概要
北ロシアのスラヴ民族に伝わるライムギ畑に住む女性の姿の精霊で、ポルードニツァ、ルジャニーツァ、ポルージェニツァという呼び方もある。
名前の意味は「真昼の女」で、麦の収穫作業中に真昼間に関わらず休憩をせずに働いている農夫を見つけると、首をつかんでひねったり髪をつかんで振り回し、ひどい頭痛にして働けなくさせてしまうという。
さらに手にした大鎌で斬りつけてきたり、子供をさらうともいわれ恐れられていた。
昼の十二時には村を歩き回り、家の中を覗いては働いているものがいないか見て回るともいわれている。
その姿や行動には諸説があり、白い服を着た背の高い美しい女や、大鎌を真昼になると振り回すおさげの女、古い時代の服装の手鎌を持った長髪の女、暑いときに人をくすぐって殺す毛深い女、真昼に子供をさらう長い黒髪で黒い顔の女などが伝わっている。
そのため農夫たちは忙しくとも昼には横になって休憩し、子供たちも昼には家の中で横になってさらわれないように戸締りをしたのだという。
一説によると農作業中の熱中症と、子供が広大な畑で遭難するのを防ぐために生まれた伝承であるといわれている。
創作での扱い
ロシアに造詣が深い速水螺旋人作の大祖国戦争とスラヴの伝承をからめた架空戦記漫画で、過酷な強制収容所での労働に休息を与える慈悲ある存在として登場。生きるために捕虜の身でドイツ軍に志願した、元赤軍兵ラザレフを助けようとする。