概要
『古事記』では井氷鹿、『日本書紀』では井光という漢字で表記される神。
『古事記』では神武天皇が東征で、熊野から吉野に至る途中、大きな熊である贄持之子の次に出会った国津神で、光る井(川)から出てきた尾のある神(有尾人)であり、天皇が名を問うと「井氷鹿である」と名乗り、吉野首等の祖(吉野の首長の祖)であることがわかったという。
『新撰姓氏録』では加弥比加尼(かみひかね)改め水光姫(みひかひめ)と記述され、女神であるとされている。
さらに『古事記伝』では、吉野町飯貝(いいがい)に住んでいたとされ、それを示す伊比加比が訛ったものであるとの説がある
なお、この次に天皇が出会った国津神・石押分之子にも同様に尾があったといわれていることから、国津神と呼ばれる者たちとは、「尾のように何かをぶら下げている民族ではないのか」いう考察がある。
創作での扱い
人が知性を持つ以前から高度なイヒカ文明を築いていたが、霊穴を支配しようとしたために大暴走を引き起こし、現在では高千穂の地下に細々と暮らしている。
NPCとして仲間になるものもいる。
- 女神転生シリーズ
初出は『真・女神転生Ⅱ』で種族は”妖鬼”。ツチグモやイソラ、アズミとともに異形の先住民族という解釈のイモリ人間といった姿の悪魔である。 →妖鬼イヒカ/水妖イヒカ
上記の『女神転生シリーズ』にも影響を与えた、少女漫画家山岸凉子による漫画作品。
黄泉の国に通じる井戸の番人である、尾のある美青年「井冰鹿」として登場した。
- 天外魔境シリーズ
詳細は →イヒカ