データ
爬虫綱カメ目・リクガメ科・チチュウカイリクガメ属に分類されるカメの一属。
生息域は中東と西アジアで、アフガニスタン、イラン、ウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタン、中国(新疆ウイグル自治区)、トルクメニスタン、パキスタンで確認されている。ロシアには分布しておらず、生息地である上記の中央アジアの国のいくつかがソビエト連邦に属していたことから命名された。そのため現在は不正確な名称となっており、流通時には「ロシアリクガメ」と呼ばれる事が多いが飼育書や専門家の呼び名には上記の別名が使われることが多い。
食性は多くの近縁種と同様に草食で、野草の葉・花・茎・果物などを食べる。甲長は最大28cmほどで、他のリクガメと比べて背甲が低く扁平かつ円形で、メロンパンを彷彿とさせる形をしている。指(爪)は四本で、「ヨツユビリクガメ」の由来となっている。
多くのリクガメよりも北部や高地に棲息することから、ヘルマンリクガメと同じく冬眠することが可能(南部や乾燥地帯に分布する種は夏季に休眠する)。そのため穴を掘ることが得意であり数メートルもある深い巣穴をほることができる(但し殆どのリクガメは穴を掘る習性がある)。屋外飼育する場合も地中にも脱走防止対策を行わないと穴を掘って逃げられる事がある。
人間とのかかわり
牧草や農作物を食害することから害獣として駆除されたり、生息地の環境破壊、薬用やペット用の乱獲などにより生息数は減少しており、 中国では国家一級重点保護野生動物に指定されている。
前述したように一部の種は冬眠も可能なことからペットとして飼い易いリクガメとして人気が高く、ペットショップでもよく流通している。主に野生個体や卵を採取して孵化させた個体が流通するが、欧州や本国内での飼育下繁殖個体(CB)も流通している。
ギリシャリクガメと共にリクガメ飼育の入門種として紹介されることが多いが、流通量の多さや安価である故に輸送時やキープ時に粗雑に扱われて体調を崩し、短命に終わってしまう個体も多い。