演 - 篠原ゆき子
概要
Season19初回より登場。階級は巡査部長。
社美彌子とは警視庁内の女性職員の集団「警視庁ガールズボム(通称・KGB)」での間柄でもある(社曰く「お食事会」程度の付き合いらしい)。
必要とあらばその場で衣服を脱ぐ事すらやってのける(後述)程の「男勝り」と表現出来るほどタフさを見せるが、一方でそれが「警察官らしからぬアウトレイジな言動」とも解される事もあり、激高した成人男性を1対1でねじ伏せる護身術を披露した事もある事などから、陣川公平とは違う意味で「Handling Warning」(取扱注意)な人物でもある。
また、後述する危機的状況から奇跡的に一命を取り止めた経緯もあって青木年男からは「不死身ちゃん」と呼ばれている。
ちなみに、伊丹らが行う取り調べの記録をする女性警察官は大抵がモブ扱いだったが、彼女の登場後はほぼその役割を引き継いだ恰好になっていたが、シリーズが進むにつれて彼女が担当することが減っていき、現在は再度他の刑事の担当となっている。
登場以降の動き
初登場時点では交通機動隊の白バイ隊員であったが、狙撃(実際の凶器がライフルではなく拳銃であった事から本来なら「銃撃」とすべきだろうが、拳銃とはいえある程度距離が離れていた事から敢えてこの表現とした)事件により負傷。直後に無線で救援要請し「死にたくねぇよ…!」という鮮烈な台詞を放つ。
幸い一命は取り止めるが、後遺症により本人は「白バイ乗りを続ける」意思はあったものの、結局は現場から離れることとなった(しかし、Season19第10話では冠城亘に対し「ついて行くのが嫌と言うならばバイクで追う」などと発言し、杉下右京もそれに同調して「君は元白バイ乗りの追跡から振り切れると本気で思っていますか?」と付け加えた事などから、少なくとも車種は不明ながらも白バイではない通常のバイクの運転には支障は無いと思われる)。
捜査一課への配属は社美彌子や衣笠藤治らの斡旋(正しくは強権)によるものであるが、この配属に関して内村完爾や伊丹憲一らは「捜査一課は男性の職場」として快く思っていない(しかし「パシリとして缶コーヒーを買いに行かせた」事から、視聴者達があからさまに「パワハラ」と解したのを察したのかどうかは定かでは無いが、後で大河内春樹にこってりと絞られていた)。
先の一件では「当事者(事件の被害者)」である立場上、捜査には参加出来ない身の上ではあったが、杉下右京の助言により「他の角度」から事件の捜査に関わる。その途中の取り調べでは被疑者に対して「初体験はいつなのか?」という趣旨の質問をし、相手の返事を待たずして「男に肌を見せるのは恥ずかしいだろうが、自分だってこの傷を男に見られるのは恥ずかしい」と唐突にワイシャツを脱ぎ出し、件の銃痕を被疑者に見せた(ポロリはしなかったとはいえ、彼女のあまりの突拍子の無さに現場にいた伊丹達は狼狽していた)。
銃撃事件の実行犯逮捕(首謀者である加西周明は逮捕を免れている)後は、捜査一課の新人として男所帯のなか日々奮闘している。なお、一度は撃たれたとはいえ「トラウマの類」は表向きは対外には感じさせず(ただし、Season19第19話の様に「事件解決が遅々として進まない事に不快感を顕にした」事はある)、伊丹達に拳銃が向けられた際は率先して男3人(うろたえる伊丹達と拳銃を所持した犯人)の前に割って入って盾になり「自分が撃たれた身の上」である事を引き合いに出して説得した事もある(Season19第18話。なお、この回の事件は「彼女自身が撃たれた事件」とは全く無関係である)。
また、これまで伊丹らから先輩風を吹かせられていた芹沢は、彼女の配属以降は自分が先輩風を吹かすようになった(というか、新たなレギュラーとして篠原を起用したのには「もはや芹沢役の山中が『若くてお調子者』というポジションにしておくのが難しくなった」という脚本上の事情も絡み、その点も加味されて「これまでの芹沢の役回りであった『情報流し役』のポジション」と「伊丹ら『既存の男勢』に負けないキャラクター性の濃さ」を両立させた彼女のパーソナリティーが設定されたという節もある)。
特命係には信頼感を抱いているようで、初期の頃は彼らに対しては和らいだ表情を見せたり、現場で鉢合わせした際にこっそりと冠城亘に情報を漏らして芹沢に怒られたりしていた。ただ、警察上層部や政治家相手だろうと制止も平気で無視してに勝手に捜査する特命係に巻き込まれることにはうんざりし出して来たのか、Season21の元旦スペシャルで「もう放っておきましょうよ」と自棄気味になって言ったこともある。
サイバーセキュリティ対策本部の青木年男には、衣笠副総監にえこひいきされていると思われているようで嫉妬から嫌味をぶつけられたりと当初は気圧され気味であったが、彼が元特命係という経歴持ちであるという事を知って警戒心が和らいだのか、冠城亘と一緒になって彼をからかって遊ぶといった無邪気な一面も見せた。
