概要
ディオの3代目モデルで、「ライブディオ」という名前はホンダ公式の通称である。
それまでの2代目モデル「スーパーディオ」から一気に外見が近代化し、丸みを帯びたものになった。
2ストロークエンジンを搭載した最後のディオである。
2001年に4ストロークエンジンを搭載した4代目モデル「スマートディオ」にモデルチェンジし生産終了。
各地の自動車教習所にも原付講習用で多数が配備された為、お世話になった人は多いはずである。
ZX
ライブディオを象徴するモデルが、スポーツ仕様の「ZX」である。
読みは「ジーエックス」だが、世間では「ゼックス」「ゼッペケ」と呼ばれることが多い。
自主規制いっぱいの7.2馬力のエンジンとフロントディスクブレーキを装備。
外観はリアスポイラーと、ステップ下に書かれた「POWERED by HONDA」の文字がアクセントになっている。
登場時はヘッドライトが黄色かったが、これは当時のトレンドである。
このようなモデルはライバルのヤマハ・ジョグやスズキ・セピアにも存在したが、本車は洗練されたデザインから若者の人気を欲しいがままにし、たちまちスポーツ系スクーターの代名詞となった。
後にジョグが似たデザインにモデルチェンジして反撃している事からも、その影響力が窺える。
1996年にはホイールを6本スポークのアルミ製に変更し、更にスポーツ性に磨きをかけた。
一般的にZXのイメージとなっているのは、これ以降の姿である。
1999年には環境規制対応のため、エンジンが6.3馬力にデチューンされた。
これを境に「規制前」「規制後」と分けられ、中古市場やスクーターレースではハイパワーな規制前が人気となった。
2000年には時流を反映し、一部カウルを半透明にしたスケルトンモデルを限定発売。
恐らくiMacに触発されたものと思われ、同様のモデルはジュリオにも設定された。
その性格上、所謂ヤンキーからの支持が厚い。
半ヘルを被り、爆音のチャンバーを装備しナンバーを曲げたZXが街中を走る姿が2000年代までよく見られた。