曖昧さ回避
- ウコギ科ヤツデ属の常緑低木。本項で詳述。
- ヤツデ(花騎士) - 『フラワーナイトガール』の花騎士。
概要
常緑低木。関東地方以西の暖地の林内によく自生している。代表的な陰樹で日陰に強く、庭木としてよく植えられている。地植えすると樹高2〜4メートルくらいになるが、鉢植えの観葉植物として仕立てることもある。葉は大きく光沢があり厚い。晩秋に球状にまとまった白い小花がたくさん咲く。翌年の春先に黒い実を付ける。
名前は葉が深く切れ込む(掌状葉)ことに由来する。別名テングノハウチワ。
セイヨウキヅタ(アイビー、ヘデラ)との間に属間雑種ツタヤツデ(ファツヘデラ)を作ることが知られ、鉢植えの観葉植物として栽培される。
利用
毒性があるヤツデサポニンを含み、服用すると腹痛や嘔吐などが起こるが、鎮咳、去痰作用があるともされ、葉を乾燥させたものが「八角金盤」と呼ぶ生薬として使われるほか、煮出した液がうがい薬として使われてきた。また、また、乾燥葉をお風呂に入れて薬草風呂にすると、リウマチや痔に効くと言い伝えられてきた。古い日本家屋の便所の近くに植えられていることが多いが、これは本種が汲み取り便所の蛆殺しに使われていたためである。