概要
てんとう虫コミックス巻及び、藤子・F・不二雄大全集11巻に収録
モーセの十戒をモチーフとした石板。これに自分で考えた戒めを刻むと、その戒めを破った者は罰として、意識すら失うほどの雷に撃たれる。戒めは「十戒」の名の通り10個まで記入できる。
ストーリー
ドアが開けっ放しのトイレや受話器を外しっぱなしにしている電話、床に落ちたままのハサミを見たママは、あまりのだらしのなさに怒りながらも呆れてしまい、今度こそ思いしらせようと決まり事を紙に書き始めた。帰宅後、「靴はそろえて脱ぎなさい」という張り紙を見たのび太は、何のことかと思っていたが、ママからこの決まりを1つ破る度に小遣いから10円引くと言われ「むちゃくちゃだ」と泣いて部屋に帰って行った。
この時ふすまを閉め忘れていたためそのことを怒られるが、ショックで耳には入っておらず、「残酷だ」とドラえもんに泣き付き始めた。だがドラえもんは「いいことじゃない」と言い、「そのうちには君もキチンとした人間になるだろう」となめ言い出したため、のび太は「その前にスッカラカンになってしまう」と泣き出してしまった。
これにドラえもんがなんとなく納得すると、のび太が何とか止めさせてくれと頼んできたので、決まりには決まりで対抗しようと「十戒石板」を取りだし「のび太の小遣いを減らすな」と記入。すると試しに張り紙を無視して階段をドタドタと降りたのび太に、10円減らすと言ったママは本当に雷に打たれ真っ黒こげになってしまった。
更にこれに怒ったドラえもんから「こんな使い方するなら貸さない!」と言われると、「貸した道具を取り返すな」と記入。ドラえもんが慌てて逃げていくと、のび太は外出しジャイアンとスネ夫を見つけると石板に「のび太をいじめるべからず」と記入。口笛を吹きながら彼らの前を通りかかり、因縁を付けられ殴られそうになるとやはり雷が落ちたので、「やったあ」と大喜び。
その先でも安雄とはる夫が自分の悪口をひそひそ話していたため、彼らも同様の被害にあうことになり、その後もラジコンカーを貸すのを拒んだ少年と唸って来た黒い犬は、「のび太の頼みを断るな」「のび太に噛みつくな」という戒めで、それぞれ同じく雷に打たれてしまっった。
調子にのったのび太は夜遅くまで遊び回っていたが、心配し探し回っていたドラえもんは「夜遊びするべからず」と紙に書き玄関のドアに張り付けた。帰宅後この張り紙を見たのび太は、ママが書いたものだ思い大きな雷を落とそうと、明日の楽しみにとあと一つ取って置いた戒めに「勝手な決まりをつくるな」と記入。だがこれによりのび太自身が雷に打たれることとなり、石板を回収したドラえもんは「こうでもしなくちゃ、取り返せなかったからね」と言っていた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1983年9月23日に、水田版は2024年8月31日にそれぞれ放送している。
1983年版
- 野比家のトイレは和式に変更されていた。また、ママの台詞の「思い知らせてやるわ」も「今度こそ、しっかり分からせなくっちゃ」に変更され、この時ママはハサミを手に持っていたため、ルールを紙に書く場面は描かれていない。
- のび太は帰宅して来た時、飛行機の真似をしていた。またのび太がやって来た時ママは居間で家計簿を付けていて、赤字であることに悩んでいた。
- ドラえもんは「スッカラカンになったらドラえもんにお小遣い借りるからね」「借りても返すあてないからね」とのび太に言われ、石板を取りだした。
- ジャイアンとスネ夫が怒ったのは、のび太に「間抜けな顔をしている」と言われ、その上アッカンベーをされたからだった。
- 少年がラジコンカーを走らせていたのは公園で、この他にも遊んでいる子供が周りに大勢いた。
- のび太に唸って来たのは茶色い犬だった。そしてこの犬はこの晩に、帰る途中ののび太に声をかけられていたが、怖がって逃げて行った。
- ラストでのドラえもんの台詞は「悪く思わないでねのび太くん。勝手な決まりを作って皆に迷惑をかけたのは君なんだから」に変更されていて、のび太は「決まりなんてもうたくさんだよー!」と泣き叫んでいた。
2024年版
- 野比家のトイレは蓋も開いている状態だった。
- ママは雷に撃たれた時、「あれー!ピカピカビカーン!」と叫んでいた。
- のび太が来る前まで、スネ夫は「ジャイアンには敵わないよ」とお世辞を言っていて、2人がのび太を呼び止めたとのは、昨日の野球でのび太がエラーをしたからだった。
- 安雄とはる夫は、のび太が今日も学校に遅刻したり事業中居眠りをしていたことについてひそひそ話をしていて、テストが10点だった件についてもクスクス笑っていた。
- 1983年版と同じく少年は公園でラジコンカーを走らせていて、アニメにおいてちょくちょく登場しているとんがり口のモブの男子だった。
- のび太に唸った犬には手綱が付けられていた。
- ジャイアンとスネ夫は、のび太が公園の土管で昼寝をしている隙に石板を取り上げようとしたが、予め「のび太に触るな」と書かれていた戒めによって雷に撃たれてしまった。しかしこの後会ったしずかが、肩についたゴミを取ろうとしてくれた際に慌てて逃げることになってしまい、彼女は訳が分からず不思議そうな顔をしていた。
- ジャイアンとスネ夫は再びのび太と出くわしていて、この時ジャイアンは「3回回ってワンと鳴け」や「おかしなダンスをする」、「1週間自分の子分になること」を命じられていて、最後には堪忍袋の緒が切れて触らずゴミバケツを投げつけようとしたが、第8の戒め「のび太の命令にさ逆らうな」によって雷に撃たれてしまった。そしてスネ夫も家に押しかけられ、テレビゲームを遊ばれた上、第9の戒め「のび太のおやつを隠すな」によって嘘が暴かれ、自身のおやつを食べられてしまった。このためのび太は帰宅が遅くなった。
関連タグ
モーゼステッキ…モーセ繋がりの道具。