三名槍(火ノ丸相撲)
ひのまるずもうのてんがさんめいそう
三名槍(火ノ丸相撲)とは、火ノ丸ら「国宝世代」と同年代でありながら学生相撲には行かずに中学卒業からいきなり大相撲入りした三人の力士たちであり、早い段階から大相撲で揉まれた分高い実力を誇り、火ノ丸の相撲人生においては激突を避けられない相手としての一面を持つ強敵たちである。
また、何れ劣らぬ個性派揃いであるためか体育会系的な仲間意識は希薄であり、その辺りもなんだかんだで仲間意識も強い「国宝世代」の面々とは一線を画している。
※三槍とも特に国宝や重要文化財としての指定はされていない
大和号司(やまとごう つかさ)
「あまり三名槍と一括りにされたくないものだ。
褐色肌の強面で、所属は大和国部屋。
名槍日本号と師匠である往年の大横綱・大和国から四股名を採った、(公言こそされてないものの)言わば「大和国親方の一番弟子」とも言うべき人物で、そのぶちかましは角界随一と謳われるパワーファイター。
性格は寡黙で実直な武人肌の好漢であるため火ノ丸をはじめとする「国宝世代」の面々とも比較的良好なライバル関係を構築している。というか、他の名槍の面々を好まないような台詞を言っている。
読書家。出身は北関東で方言が出ないように気をつけたら武士のような喋り方になってしまったらしい。
御手杵忠(おてぎね ただし)
「まったく…… 誰かさんのおかげで拍子が狂いますよ。」
名槍御手杵から四股名を採っており、柔軟性と懐の深さに定評のある技巧派。
嫌味や挑発的な言動を行う部分があり、火ノ丸の取り口を「品がない」などと酷評する事もあったが、火ノ丸との絡みよりもその兄弟子である冴ノ山とのライバル関係がクローズアップされている。
飄々とした掴み所のない性格で、実は相撲甚句で歌手デビューしている(そして夏巡業で岐阜入りした際には自身以上の美声を誇る新進気鋭の力士にたじろぐ)などコミカルな描写も多い事から「癖のある面白キャラ」としての印象が強い。
蜻蛉切瑠偉(とんぼきり るい)
「見た目は大事だぜ。俺もこの蒼い目で苦労したからな。」
碧眼でイケメンの日英のハーフで母が日本人、父がイギリス人。なお、生まれも育ちも日本なだけでなく英語も喋れない。特技はサッカー。所属は見島部屋。
名槍蜻蛉切から四股名を採っており、正統派の四つ相撲を得意とする。
新弟子時代に「ハーフと言うだけで妙に注目を受けていた」事から兄弟子たちに妬まれ理不尽な虐めに遭った。報復の一念で猛稽古に耐えて幕内に上り詰めて兄弟子たちを虐め返して部屋から叩き出した事により冷酷な「番付原理主義者」としての一面を持つに至り、目下の者たちへの横暴が目に余るようになり、同期の大和号からは「悪い意味で大相撲に染まってしまった」と酷評されてしまう。ただし、中学時代から喧嘩沙汰と深夜徘徊で補導されており、新弟子時代もよく門限違反で怒られていたらしい。
火ノ丸の兄弟子に当たる薫丸に「才能もないのに無駄な努力をしている」と見做して、わざと再起が危ぶまれる程の怪我をさせた事から火ノ丸をはじめとする柴木山部屋の面々からは不倶戴天レベルの敵意を向けられている。一方で、嫌われていることに涙することもあり、相沢亮からは面倒くさいと思われている(蜻蛉切も相沢亮を苦手としている)。
その一方、太郎太刀に対して評価しているように「正しい努力」をしている者の事を好み、幕下だろうと途端に敬意を見せて友好的になる。「正しい」というのは見た目や体格も含めたポテンシャルや向き不向きもあり、大相撲の体格制限制度、かつての小竜景光の鬼丸への感情、鬼丸と初取組を行ったの際の冴ノ山の怒り、などなどともどこか似ており、火ノ丸への嫌悪もそこにあると思われる。これは「ある意味では優しさ」とも言えなくもない。薫山を壊した際にも、意訳的だが「向いていない世界にいるよりは引退した方が幸せ」という認識を抱いていた。
下劣には変わらないが。
なお、褒められると機嫌が良くなり奢るらしい。