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小説「優駿」
宮本輝の小説。1982年より『小説新潮スペシャル』、『新潮』(新潮社)で連載。
競走馬「オラシオン」の誕生から東京優駿出走までの成長、周囲の人間模様を描く。
第21回吉川英治文学賞受賞。
映画「優駿 ORACION」
フジテレビ開局30周年記念作品として、小説「優駿」を原作に制作された映画。
240万人超を動員する大ヒット作となったが、諸々の事情で原作レイプな内容となってしまった。
事前に「1987年の東京優駿優勝馬をオラシオンのモデルとする」「東京優駿の実際の映像を映画に使用する」と大々的に喧伝された。
当日の1番人気はマティリアルで、撮影スタッフが競馬のことを良く知らなかったため1番人気の馬が必ず勝つものだと思い込み、マティリアルにばかりカメラを向けていた。しかし実際に優勝したのはメリーナイスで(6馬身差の圧勝)、全く撮影していなかった。
撮り直しせざるを得なかったが、メリーナイスは栗毛で四白流星という派手な馬であり(原作のオラシオンは青鹿毛)、似た馬がいなかったため栗毛で四白の馬の顔に大流星を描いて誤魔化すこととなった。
東京優駿のシーンは引退して乗馬となっていた馬たちを借り出して撮影したが、都合よくオラシオン(メリーナイス)役が先頭でゴールせず、年寄りの馬に何度も全力疾走させて撮り直したため故障馬が続出した。
メリーナイスの主戦騎手・根本康広も奈良五郎役で出演したが、有馬記念でのメリーナイスの落馬シーンが映画に使用されたため、田中邦衛(砂田調教師役)に「何年乗り役やってる!」と怒鳴られるなど散々であった(実際の落馬には騎手の責任はほとんど無い)。