CV: 花江夏樹
概要
『カードキャプターさくら クリアカード編』からの新キャラクター。
さくらのクラスへの転入生・詩之本秋穂と共に暮らしており、幼い頃から彼女の身の回りの世話をしている男性。
秋穂のことは「秋穂さん」と呼んでおり、秋穂からは「海渡さん」と呼ばれている。彼のことを話す際の秋穂の台詞や表情から、彼女が海渡をとても慕っているらしいとわかる。
料理の腕は相当なもので、来客用のお菓子や秋穂の弁当なども全て手作りしている。本人は褒められても「仕事ですから」とさらっと返しているが、秋穂にとってはあまり聞きたくない台詞である模様。
疑惑
小狼は海渡との初対面時に魔力を感じ取っており、それを聞いたエリオルは彼の名前にある『D』が、イギリスのとある魔法協会で最高位の魔術師に与えられる「名」ではないかと推測している。
魔術師が自身の身分を示す「名」をわざわざ明かすのは通常あり得ないが、それを知られても問題ないほどに海渡の魔力は強い、と考えることも可能であった。
また、さくらが海渡から何も感じ取れずにいるのは、彼が有する月の魔力に起因するという可能性も浮上している(実際さくらは過去にも、月の魔力の使い手である歌帆の正体に自力では気づかなかった)。
ちなみに、同じセカンドネームを持つCLAMP作品のキャラクターに彼がいるが、関係(または近い意味)があるかどうかは現時点では不明。
正体
エリオルの調査により、海渡の正体はやはり強大な月の魔力を持つ魔術師であることが判明。
所属していた魔法協会の「門外不出の魔道具」を勝手に持ち出したという理由で既に破門にされているが、実際は『D』の称号を持つ強大な魔術師に協会側も迂闊に手が出せないため、不問扱いになっている模様。
協会は「魔力が強く、依頼さえこなしていれば大体のことはお咎めなし」という無茶苦茶さでも有名であるため、この海渡への処遇がどれだけ異質かがうかがえる。
またエリオルは海渡の魔力について、「今の自分より強い」と断言。
(「今の」と言ったのは、さくらに自分の魔力の半分をある人物へ分割して貰ったため)
実際作中では、ケルベロスと月に連絡を取ったエリオルを妨害し、抵抗した彼を思わず膝をつくほど消耗させた。その上、以降彼がケルベロスや月、小狼にも一切連絡できないよう通信手段を遮断してしまう。
更にアニメ版では、劇場版『封印されたカード』の時点で一度取り壊されたはずの旧エリオル邸を、周囲に不自然さを感じさせることなく復元させた可能性も示唆されている。
能力
海渡が使用する魔術は、主に「時間を操る」もの。現時点で時間を一時的に停止させる、少し前の時間に戻すといった術が確認されている。
使用するのは常に所持している懐中時計。上述のエリオルへの干渉時やアニメ版第16話ではそのまま使用していたが、原作ではエリオルのそれに似た大きな杖状に変化させて使用した場面もある。
時を戻した際に唱えた呪文は、「ティナ・リエ・トリアキス 盟約の元 時よ 戻れ」。
上述のアニメ版第16話では、自分はまだ知らないはずの「さくらの父親の職業」を秋穂に喋ってしまい、直前まで時を戻して無かったことにしている。作中での他の術の使用もごくわずかな時間に限るものだが、時の魔法はただでさえ術者の命を削るらしく、海渡が大幅に時間を戻そうとした際にはモモが強硬に反対した。
過去
モモの口から語られた内容によれば、海渡は「思い出す限りずっとひとり」で、物心ついた頃には周囲に血縁者はいなかったらしい。
聡明な少年であった彼は、赤の他人たちの輪から出て独りになるよりも、まずは大人たちと一緒にいた方が得策と判断。何より当時から優れた魔力の使い手であったため、大人たちの輪にいても何一つ不自由はなかった。
そうして成長していく中で、彼はある人々から「魔力を使って自分たちを手伝ってほしい」と頼まれ、承諾。おそらくその人々こそ「イギリスの魔法協会」の魔術師たちであろう。
彼の魔力はその後も更に強くなり、世界規模でも彼を上回る魔術師はいないとまで言われるほどになっていた。
ちなみにその過程で、彼の性格は「すっかり曲がってしまっていた」とモモは茶化している。
目的
クリアカードにまつわる一連の事件の根幹に関わっていると思われるが、彼の目的は未だ明らかになっていない。
現時点で推察できるのは、その「目的」のためにクリアカードの製作者=さくらの魔力が高まっていく様子を見守っている(あるいはそうなるように仕組んでいる)ことや、自分の目当ての力を持つクリアカードが生み出されるのを待っているらしいということ。
そしてその「目的」には、同居人である秋穂が大きく関係しているということである。
目的のために手段を択ばない彼の行動にはモモも懸念を抱いており、「一番大切なものを見失ってはダメよ」と心配している。