概要
伊勢大輔は平安時代中期の女流歌人。中古三十六歌仙、女房三十六歌仙の一人。女房として上東門院彰子に仕えた。父の大中臣輔親が伊勢の祭主で神祇官の大輔だったため,この名で呼ばれた。
技巧的な歌風で知られ、「小倉百人一首」に「いにしへの奈良の都の八重桜」の歌が入っている。この歌は、献上品の八重桜を受け取る役を紫式部から譲られて即興で詠みあげたものである。
なお、同じく小倉百人一首に「難波潟 みじかき芦の」の歌が取られている三十六歌仙の一人「伊勢」(伊勢の御息所)とは別人(伊勢の御息所は伊勢大輔よりかなり前に生きた藤原北家出自の人物であり、2人の活動した時期は重なっていない)。