CV:田村ゆかり
概要
公国第一王女。しかし人間の両親から隔世遺伝によりハーフエルフとして生まれたため公の場から姿を消し、魔術師の道を目指しその才能を開花させた。
というのも遥か昔、今の公国の盟主国であった古王国は同じく隔世遺伝で生まれたハーフエルフの王が治めていた。聡明な王の長い年月による統治によって繁栄を極めるも、とうとう王が寿命を迎えようとした時、次の後継者は公国を治めていた自分の息子の玄孫、つまり王にとっては赤の他人同然の人間の来孫であった。長年かけて治めてきた国を人間の来孫に譲り渡す事を嫌がった王は、側近たちと共に永遠の寿命を得るべく、古代エルフが禁忌とした魔術に手を出した結果、リッチと化してしまった。こうして古王国の王都はリッチたちアンデッドが支配する死の都と化して古王国は滅亡、後に複数の小国に分かれる事となり、公国も長い間アンデッドたちと他の小国との戦乱の嵐に巻き込まれた。
その出来事から東大陸全体ではハーフエルフは要職に就けないようになった(最も寿命が長く優秀な者も多いため、頂点には立てずともある程度の出世は望める)。特に古王国のとばっちりをモロに受けた公国ではハーフエルフは忌み嫌われる傾向が強く、ヴィクトリアもそうした背景から王族であるにもかかわらず政治的な立場から外されており、婚姻し子を生む事も固く禁じられている。
本人も魔術の研究は良く政治にも興味はないため今の立場で満足しているものの、子どもを作れない事だけは残念に思っており、その為甥と姪を可愛がっている。
本編にて…
その後、アルトリウスに弟子入りしたことで異世界食堂の存在を知り、食堂では甘い物全般が苦手な師匠に変わってデザートメニューの翻訳を担当する。
卵を使った菓子を好み、初めてメニューの翻訳をする時彼女が最初に食べたプリンアラモードが好物。
またプリンの保存のためだけに魔法を使った宝石箱型の冷蔵庫を開発したほどで、必ず手土産にカスタードプリンを持ち帰る。
描写こそ無いがプリンアラモード以外にも「ねこや」のデザートは全てメニュー作成の為必ず試食しており、他の客にデザートのアドバイスをすることもできる。
弟が公国の王であり、自身の甥と姪にあたるアルフレッド(アルフ)とマルガレーテ(マリー)は双子。
普段は国政には参加せず、城の西側の塔に自室兼研究室を与えられ、魔法の研究に勤しんでいる。
公王である弟からは家族として愛されているが、その妻からは邪魔者扱いされ、ハーフエルフである事も手伝い、嫌われている。
そのため、アルフとマリーの母親は、子供達に「白の西側の塔には魔女が住んでいるから、近づいてはダメ」と言って、甥・姪を近づけさせなかった。
後に子供ゆえの好奇心から、自ら入り込んできたアルフとマリーに、カスタードプリンを発見され食べられてしまった(発見した時、二人はこれを「まじょのくすり」と誤解していた)。
ヴィクトリアはその直後に姿を現し、ここが自室である事を伝える。更に「魔女の魔法を見せてあげる」と、次のドヨウの日に二人を伴って異世界食堂に来店した。
また、公国の女性宮廷魔術師・ロレッタとは幼馴染。過去にはヴィクトリアと友人同士だったが、ロレッタ自身の家庭の事情(宮廷魔術師としての研鑽と仕事、結婚と出産、生まれた娘の教育、など)で忙しかったために、20年ほど疎遠になってしまっていた。ただし、友情は今でも続いている。
こぼれ話
1.ハーフエルフの為、実年齢で36歳である今も10代半ばの容姿を保っているが、エルフの特性をよくわかっていない店主からは童顔の女性だと思われている。
2.サンドイッチ事件では、アーデルハイド皇女と【フルーツサンドに使用するクリームはホイップクリームとカスタードクリームどちらがよいか】を議論したことがあるが、サラやハインリヒのように激しくなることはなく『お互いの一押し品を食べてみよう』と穏やかに解決した。
3.クレープの回では、花の国の住人達にクレープのフルーツミックスを薦めている(フェアリーは身体が小さく、パフェは器の問題で食べづらく、またプリンアラモードもフェアリーが苦い物を嫌うと聞いていた為)。花の国の女王であるティアナ・シルバリオ16世から自身の国の秘宝である「花の種」(煎じて飲めば1年若返る程、非常に貴重な魔術媒体)を受け取るが、それがヴィクトリアにとっては親切の対価にしてはあまりにも過大だった為、フェアリー達が「ねこや」に来た際はその分の支払いは自分が持つことで盟約を結んでいる。ヴィクトリアにとっては一生かけて食事代の代金を払っても貰ったものに比べれば全く割に合わないとのことだが、ティアナたちは逆に人間の貨幣を手に入れる手段がないため、その申し出を非常に有り難く思っている。
後にチョコバナナを気に入ったフェアリーが登場しており、彼女の配慮の一つが杞憂となったがこれをヴィクトリア自身が知るよしは無いと考えられる。
4.お子様ランチの回では、自分が連れてきた甥と姪のために「お子様ランチ」を注文し、二人にごちそうした(この時、自身はカルボナーラを頼んでいる)。
甥と姪が喜んで食べる様子を見て、「自分にも子供がいたら、こんな感じだったのだろうか」と思いつつ、「人間である二人は、ハーフエルフの自分よりも先に寿命を迎える」事に寂しさも感じていた。
なお、アニメ版第2期第4話でこの回が放送されたが、この時は寿命云々の件はカットされており、純粋に幼い甥と姪を笑顔で可愛がって終わっている。
ただし、ニコニコ動画での配信時に上記の「自分にも子供がいたら~」のセリフの場面で「(いまだ未婚の)ゆかりんになんてセリフ言わせるんだ」「ある種のセクハラ」などの田村氏を擁護する(?)コメントが乱立した。
第2期最終回のアーデルハイドとシャリーフとの結婚式の2次会にも参加していたが、やはり同様のコメントが大量発生した。
5.原作6巻百十一話「モンブランプリン」の回では、大量発生したモンスター「モスマン」の討伐のため、幼馴染の宮廷魔術師・ロレッタと協力。流浪の冒険者『プリン』という偽りの立場と名前で、討伐に参加した(魔術の実力はあれど、ハーフエルフであると同時に現公王の姉というヴィクトリアの立場上、関わった記録を残さないための苦肉の策だった)。
この討伐は公国軍の数個大隊を率いた大規模な作戦で、「ねこや」の常連であるエビフライこと、公国軍騎士ハインリヒ・ゼーレマンも参加。彼が任されている城砦を作戦本部に用いている。
その際に、「作戦参加の礼」という事で、彼が「ねこや」で購入した期間限定のプリン『モンブランプリン』を贈られ、ロレッタと二人で食している。