曖昧さ回避
- スラヴ民族に伝わる家や家族を守護する妖精・精霊。※この項で解説
- 『乖離性ミリオンアーサー』に登場する少女姿の【凶兆の妖精】ドモヴォーイ。
2.のドモヴォーイ
スラヴ民族に伝わるドモヴォーイ
ドモヴォイとも呼ばれ、ウクライナではドモヴィークという名で伝わる、イングランドのブラウニーと非常によく似た性質を持つといわれる家憑き妖精。
暖炉や地下室、玄関などに住み家を守護する者と、納屋や家畜小屋に住み家畜の世話をする者がいる。
灰色や白い髪と髭を生やした毛深い老人や小人であるとされ、角や尾を持つともいわれる。
しかし、家人がその姿を見ることは不幸であるとされ、本来の名で呼ぶことも嫌がるため「あの人」や「おじいさん」を意味する言葉で呼んでいたという。
家の守護者として悪霊や侵入者を撃退してくれるが、怒らせると家人へいたずらしたり、家畜の餌を糞に変えて餓死させたり、火災を起こすともいわれるために夕食の一部を供えることが行われていた。
また引っ越す際に連れて行かないと不幸が起きるといわれることから、暖炉の燃え木を引っ越し先の暖炉に移してパンを供えて呼び寄せたという。
なおドモヴォーイにはドモヴィーハという妻がいるといわれる。
その起源は古くからの先祖の霊が精霊となったもの、または天上に住んでいたが天地創造の際に神に逆らったために地上に堕とされた精霊の中で、家に落ちて人と仲良くなったものであると伝わる。
その中で庭に落ちたものはドヴォロヴォーイと呼ばれる粗野な妖精となり、白い毛の動物を嫌っていたずらをするという。
創作での扱い
- 女神転生シリーズ
初出は『真・女神転生デビルサマナー』で種族は”妖精”。毛むくじゃらの顔には口しか見えず、細い手足の中堅悪魔である。
ロシアに造詣が深い速水螺旋人作の大祖国戦争とスラヴの伝承をからめた架空戦記漫画で、ニェーメツ(ドイツ軍)に占拠された校舎が奪還できなかったのは、軍事物資に惹かれ大型化したドモヴォーイが住み着き守護していたからだった。