旅をしている。
- カラアゲ
スピンオフ作品Another Wishに登場する謎の鳥。元は幻のダンジョン最奥で見つけた巨大な鈴だったが、フラン達を平行世界の旅に巻き込んでしまう。
鳥の姿に変化し、砕けた鈴の欠片を回収する。
実は物語の元凶なのだが、最終的にフラン達と和解し、再び自らの務めを果たす為に別れた。
- マール
web版でのレイドス王国戦で契約した精霊。
元はシードラン海国の王女だったが、レイドス王国に魔獣に改造されてしまい、確保されたシードランの海竜艦と共に戦争の道具にされていた。
フラン達が体内の魔石を砕いた際、改造された影響もあったのか精霊化。
フランに同化する形で休眠しており、消耗が激し状態だったので、顕現できるのも短時間のみ。
水竜艦の結界解除や、奴隷にされた姉の救助に助力した。
- アヴェンジャー
レイドス王国の黒骸兵団が生み出した切り札で、強力なジェノサイド・グール。
師匠の中に封印されている邪神の欠片を感じ、戦闘中にフランを巫女と崇め始めた為、そのまま味方化。
砦を落とす際、神炎の雨からフラン達を救うべく消滅覚悟で尽力した後、何故か師匠に懐いた邪神の欠片が勝手に力を与えた結果、ウルシに次ぐ師匠の眷属の様な関係となる。
元はレイドスに攻め落とされたソフィアード王国出身で、何千人分もの怨念を集めて生み出されたアンデッドであり、支配から解放されたのでレイドスへの恨みが爆発。
貴重なレイドス関連の情報源であり、高位アンデッドかつ邪神の加護付きな為、邪気でスキルを掻き乱す等、下手な冒険者より強い。