概要
人造人間モンスターとは「鉄人28号」に登場した怪物である。
製造者は不乱拳博士。つなぎ合わせた死者の死体に機械を内蔵して作り上げた、一種のサイボーグ(もしくは、死体を原材料として用いたロボットとも言える)。
モンスターと劇中では呼称されているが、これが正確な名称かどうかは不明。
外見は醜い大男。その姿に違わず怪力を有し、プロレスラーの「スーパー・アトミック」をあっさりKOするくらいには強いが、当然鉄人には歯が立たない。また、耐久力も優れており、拳銃や機関銃の弾丸を多少受けたところで、致命傷にはならない。
勝手に博士の元を抜け出し、殺人を犯してしまう。また、殺人鬼の脳を用いたため、粗悪かつ凶暴であり、あまり知能も高くなく「アウアウ」としか発せない。そのため不乱拳博士は、脳を科学者のそれに入れ替える事を考え、「かわいそうだが」と言いつつ敷島博士の脳を狙った。
ただし、事態への順応力は髙く、意外な知恵を発揮したり、愛嬌のある態度やしぐさを見せる事もあった。
当初は正太郎邸に入り込んだところを、大塚所長を叩きのめし、正太郎を襲った。その場は鉄人に叩きのめされ、さらに現れた不乱拳博士により引き下がる。しかし不乱拳博士が敷島博士を狙う事から、再び対決する。
最後には警官隊の一斉射撃に、人工心臓を破壊されて死ぬ。
モンスター自身をいくら倒しても、機械同様に修理や蘇生手術を行えば、何度でも蘇る事が可能。不乱拳博士のこの技術は敷島博士も感嘆するほど見事なものだったが、不乱拳博士の死後、研究資料などが残されていなかったために、理解や再現は出来なかった。
なお、研究資料は黒覆面のスパイ団が入手しており、死亡した不乱拳博士自身を蘇生するのにもちいられた。
アニメ第4作
4話・5話に登場。
戦時中「鉄人第二計画」の一環で、不乱拳博士が人間の死体から作り出した人造人間。
東京の地下に、水槽の中に入れられ封印されていたが、砲弾に入って東京都に飛来した鉄人の暴走事件により、水槽が発見される。更にブラックオックスと鉄人の戦闘により、その水槽のガラスが破損し、復活してしまった。
復活後、村雨健二と出会い、彼と心を通わせる。更には村雨健二の協力で、自分の父親の元へと向かい、再会することが出来た。
その父親とは、不乱拳博士。彼の生前の名前は「不 義久」、不乱拳博士の息子だった。
不乱拳博士は、生前に息子を怪物にしてしまった事を悔い、モンスターに自分を殺害するように暗示をかけていた。そしてそのため、モンスターは自分の父親を絞殺、不乱拳博士も死の間際に息子の頭を拳銃で撃ちぬき、互いに互いを殺害してしまった。
父親を殺した際、その眼には涙を浮かべている。死体はそのまま溶けて、緑色の液体となってしまった。
余談
その外観は、ボリス・カーロフが映画で演じた「フランケンシュタイン」に登場する「フランケンシュタインの怪物」そのものである。元から「鉄人28号」は、同映画の怪物をモチーフとしており、その怪物自体を本作に持ち込んだ、という形になっている。
関連タグ
モンスター(ロボット/鉄人28号) 劇中に登場する同名のロボット。