概要
ラーゼンは『叡智の魔人』と恐れられた大国ファルムスの守護者。
「憑依転生(ポゼッション)」によって長い時を生き続けており、極めて高い魔法能力から、西側諸国の中心である大国ファルムスを守護し続けてきた。
その実力は、ユーラザニアやサリオンにまで名前が響き渡っているほど。
プロフィール
人物
ファルムスを守護する立場でありながら、東の帝国に所属するガドラの弟子でもあり、 魔法の基礎はカドラに叩き込まれたもの。
ただし魔法の才能はガドラの方が優れており、ガドラは「輪廻転生(リンカーネーション)」によって生き続けているが、ラーゼンは「輪廻転生」を行使できず、「憑依転生」を使用している。
リムルとファルムス王国軍が対峙する前、ラーゼンは「憑依転生(ポゼッション)を用いてショウゴの体に乗り移っている。
ショウゴが獲得していたユニークスキル「乱暴者(アバレモノ)」と「生存者(イキルモノ)」も行使できるようになっており、物理攻撃と治癒に優れた権能を保有している。
強さ
ファルムス王国の大魔法使いであり、西側諸国ではグルランベルとヒナタに次ぐ実力者。
その魔法の扱いにおいて右に出るものはいないと言われるほど。
ヴェルドラ曰く、魔王ゲルドよりも強いらしい。
ウィザード級以上の限られた者にしか使えない秘術「上位転移魔法」や自分の死亡を発動条件とした「核撃魔法」など、魔導の深淵に近い高等魔法も扱う事ができる。
活躍
「魔王誕生編」
ラーゼンはファルムス王国の守護者として魔国連邦討伐隊に参加する。
テンペストの街道の「交番」「派出所」の名前から、異世界人の存在を検知して警戒を高め、中央都市リムルに「四方印封魔結界(プリズンフィールド)」を設置していた神殿騎士達が窮地に陥る可能性を予感。
急いでテンペスト郊外へ向かうが、攻撃を受けた騎士達は壊滅状態に陥っており、唯一生き残るも、ゲルドとハクロウに敗北し追い込まれていたショウゴを、上位転移魔法と核撃魔法を駆使して救出、その場を離脱することに成功する。
その後ファルムス王国軍の陣地に戻り、ショウゴの体を「憑依転生」で乗っ取る。
ラーゼンは長き時を他人の体に乗り替わることで生き長らえてきた存在であり、敗北による恐怖で最早虚勢を張るのが精一杯になってしまったショウゴはもう立ち上がれないと判断し、希少なユニークスキルを持つ彼の体を奪ったのだった。
魔王種に近しい強さを得たものの、突如本陣に急襲してきたリムルの「神之怒(メギド)」により、為す術無く敗北。
そのまま死亡したかに思われたが、「生存者」により時間差で蘇る。
リムルには敵わないと判断し、しばらくは隠れて様子をうかがっていたが、リムルが召喚した悪魔達に発見され交戦する。
叡智の魔人の名にふさわしい高等魔術、核撃魔法「熱収束砲(ニュークリアカノン)」や大地の上位精霊を呼び出す精霊召喚「土の騎士(ウォーノーム)」を発動するが、悪魔には全く通じずオモチャにされる。
そして、その異常な強さと外見の特徴から目の前の悪魔の正体に気付き戦慄。呆気なく一蹴され敗北する。
「聖魔対立編」
テンペストの地下牢でシオンによる尋問を受けた後、国王エドマリスと大司教レイヒムと共にファルムス王国へ帰される事になる。
長年ファルムス王国の守護を務めていたラーゼンだったが、原初の黒を配下とし、魔王へと進化したリムルの強大さを認めざるを得ず、正に「眠れる獅子を目覚めさせてしまった」失策を犯した事を悔やみながら国王エドマリスの助命を嘆願、その対価として自分をディアブロの下僕の末席に加えてほしいと願い出る。
これをディアブロに許可されると、その発言の意味を正しく理解し、悪魔に忠誠を捧げる存在となった。
これにより、ディアブロに絶対服従の存在となったが、ラーゼンの胸の中にはリムルのファルムス王国を発展させる計画への希望があり、その為には今の古い体制が崩壊するのも仕方がないと考えるようになっていた。
ファルムス王国に到着すると、ディアブロと事前に仕込んでいた通りの筋書きを進めるべく一芝居を打つことに。
異形となった国王エドマリスを王宮に届け、王を元の姿に戻すために、英雄ヨウムが回復薬を持って帰ってくる手筈になっていると説明。
リムルが作った作り話を聞かせ、あくまで『リムルは強大な存在だが、本来は友好的な魔物』という立ち位置をアピールする。
「魔都開国編」
ファルムス王国の内乱もディアブロ達によって鎮められると、ヨウムが初代国王となったファルナメス王国の初代魔術師長となる。
そして、旧ファルムス王国の貴族達の内乱を陰から潰していき、また国家運営に協力してヨウムを支えていくことに。
「勇者覚醒編」
ラーゼンの目的は国の繁栄と人々の幸福であり、国の名前が変わることは重要なことではなかった。
精力的に国内を視察して、不穏な目を全て事前に摘み取って治安維持を図っており、ヨウムに対して魔法で定期的に連絡、ファルナメス王国において非常に重要な存在となっていた。
「戦争前夜編」
ファルムス王国内乱鎮圧後、ラーゼンは三武仙のサーレとグレゴリーを弟子にとっていた。
普段通り執務室で仕事をしていると、強大な魔力を持つ存在がファルナメス王国に現れ、サーレとグレゴリーが相手をしようと出陣するが、ラーゼンは即座にその相手が自分の師匠であるガドラだと判断、本格的な戦いとなる前にガドラと会談の場を持つことに。
ガドラは、テンペストの戦力情報を把握するために東の帝国から来た密偵だった。
テンペストを裏切り帝国に寝返るよう説得するガドラに、ファルムス軍消滅の真相がリムル一人に皆殺しにされた事と、彼の配下に原初の悪魔達がいる事、ガドラにとって最終目標だった七曜の老師達の打倒が既に魔国連邦によって達成された事を伝え、絶対にテンペストと敵対してはならないと忠告する。
そこで初めてリムルの異常さと帝国側で戦う意味が無くなった事を知ったガドラは逆に魔国連邦への寝返りを決意し、臣従するためにラーゼンにリムルとの会談の場をセッティングしてもらう。
「野望終焉編」
ラーゼンは、ミュウランとも良好な関係を維持しており、ヨウムとの娘ミームに修行をつけると約束をしていた。
ファルムス王国時代の時よりも、国は栄えて平穏を享受し、人々は幸福に生き、ラーゼンの目的は達成された。
弟子のサーレには持てる魔法や技術の全てを授け、今では自分よりも強い存在となっていた。