概要
藤子・F・不二雄大全集6巻に収録「手足につけるミニ頭」に登場。
腕時計に似た形で、時計にあたる部分に顔がついている。これを手首や足首に巻くと、ミニ頭がもうひとつの頭脳となって手や足を動かし、装着者が眠っている間に手だけで宿題をこなすといったことが可能となる。両手足につければ最大4つのことを同時にできる。
使用に際しては、チューブ入りの「脳みそ」をミニ頭に注入する必要がある。この脳みそが多いほど頭が良くなって高度な仕事をこなせるが、それに比例して我が強くなり、装着者の意向に従わないことが増えてくる。
ストーリー
居間でテレビ(オバケのQ太郎)を見ながら勉強していたのび太だったが、当然ノートにはちゃんと計算を書けておらず、ママから注意されてしまう。だがのび太は「人間て不自由なもんだね」とドラえもんに話始め、その理由は一度に一つのことしかできないからで、テレビを見ながら勉強したっていいと思うと言い出した。
これにドラえもんは納得しなないようだったが、のび太は「もしも手足が別々に動いて別々なことを一度にやれたら、うんと時間が節約できる」と言い出し、そのための機械をねだり始めた。するとドラえもんは渋々「ミニ頭」を取り出し説明をした後、これをのび太の左側の手足に装着させた。そしてのび太も、腕に宿題をやるよう命令し宿題を進めたが、書いた答えはかなりいい加減で、ドラえもん曰く脳みそがちょっぴりしか入れてないからということだった。
そして「手足なんてあんまり頭がよくなると困ったことになる」とドラえもんは忠告したが、構わずのび太が脳みそをたっぷりと入れてと言ってきたたため、「一度は懲りた方が薬になる」と言って仕方なくその取りにした。これによりのび太はいい調子で宿題を進め、足が休んでいたためけん玉で遊ぶことにし、寝ころびながらこれらを両立させ、ドラえもんが部屋から出て行くと昼寝を始めた。
だがその後、腕が鉛筆で頭を刺してきたためのび太はびっくりして飛び起き、宿題が出来上がっていたのを確認すると、「お前なかなか頭がいいぞ」と道具を褒めたが、その時「いやあ、大したことないね」「もちろんお前よりはましだけどさ」と道具の方も口をきいてきた。これにのび太は「お前とはなんだ、持ち主に向かって」と腹を立てたが、今度は足が動いて床にたたきつけられてしまった。
これに「勝手に跳ね上がるな」と怒っても、「俺の上にお尻なんか乗せないでくれよな」と反論し出し、ドラえもんがおやつを持ってきてくれても、道具の方が勝手にこれを食べてしまい、のび太は我慢の限界が来て取り外そうとするも、逆にボコボコに殴られてしまう始末だった。
その後ものび太がトイレに行こうとすると、「俺は別に行きたくない」と反論し出し、のび太が泣いて頼むとようやく進んでくれたが、今度はドアに激突してしまった。そしてのび太がドアを開けるよう言うと、お願いするよう言い出し、やっとトイレの前まで到着することができたが立ち止まってしまい、「こんな汚いとこに入りたくない」や「おしっこの手伝いなんか嫌だ」と言い出し、のび太は外へと連れ出されてしまった。
そしてしずかのスカートを引っ張たらり、ブルドックやジャイアンを踏んずたりしてしまい、電線の上を綱渡りする羽目になってしまったが、その時雨が降り出しのび太も気絶してしまったので、ミニ頭の方が「気絶したら重くなった」と自ら帰ってきてドラえもんに助けを求めて来た。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版ではアニメ化されず、水田版にて、2020年8月22日に放送されたのが初のアニメ化となった。
2020年版
- 冒頭でのび太が見ていた番組は、夜枕元で声がするので起きてみると、隣に置いていたピエロの人形が無気味に笑いかけて来るというもので、この時ママが肩に手を置いたためのび太は悲鳴を上げている。
- ドラえもんは人間の不自由さを語るのび太に、いつも漫画を読む際や昼寝をする際、おやつを食べる際にいつも鼻をほじっていることを例に挙げている。
- ミニ頭を付けたのび太は最初にけん玉で遊んでいて、この後脳に宿題をやらせ、腕にはけん玉をさせている。またこの後にも昼寝をしながら腕には宿題をやらせたり、うちわを仰がせたりしていて、ママに頼まれお使いに行ったも同様のことをしている。そしてこの時八百屋でしずかと会い、宿題の答えがおかしいことに気付いた。
- ドラえもんが部屋から出て行ったのは、おやつを食べるためだった。
- 頭がよくなったミニ頭は前日の晩からその前兆が現れていて、ノートに「これで最後だ」と書き残したり、入浴中や就寝中にも喋ったりしていた。そして翌日もトイレに向かった際、ドラえもんが持っていた羊羹を食べたり、止めに入ったドラえもんをボコボコに殴ったりしていた。
- ミニ頭がしずかにしたひどい事は芋虫が入った花を近づけるに変更され、この後会ったジャイアンとスネ夫はミニ頭に持っていたアイスを食べられて、ジャイアンは怒ってのび太の胸倉をつかんだが、ミニ頭の存在を聞かされ無気味がって退いた。ちなみにこの場にスネ夫がいたため、ブルドックは登場していない。
- ドラえもんに屋根の先まで追いつめられたミニ頭は、これ以上近づいたらのび太ごと飛び込むと言って脅迫した後、更に頭をよくし人類を支配しようとしたが、頭が良くなると今までの悪行を反省し皆に奉仕することを決めたが、動かされているのび太は自分だけ損している気分になっていた。