概要
フロッダー(Flodder/Flodderduivel)とは、オランダの西ブラバント地方で伝承される水妖で、この名は水面から飛び出す擬音から名付けられたといわれる。
外見ははっきりとしないが、イングランドのブラックドッグのような獣とも幽霊のようであるともされている。
この水妖は側溝や水たまり、川の堤防付近に棲んでいるといわれ、夜中にそのような場所の近くを歩いていると、突然背中に負ぶさってきて脅かしてくる。
負ぶさられてしまうとどのようにしても振り払うことはできないが、犠牲者が人里にたどりつくと不思議なことに消えてしまう。
オランダおよびベルギー、ドイツなどのドイツ語圏では、この怪異に同一視されるものとしてアントワープのランゲ・ワッパー(Lange Wapper:巨人)、フランダースのクルーデ(Kludde:悪魔)、フェルウェのブルー・ゲリット(Blue Gerrit:不可視の妖怪)、ゼーラントのオサールト(Ossaert:水妖)、ヘルダーランドのストープ(Stoep)、アーヘンのバーカウフ(Bahkauv:鱗のある子牛)などが知られる。