概要
スラムダンクにおいて、花道を語る上では欠かせない、彼の異名(自称も含む)の中でも最も有名な渾名の一つである。
その名の始まりは、陵南との練習試合前において、湘北キャプテンの赤木に見出されたところが発端となる。
赤木は花道の能力を見込んで、彼にリバウンド(シュートミスしたボールを取るプレイ)を徹底して教え込むべく、マンツーマンで花道に指導した。
初めは乗り気ではなかった花道だったが、赤木はそんな彼にあることを教える。
それが
「リバウンドを制する者は試合(ゲーム)を制す」
である。
実際にバスケットボールの試合では、リバウンドは得点することと同じくらい重要なプレイとして認識されており、リバウンドの重要さを知らしめたことが『スラムダンク』の最大の功績と言っても過言ではない。
(当時のルールだが)チームは一度ボールをコートに入れると、30秒以内に相手のゴールにシュートしなければならないルール(30秒ルール)があり、攻撃時間が限られているのだが、シュートするとそのカウントがリセットされるため、味方チームがリバウンドをよく取れれば、その分味方チーム攻撃時間が長くなるのである。
逆にリバウンドが取れないチームは、攻撃時間が相手に比べ極端に短くなるため、常に攻められているような感覚を味わうことになる。
更にリバウンドがよく取れれば、味方はシュートを外しても相手にボールが渡る心配が少ないという安心感から、思い切りのいいシュートを撃っていくことができ、逆に取れない側はボールを奪われることを警戒してシュートを撃ち辛くなってしまう。特に3ポイントシューターにとっては敵味方のリバウンダーが上手く働くかが活躍に大きく左右する。
こうした背景から、リバウンドはバスケットボールにおいて、チームの勝敗を左右する重大要素の一つなのである。
これを聞いた花道は俄然やる気を出し、赤木との猛特訓の末、陵南との練習試合でその成果を発揮し、翔陽戦のハーフタイムにおける晴子との会話から、それ以降自身を『リバウンド王』と称するようになった。
更に自身よりも高身長の相手ばかりだった翔陽戦においても、全くそのハンデを感じさせず、逆にこの試合で完全にリバウンダーとして資質を開花させた。
以降は彼の代名詞ともいえるまでに上達し、まさにリバウンド王の名をほしいままにし、やがてチームメイトからも「リバウンドに関しては本当に天才かも」と言わしめるようになった。
そして極めつけは山王戦。
花道の前には山王5番野辺将広が立ちはだかった。彼はリバウンド力を買われて山王のスタメンに抜擢されるほどの男で花道もその上手さを実感させられていた。
そんな彼を相手に花道はスクリーンアウトを取らず、(一度は姑息な手段を挟みながらも最終的には)後ろから何度も跳躍してリバウンドをもぎ取った。(1度目の跳躍でボールを上に弾き、もう1度跳んで取った)
さらに野辺と河田雅史を相手に、彼らが2回跳躍する間に3回跳躍する事でリバウンドを取った。
以上のプレーには安西先生も山王のチームも息をのみ、後半開始直後に逆転を許し、更に10分経過の段階で最大24点あった点差を残りの10分で再逆転、勝利への布石となった。また、桜木のみで山王相手に10本のリバウンドを記録している一方で山王監督の堂本五郎による指示で一時的にマークしていた河田は「スクリーンアウトを封じた上で、跳躍させなければいい」という攻略法を見せていて、これにはベンチに退いた野辺も感心していた。尤も、攻守の切り替わりで赤木とマークが交代する事が多かったため、一時的なものに終わった事も追記しておく。