概要
スクウェア(現スクウェア・エニックス)発売の『ファイナルファンタジータクティクス』に登場するキャラクターで、本作の黒幕とも呼ぶべき存在。
フルネームはヴォルマルフ・ティンジェル。
イヴァリースの国教「グレバドス教会」が独自に有する軍事組織「神殿騎士団」の団長。娘にメリアドール・ティンジェル、息子にイズルード・ティンジェルがおり、彼女らもまた同じく神殿騎士団に与している。
平民たちが信望する『ゾディアック・ブレイブの伝説』に由来する「新生ゾディアック・ブレイブ」の一員であり、聖石「レオ」を所持する。伝説の体現と、教会によるイヴァリースの掌握のため、南北で対立する侯爵たちの覇権争いの裏で暗躍する。…しかし、その表向きの動向とは別の、さらに大きな陰謀のために独自で行動を起こしており、各地に点在する聖石を探し求め、主人公ラムザと敵対するようになる。
人物
他の神殿騎士たち同様に金色の豪奢な鎧を身に纏っており、衣装の色は紫。黒灰色の髪に口元や目元のシワが目立つが、ダンディズム溢れる中々の美形。
一人称は「私」。
己の目的のためならば手段を選ばない冷血漢。取引においても平然と相手を騙し、役に立たないとみれば息子であっても容赦なく粛清する。ラムザと対面した際には上述のようなジョークを用いて挑発したり、彼を始末するために眷属として召喚した兄ザルバッグをけしかけるなど、曲がりなりとはいえ、神に仕える教会の使徒とは思えぬ数々の非道を見せている。
また一部プレイヤーの間では、物語に初登場した際に盗賊の一団にラムザたちを足止めさせようと交渉するシーンで、取引相手に値切りするセコイ一面が何かとフィーチャーされたりする。
正体
その正体は、聖石「レオ」と契約し転生したルカヴィの一角“統制者ハシュマリム”である。明確に彼がルカヴィに転生した時期は不明だが、実子であるイズルードやメリアドールがそれぞれ聖石の本来の力を知るまで気付かなかったあたり、物語が始まるよりも前に入れ替わっていた可能性が高い。
彼と同じく第二章開始時点でルカヴィに転生した者として、ライオネル領主のドラクロワ枢機卿、ランベリー領主のエルムドア侯爵などがおり、後に神殿騎士のウィーグラフや、ラムザの兄ダイスダーグもその場でルカヴィに変貌している。彼らの目的は、その首魁たる聖アジョラの本性である“血塗られた聖天使”の復活と、その至極の力により人間界をルカヴィの楽園に変えることであり、そのためにラムザの手にした複数の聖石たちとゲルモニーク聖典、そしてアジョラの生まれ変わりであるアルマ・ベオルブを奪い、聖天使復活の準備を着々と進めていく。