概要
第二次世界大戦中にアウシュビッツで勤務。収容所の囚人を用いて医学的に何の根拠もない人体実験を繰り返し行った。また、双子に執着し、一卵性双生児を用いた実験を多数行って多くの犠牲を出している。
実験の対象者や、直ちにガス室へ送るべき者を選別する際にはナチス親衛隊の制服と白手袋を着用し、クラシックの指揮者さながらに作業にあたったと伝えられ、彼の姿を見た人々からは恐れられた。人種淘汰、人種改良、人種の純潔、アーリア化を唱えるナチス人種理論の信奉者。愛称のベッポ (Beppo) はJosefのイタリア語読み「ジュゼッペ」(Giuseppe) に由来する。
ブラジルで海水浴中に心臓発作を起こし死亡した。
人物
妻をはじめとして本人を良く知る人物は、メンゲレは背が高くハンサムで親切な人物であったと評している。
最後まで逃げおおせることができたものの、その間メンゲレはずっと追手の影におびえ、ちょっとした物音でも敏感な反応を示したとされる。
また、南米時代の同僚には「彼がそんなことをしていたとは思えない。やったとしたら命令されて仕方なくやったのだろう」という意味の証言をする者もおり、(南米時代は)人柄についての評価も高かったことがうかがえる。よほど自分の本性を隠すのが上手かったのか、普通の医者として働く分には好人物だったのか、何ともよくわからない人物である。
但し、息子に過去を問い質された際は「お前は、そんなことを吹き込む奴らを信じるのか。私は潔白だ。」と返答したり、「あの頃は仕方が無かった。逆らえば、自分も被検体達のような目に合っただろう。」と弁解染みた発言を残しており、少なくとも自分がやっていたことには自覚があったらしい。
関連タグ
SLAYER (代表曲の『エンジェル・オブ・デス』は、メンゲレの人体実験がモチーフになっている。発売当時、歌詞の内容がホロコースト生存者の怒りを招き、論争となった。)