のび太「しかし、機械で友達を作るなんて、可愛そうだね」
概要
てんとう虫コミックス4巻及び、藤子・F・不二雄大全集2巻に収録。
ハート型をしていて、これを誰かの体に付けると、その者は専用のコントローラーを持っている者に対して強い友情を感じ、相手のためならどんなことでもせずにはいられなくなる。もちろん外れれば正気戻る
ストーリー
スネ夫は自分の家に招いたドラえもんの前に皿に盛った大量のどら焼きを差し出し、遠慮なく食べるよう勧め、ドラえもんも感激しながらこれをあっという間に平らげた。するとスネ夫は、もしのび太の家を出て自分のロボットになれば毎日どら焼きを腹いっぱい食べられることを提案したが、ドラえもんは「バカにするな!」と激怒して野比家に帰宅。
玄関先でのび太に経緯を説明すると共に君を裏切るような自分ではないことを宣言し、のび太もこれに感激しこれからも自分から離れないでねと言い、ドラえもんも自分の役目は君を幸せにすることだと手を取り合って改めて友情を確認しあった。だがそんな時スネ夫がやってきて、彼から話を聞いたママはドラえもんにさっきどら焼きを20個も食べたことを注意。
それでもドラえもんはスネ夫の方から食べていいと言ったことを言い出すが、ただでいいとは言わなかったと反論され、自分のロボットにならないならどら焼きを返せとまで言われてしまった。更にもう食べてしまったことを言うと、それなら代金の千円を払うよう言われ1円も持っていないことを言うと、スネ夫はポケットの中から一つ道具を貸すことを提案。
実は自分には友達になりたい人がいるが、その相手は自分に見向きもしないことを相談されたドラえもんは仕方なく「友情カプセル」とそのコントローラーを取り出しスネ夫に貸し与えた。上記の台詞を言いながらのび太は、そんなことしなくても自分にはドラえもんがいることを言って歩いていたが、その時物陰に隠れていたスネ夫がカプセルを投げたことでドラえもんはスネ夫の元へ走って行ってしまった。
カプセルを使用したことに気付いたのび太は慌てて止めに行ったが、スネ夫が殴るよう命じたことでドラえもんに殴られてしまった。そしてスネ夫はすれ違ったジャイアンに偉そうな口を叩き、今日からお前なんかにペコペコしないことを言うと殴られそうになったが、ドラえもんが道具でジャイアンを撃退。そしてその後もスネ夫は3人の男子に今日から自分の家来にしてやると言い、彼らの怒りを買い適当に懲らしめるようドラえもんに命令し、「ちょっとやり過ぎじゃない?」と言われ、男子達に殴られてしまう。
ドラえもんは助けに入るも、その最中にコントローラーが踏まれて壊れたことで正気に戻り、去ってしまったためスネ夫はズタボロにされてしまった。そして後を追っていたのび太はドラえもんに駆け寄り事情を説明し、首輪や鈴の中を見てカプセルがないか調べるも見つからず、スネ夫がコントローラーを直してやって来たためドラえもんは再び彼の元に行ってしまい、のび太は道具で追い払われ一人涙ぐむことになってしまった。
そしてスネ夫はドラえもんに宿題をやる機械を注文し、宿題は自分でやらなくちゃと言われるも、親友の頼みが聞けないのかと迫り、それ用のロボットを出してもらうと今度はお金を作る機械や歌手になれる機械も注文し、テレビスターやスポーツ選手にもなりたいと言い出した。これにドラえもんはいくら何でも欲張りだと言い、スネ夫はまたもコントローラーを取り出すが、また調子がおかしくなったため正気に戻ったドラえもんはその隙に脱出。
スネ夫も後を追いかけるが、ドラえもんの方は力士と衝突して気絶してしまい、そこをのび太に発見され同時に足の裏にセロテープで貼り付けられたカプセルも発見した。一方スネ夫はコントローラーが直ったことで再びドラえもんを呼び戻そうとするが、のび太が投げたカプセルを先ほどの力士が踏んでいたため、スネ夫はこの力士と親友になってしまい、力強く抱きしめられ、この様子にスネ夫のママも悲鳴を上げていた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版と水田版で各2回ずつ放送されており、放送日は前者が1979年5月29日及び2005年2月25日、後者が2010年7月2日及び2018年8月3日である。
