概要
小説版『金田一少年の事件簿』殺戮のディープブルーの登場人物。
声優:関俊彦
人物
藍沢グループの社員。茜の婚約者その3。茜の本命である。
医大卒であるが茜が好きで入社したイケメン。色黒の遊び人みたいな容姿だがピンチの時に彼女の防弾チョッキにもなってくれる、頼れるイイ男。
アニメ版では遠藤由明と変更されており、色黒ではなくなっている。
ネタバレ
ディープブルー……ディープブルーだ。その厳かな青こそが、私のすべて。
ふと気づいた。目の前に広がっていたはずの青い世界が、いつの間にか漆黒の闇に取って代わられていることに。どうしてだ。どうして……
殺戮のディープブルーの真犯人である「キング・シーサー」その人である。
「ディープブルー」の真の発見者・那国守彦に出資していた事業家の息子であった。
しかし遺跡の発掘という夢を叶えかけた父親は、その功績を藍沢グループ横取りされた上に経営していた会社を倒産に追い込まれ、自殺した。
だが三井自身も「ディープブルー」の神秘に魅せられた人間の一人であり、彼の計画の目的は単に父親の復讐をすることではなかった。
「ディープブルー」を手に入れた藍沢グループだが遺跡を観光の道具としか考えておらず、遺跡の発掘は地下のアクアリウムから鑑賞できる部分以外はほぼ中止された。
美しき「ディープブルー」に魅了され、その全貌を解き明かしたいと望む三井には、父の非業の死よりも何よりも、そのことが我慢ならなかったのだ。
そのため三井は藍沢グループに取り入るために医大生となり、さらに藍沢茜の婚約者として取り入ることで秀一郎の信頼や茜の愛を確かなものに確立。
邪魔な存在であった藍沢優、剛、由理絵、秀一郎の前妻を抹殺して藍沢グループの後釜に座り全てを手に入れるという、壮大な計画を立てたのである。
そしてテロに巻き込まれた者同士が親密な関係になることはざらであり、心臓が悪い秀一郎にとって医大卒の三井は唯一の頼れる人物としてますます頼るようになりさらなる信頼が得られる上、テロ事件に巻き込まれたことからくる恐怖感を茜が性的興奮と錯覚(これはかつて結城先生が金田一に教えてくれたことである)して自分に対する愛を深めていくことにもなるからである。
そして三井文也は偽名であり、元々は身寄りのない医大生を殺害して戸籍を乗っ取ったに過ぎなかった。
また、茜に近付くために彼女の趣味や嗜好を徹底的にストーキング調査しており、いかにもマリンスポーツが好きそうな逞しい外見や快活な性格も茜の好みに合わせた作り物であることが示唆されている。
茜に対する複雑な想いなどから極悪人というイメージはそれほど強くないが、歪んだ選民思想の下ノベル冒頭にて自身の計画の犠牲者を過去の技術力が低くて大規模な工事の犠牲と同等に正当化しており、罪や恨みもなければ邪魔なわけでもない人物(本物の三井文也)を、復讐ではなく単なる私欲のために躊躇なく殺害しているため、ある意味では的場や桐江と同等、もしくはそれ以上に悪質と言える。
アニメ版の遠藤由明は大まかな動機は三井とほぼ同じ、だが彼は那国守彦の実の息子で本名は那国直人であった。彼が相沢グループに取り入った理由は、「父親を追いやった彼らに同じ苦しみを味わわせた上で全てを手に入れる」という復讐の要素が原作よりも強いものである。
また身代わりとなる人物も殺害してないため三井よりは良心的であると言える。
彼は金田一のノベルスシリーズで自殺した唯一の犯人である。
原作では「危険な場所にあえて留まる」という消極的手段であったが、アニメ版では自らアクアリウムのガラスを撃って破壊している。