曖昧さ回避
隠語としての刈り込み
終戦直後の日本では戦争で親を亡くして焼け野原の路上で生活するしかない戦災孤児が数多く現れていたが、敗戦国となった日本を管理下に置いたGHQ(アメリカ側)が「目障りな戦災孤児を街に徘徊させるな」と日本側に指示した事を皮切りに行政が「保護」名目で次々と戦災孤児達を収容所に送っていた。
しかし、その実態は世間から見放された戦災孤児を「刈り込み」と称して野犬狩りのごとく強制連行してトラックに放り込んだ後に逃げ出さないよう裸にしてすし詰めで鉄格子に閉じ込めるという非人道的な弾圧であり、酷い時は戦災孤児を山奥に棄てるケースもあった。
このように、戦争が終わった後も数多くの日本人が苦しめられる事となったが、国は戦災孤児達に対し何ら責任を負わず、1948年の調査で12万3500人もの戦災孤児の存在が確認された時に至っては事実を隠蔽。その過程で戦災孤児達の多くが餓死や凍死、中には人身売買の被害に遭った者もいたとされる(当時の行政が一部の戦災孤児を養子縁組という形で人身売買組織に斡旋していた)。
上述にある通り、GHQの手先となった日本側が本来救うべき自国の戦災孤児を蹂躙していたのだが、敗戦前も戦争に反対する者を「非国民」とレッテル貼りして弾圧していたあたり、排斥対象が「反戦派」から「戦災孤児」へと変わっただけで時代関係なく全体主義で弱者を平然と切り捨てる日本の負の部分を見事に物語っていると言える。
関連タグ
戦災孤児 GHQ 媚米 弱い者いじめ 児童虐待 優生思想 差別 ディストピア ヘルジャパン
刈込:表記揺れ。
いじめ、入国管理局/入管、タコ部屋、外国人技能実習制度:現代における刈り込み。
撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ:刈り込みを行なった者達に当てはまる言葉。
はだしのゲン:戦争を題材とした漫画であり、作中では主人公の中岡元が「刈り込み」で戦災孤児を強制連行する警察官に対して「犬じゃないんだぞ」と激怒するシーンもあった。
デスティニープラン:外面を良くした「刈り込み」とも言える管理社会。こちらは大人も対象である。