概要
上野恩賜公園の南端に位置し周囲は約2km、全体で約11万m2。
北で上野動物園西園、東で京成上野駅、南と西で不忍通りに接している。
現在の不忍池は、その中央に弁財天を祀る弁天島(中之島)を配している。
池は遊歩のための堤で3つの部分に分かれており、それぞれ、一面が蓮で覆われる蓮池、ボートを漕いで楽しむことのできるボート池、上野動物園の中に位置しカワウが繁殖している鵜の池の3つである。
1967年9月、地下鉄千代田線の建設工事中に伴う土砂崩れで池の底が抜けてしまい、約3万トンの水がトンネルに流れ込む事故が発生している。
この池には流出入河川が存在しない。水源は若干の自然湧出地下水のほか、井戸水、京成上野駅の地下ホームからの湧出地下水を人工的に汲み上げ放流したもの、JR上野駅新幹線ホームからの湧出地下水を汲み上げたものなど。地下水を不忍池へ流すことにより、地下水をそのまま下水道へ流した場合にかかる下水道料金の支払いをJR東日本、京成電鉄共に免除されている。
名前の由来
弁天島に建つ石碑によれば、「不忍池」の名は、かつて上野台地と本郷台地の間の地名が忍ヶ丘(しのぶがおか)と呼ばれていたことに由来するとのことである。
ただし、異説もあり、周囲に笹が多く茂っていたことから篠輪津(しのわづ)が転じて不忍になったという説(『新編武蔵風土記稿』)や、ここで男女が忍んで逢っていたからという説(『望海毎談』)もある。
15世紀頃には既に「不忍池」という名で呼ばれていた。