概要
白亜紀後期に生息していたモササウルス科の一種で、 名前は「泳者トカゲ」を意味する。化石発見地は北アメリカ。体長最大9m程と推定される化石が見つかっている。
モササウルス科は近年、サメのような尾鰭をもっていたらしいことが化石の痕跡から確認されているが、その中でもこのプロトサウルスは尾の上下の骨が長いため、尾鰭が発達していた考えられ、また前後のヒレは細長く、高速で泳ぐことが出来た種であると言われている。分岐分類学でもプロトサウルスは既知のモササウルス科の中で最も枝分かれしたのが遅い=最も進化した種であることが示されている。
丁度その姿はウタツサウルス等の原始的な魚竜に姿が似ており、魚竜類が絶滅する頃に現れたモササウルス類が海でのその生態的地位(ニッチ)を取って代わったことを示しているとされる。こういった背景のある種のため、復元によっては既に小さな背鰭をも持っている姿で描かれることもある(こちらは直接的な証拠はないが、メガプテリギウスのように背鰭があったとも推測される種がいるため、完全にありえない話ではない)。
白亜紀末期に大量絶滅によってモササウルス科が姿を消していなければ、進化した魚竜やイルカのような姿になり、さらなる繁栄を続けていたかもしれない…と思わせる存在である。