概要
冒頭でデッカードが屋台(スシバー)の席について主人と会話する中に出て来る。
主「なんにしましょう」
デ「4つくれ」("Give me four")
主「2つで十分ですよ」
デ「いや4つだ。2と2で4つだ」("No four. Two,two,four.")
主「2つで十分ですよ!」
ここで主人の説得にあきらめた表情になる。
デ「うどんもくれ」("And noodle")
主「分かって下さいよ」(「任せて下さいよ」の聞き間違いとも言われている)
屋台の主人の台詞は劇中でも日本語。デッカードの英語を解した上で日本語で返答し、デッカードも主人の日本語を解した上でやり取りしている。
ちなみに出されたヌードルは丼に入れたパスタのような物体で、うどんにはとても見えない。実際、小道具として使われたのはパスタである。
謎や諸説
ほぼ全員が思うのは「なにが4つなのか?」であろう。デッカードは丼物のタネを「4つくれ」と言ったのだが、肝心の丼の中身が映されていない。
デッカードはこのトッピングを4つにしろと言うものの通らず、あきらめて代わりにうどんを追加注文したもよう。
丼の中身については、劇場公開前のリサーチ試写で使用された『ブレードランナー:ワークプリント』(1982)では、この丼の中身がはっきり映っており、ご飯の上に黒い物体が二つ乗っている。まさに謎が謎を呼ぶ展開である。
ワークプリント版が発売されるまでは、長らくファンの間で話題になり、諸説登場した。
- 『秘密戦隊ゴレンジャー』へのオマージュ。第一話でキレンジャーが大盛りカレーを四皿注文し、マスターに「多すぎて食べきれないに決まってるから二皿にしろ」と言われる。実際、ワークプリント版で映る黒い物体はかなり大きい。
- レプリカントの人数の暗示。デッカードが追うべき逃亡したレプリカントは四体だが、デッカードが自分の手で処理したのはその内の二体。
- 現実の日本での言葉狩りを取り入れたもの。70年代から80年代にかけて、「四つ」は差別用語であるとして自粛されたり、差別開放団体からのクレームの的になっていたため、劇中で店主(日本人)が「四つ」と発言できなかった。
- この黒い物体はエビに見えなくもないが、それよりも深海魚に近いとも言われている。いずれにせよ水産物(魚介類)のように見える。環境汚染が進んだこの時代では水産物は身体に悪い食材であるため、「2つまでにしておかないと腹を壊すぞ」という店主の配慮。
なお特典映像の没フィルムを見ると、このスシバーは生魚の兜を皿に乗せて客に出している映像が確認できる。
オマージュ
後続のSF作品に多大な影響を与えたブレードランナーであるが、劇中(しかも冒頭)においてアメリカ映画にもかかわらずハキハキとした日本語が聞かれるため、この場面が強く印象に残ったというファンは多い。
それもあり『楽園追放』『ニンジャスレイヤー』など、オマージュ的に麺類を食べるシーンが挿入されたSF作品も少なくない。
- 2006年の映画『UDON』では、劇中劇にて違法うどん取引の隠語としてこのやり取りが用いられた。やはり「うどん」だからだろうか。
- 『魔王2099』では序盤にオマージュシーンが挟まり、うどん屋がほぼそのままのやり取りを行っている。
- 『スナッチャー』はブレードランナーのオマージュ作品で、ほぼそのままのサブイベントがある。
関連イラスト
関連タグ
二つで充分ですよ(表記ゆれ)