概要
処刑少女の生きる道(しょけいしょうじょのバージンロード)とは、佐藤真登によるライトノベル。
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』以来GA文庫大賞7年ぶりの大賞受賞作品。
内容を簡単に説明するならば、アンチ異世界転移・アンチなろう系。
日本から異世界に転移してくるチート能力者が、異世界にとっての災厄として抹殺されるのが当然となった世界で「転移者の抹殺を任務とする処刑人」と「不死身の能力を持った転移者」の交流を主軸に描いた物語。
作者曰く『DARKER_THAN_BLACK -黒の契約者-』の影響を受けているらしい。
2022年2月27日には2022年春アニメとして放送時期も判明し、TOKYOMX、BS11、AT-Xで放送される。
あらすじ
この世界には、異世界の日本から『迷い人』がやってくる。
だが、過去に迷い人の暴走が原因で世界的な大災害が起きたため、彼らは見つけ次第『処刑人』が殺す必要があった。
そんななか、処刑人のメノウは、迷い人の少女アカリと出会う。
躊躇なく冷徹に任務を遂行するメノウ。
しかし、確実に殺したはずのアカリは、なぜか平然と復活してしまう。
途方にくれたメノウは、不死身のアカリを殺しきる方法を探すため、彼女を騙してともに旅立つのだが……
「メノウちゃーん。行こ!」
「……はいはい。わかったわよ」
妙に懐いてくるアカリを前に、メノウの心は少しずつ揺らぎはじめる。
――これは、彼女が彼女を殺すための物語。
(公式より引用)
登場人物
第一身分に属する神官にして『迷い人』を処理する『処刑人』の少女。
幼い頃、迷い人の暴走により故郷を失い処刑人として育てられた。
卓越した魔導の使い手で、第一身分のみが所持を許された魔導書『教典』と隠し持った短剣を武器とする。
- ムトウミツキ(CV:内田雄馬)
日本から転移してきた『迷い人』の少年。
グリザリカ王城に召喚されるが「無能力」と見なされ追放される。
途方に暮れていた所をメノウに救われ、彼女の導きにより「対象を無に帰す能力」を持っていた事を自覚する。
これからの異世界ライフに思いを馳せる中、能力を危険視したメノウに殺害された。
いかにも主人公らしいキャラクターでありながら第1話で即死亡するミスリード役。
追放された理由も同時召喚された「もう一人の迷い人」を隠すためで、作中でもミスリードに使われている哀れな少年。
遺体は万魔殿(姉)に掘り返され死んだはずのマノン・リベール(妹)の蘇生の素材として使われた。
- 白の少女(CV:貫井柚佳)
メノウの回想に登場する『迷い人』の少女。
メノウが幼い頃に『漂白現象』という災厄を引き起こし、メノウの故郷とその住人を真っ白な雪に変えてしまい『陽炎(フレア)』と呼ばれる処刑人に抹殺された。
ミツキと同時期に日本から転移してきた『迷い人』の少女。
本人は「対象を治癒する能力」を授かったと思い込んでいるが、実際は「時を回帰する能力」で自身が殺害されても無自覚の内に肉体や記憶を殺害前の状況に戻してしまう。
自身の置かれている状況を把握しないまま、メノウに連れられ元の世界に帰る方法を探す旅に出る。
メノウの2つ下の後輩で、神官見習いの証である白服を身に纏う。
神官として本来持つべき『主』への信仰を持たず、メノウを異常なまでに敬愛している。
教典を使った魔導は苦手だが、導力を流した糸鋸を武器として扱う戦闘の天才。
補佐官としてメノウをサポートする。クレイジーサイコレズ
- アーシュナ・グリザリカ(CV:M・A・O)
グリザリカ王国の王女。世直しの旅をしている自由人。
自らの肉体に自信を持っており露出度の高い服を着ている。
主な作中用語など
- 魔導
世界に満ちる大いなる力『導力』を操る技術。
発動するためには『紋章』などの素材や媒体を必要とする。
相応の素質と訓練がなければ使いこなせない。
- 純粋概念
『迷い人』に例外なく付与される固有能力。
自らの肉体を魔導素材として機能させ、通常の魔導とは一線を画す驚異的な力を発動する。
使えば使うほど成長し、やがて持ち主の精神を侵食して暴走する危険を秘めている。
- 第一身分(ファウスト)
世界に暮らす人々の区分の一種で『主』に仕える聖職者を指す。
迷い人を処理する『処刑人』は第一身分の暗部として活動しているため神官服を身に纏う。
紋章を文字に落とし込み魔導書として組み上げた『教典』を武器とする。
- 第二身分(ノブレス)
騎士や王族など行政を司る権力者を指す。
王族であっても禁忌に手を染める者は『異端者』として第一身分からの処罰対象となる。
- 第三身分(コモンズ)
第二身分に取りまとめられる一般人を指す。
人口の9割は第三身分に属する。
関連項目
無能なナナ - 1話の展開が酷似している他、漫画版が同じスクウェア・エニックスからの出版となっている。