概要
型式番号EMS-T01。パイロットはロナルド。
ザンスカール帝国製モビルスーツゲドラフと同様のコンセプトを持つ小型モビルスーツ。
本来は一騎当千機として開発されながらも唯一量産を視野に入れて開発された試作機である。
ゲドラフのアインラッドに代わって「ライドボール」と呼ばれる、球型の攻守機動一体のサポートメカとの連携運用を前提としており、その姿は玉乗りをしているピエロに喩えられる。通常状態は恍けたピエロの顔を見せるが、フェイスオープン時にはその装甲の下から恐ろしい顔が覗く。
アビジョとその原型機アラナに代表されるSサイズフレームをベースに開発が行われており、その全長は10メートル足らずとゲドラフよりも更に小型となっている。Sサイズフレーム採用機の例に漏れず、小型故に運動性に特に秀でており、同じく10m級サイズのライドボールの走破性能によって地上を高速機動する。アインラッドと比較した場合、走破性については直径に劣る分最高速度で後れを取るが、球形のメリットとして360度の任意方向に瞬時に転換でき、装甲厚については大きく上回る。この「小型」、「球形」によってライドボールは機体全体の常時防御を捨てることになったが、一方向に対する防御能力を向上させつつ、高度な運動性能を獲得している。しかしながら、防御方向が一方向に限られるということは、パイロットには常に敵機の攻撃から自機をライドボールの影に隠し続けるポジショニング能力が必須となるため、この要求操作技量の高さからラロの量産は見送られてしまった。
サーカスではこのポジショニングを可能とするエースパイロットが搭乗したことにより、絶対防御と高運動性能という機体の真価を存分に引き出され、本機は部隊の「盾」とも言える存在となり、サウザンド・カスタムの中で特に攻撃力に秀でたデスフィズとは対の関係を成すに至っている。
武装として上下対称形状のビームライフルを装備しており、これは分割する事で二刀のビームサーベルとして運用することが出来るマルチプル・ウェポンとなっている。
ライドボールもまた、それ自体が質量武器となり敵機を轢殺するが、Sサイズフレーム故の低質量を補うためビームカッターが内蔵されている。
なお、ライドボールは最終的に敵勢力に鹵獲、利用されてしまうという、アインラッドと同じ欠陥を晒す事となった。