トリオ・ザ・捜一の復活について
Season12初回で三浦信輔が自身の負傷により依願退職後は、残った伊丹と芹沢との二人体制(非公式ではあるが「コンビ・ザ・捜一」と呼称される事もある)で臨んでいた。
Season13第4話では、三浦が退職した際の欠員補充として捜査一課7係の新任刑事である浅木真彩(演:原田夏希)が配属された事もあったが、彼女自身の意向により現場を離れたため次の回では元の木阿弥となっていた。
そのため今回の出雲の一件でも「また前回(浅木の時)と同じパターンか」と見なしていた視聴者は少なくなく、三浦の退職からもそこそこ年月を経っていたため「せっかく(伊丹と芹沢の)2人だけで上手い事やってたのに、今更『新任刑事』が来るのもなぁ」などとコンビのルーティンに慣れきっていた古参のファン達は困惑したりするなど当初はあまり良い顔をしていなかった一方、期せずして「捜査一課初のレギュラー女性刑事」「トリオ・ザ・捜一の"復活"」の展開に驚愕した視聴者も多かった。
なお、本来の「トリオ・ザ・捜一」の人物の中には「何らかの形で『漢数字』が含まれている」という法則があるが、出雲はこれには該当していない(浅木の名誉の為に補足するなら、一応無理やり彼女の下の名前の「麗→れい→0→ゼロ」と置換出来なくもないのだが…)。
とはいえ、出雲に関して伊丹らは「彼女は甘い存在ではない」と彼女を過小評価しておらず(芹沢に至っては「一筋縄ではいかない」とすら評されている)、少なくとも「無能」「制御可能な存在」として扱っていない様ではある。
そのため古参のファンからも「あれくらいキャラが濃くないと、イタミン達には太刀打ち出来ない訳だ」「何で彼女がレギュラーとして残れたのかやっと理解出来た気がする」などと妙に納得されたりしている。
その所為なのかは定かでは無いが、本編終了後の彼女のキャストクレジットにおける表記も「伊丹らとは別扱い」とされ、大体画面右下に単独で表示される事が多い(冠城時代の角田・益子・青木の登場回の場合は彼と並んで左側で表示されていた。亀山復帰後の現在は角田の登場回であれば彼と並んで右側で表示されている)。
なお、公式では、S22現在も彼女を「トリオ・ザ・捜一」に含めるか否かに関して言及されていない。
石丸幹二の災難(という名の弄りネタ)
先述した様に、出雲の狙撃を指示した加西本人は最終的には逮捕を免れており、ドラマでは時折見られる「後味悪い回」で終わる…
はずだった。
だが、癖の強い出雲にもある程度慣れた視聴者達はそれ以降も毎週の様に石丸氏の顔を見る度に「加西周明に対する恨み節」を吐くといういわゆる「ヒルカワ症候群」とでもいう状況になっていた。
断っておくと、今回のケースでは「毎週熱心に視聴しているファンが思い出した様に愚痴をこぼす」という次元の話ではなく「普段の視聴頻度を問わず『その回を観た視聴者』が揃いも揃って『罹患』している」というやや特殊な傾向が見られるのである。
何故こんな事になったのかというと、不運にも石丸氏が番組スポンサーである「黄桜」のCMにも出演していたのである(一応、石丸氏はその回が放送される前から黄桜側とCM出演に関する契約をしている)。
そもそも「番組出演者がスポンサーCMにも出演している」例は決して少なくなく(水谷氏における「リアップX5プラスネオ」が最たる例であるといえる)、また「後味悪い回」の犯人役の出演者も大抵はスポンサーCMとはかすらない事が多かった。
だが「現在進行形でスポンサーCMに出演している」石丸氏にはこれが裏目に出てしまった形となり、ひいては石丸氏が出演している辛口一献のCMが流れるたびに「出雲を殺させようとした奴」というトラウマがトリガーとなり、彼に対する辛辣な評価へと変わった…という訳である。
しかも、Season19そのものが、加西は出張料理人の藤原久美子(恰幅の良い通称「太藤原」)に食事中の一酸化炭素中毒事故を装い殺害され、その藤原久美子も消息不明(のちに前より美女になった通称「細藤原」として再登場するも殺害される)になり(ちなみに両方の藤原久美子も演者の姓が「松本」だが、彼女達は姉妹ではない)、さらに加西を無罪放免にした鶴田内閣官房長官が特命係に対する殺害予告(と解釈出来るような発言)をするというやりたい放題というSeason13の「ダークカイト」に次ぐ後味悪い結末であり、それに「特捜9」や「刑事7人」でも黄桜がスポンサーであり、件のCMも流され続けるので、結局足がけ1年半も視聴者達はフラストレーションが溜まりに溜まり、最終的にはSeason20の第3話までもつれ込んだのであった。
…その後はその後で「未だに成仏出来ない加西」と別の意味合いで弄られる事になるのだが。
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出雲同様、男社会で肩張って生きる勝ち気な女性刑事繋がり。