1979年版
- ドラえもんはどら焼きを食べながら「スネ夫くんがこんなにおごってくれるなんて珍しいね」と言っている。またスネ夫はドラえもんに怒鳴られたことで後ろの机に衝突していて、「君のために...」と弁解しようとしたが、ドラえもんが怒って帰ってしまったので、「覚えてろドラえもん!」と悔しがっていた。
- 帰宅したドラえもんはのび太の部屋で経緯を話していて、「のび太くんだってどら焼きの10個や20個食べさせてくれるんだ!」と言っていたが、すぐ本人に否定されずっこけている。
- スネ夫から事情を聞いたママは、「野比家の一員として恥ずかしく思わないの!」とドラえもんを怒っていた。またスネ夫が食べたどら焼きやその代金を返すよう迫る下りはカットされている。
- ドラえもんの道具でジャイアンは壁に自分の型の穴を開けぶっ飛ばされた。またこの様子をのび太は電柱の陰から見ていた。
- スネ夫が宿題をやる機械を出すよう言う下りはカットされ、既にそのロボットが宿題をやっていた。
- 本編終了後のショートアニメは、ドラえもんがこの道具を使って女の子の人形と手をつなぎ、目をハートにして幸せそうにしているというものだった。
2005年版
- サブタイトルが「ドラえもんはスネ夫のモノ!?」に変更
- 1979年版と同じく、ドラえもんはのび太の部屋で経緯を説明している。またスネ夫から事情を聞いたママは「よその家であんまりはしたないことしないでちょうだい!」と顔を巨大化させて怒っている。--ちなみにスネ夫曰く、ドラえもんが食べたどら焼きは厳選された小豆と小麦粉を使った最高級品で、1個が500円だったので、20個で1万円とのことだった。またスネ夫はウソ泣きをしてドラえもんから道具を借りている。
- しがみついてきたのび太を追い払うためにスネ夫が命令したは、「あいつを吹き飛ばせ」だったので、ドラえもんは風神うちわを使っている。
- スネ夫はジャイアンのことをジャイ公と呼んでいて、下手くそな歌を聞かせたりしないよう言っている。そしてジャイアンは口から火を吐きながらスネ夫を追いかけていて、ドラえもんが使用した道具には「パンチングピストル」という名前が付けられていた。
- スネ夫はしずかの家に行って、ドラえもんが自分の親友になったことを伝えていて、もし困ったことがあったら自分に相談してとも言っている。またこの後3人の男子がいたたのは空地で、ゲームをして遊んでいて、見た目は原作とは異なっていた。
- のび太はドラえもんの首輪や鈴だけでなく、口の中も見てカプセルを探している。
- スネ夫の要望のうちスポーツ選手は有名人に変更されていて、具体的には歌手や映画俳優、メジャーリーガーと言ったところだった。
- ラストでスネ夫は自分が悪かったことを認め、ドラえもんの名を叫んで助けを求めている。
2010年版
- サブタイトルが「ぼく、骨川ドラえもん」に変更
- ドラえもんは過去の2バージョンと同じくのび太の部屋で経緯を説明していて、スネ夫は先ほどのどら焼きが行列のできる店のものであることを言っていて、ドラえもんが食べたどら焼きは30個だった。ちなみにスネ夫はチャイムを鳴らしていて、ママは呼びに来てはいなかった。
- しがみついてきたのび太をドラえもんは原作通り殴ってはいるが、スネ夫がした命令は「どうにかしろ」だった。
- スネ夫はジャイアンのことを「ゴリラが服着て歩いてる」と言っていて、ドラえもんがやっつける際に使った道具は空気砲だった。
- コントローラーが直ったり壊れたりを繰り返したことで、再びのび太の元に戻ったドラえもんはのび太とスネ夫の間をしばらく行ったり来たりしていた。そしてのび太を追い払う際に使用した道具は原作でジャイアンに使用していたもので、「グローブ銃」と呼ばれていた。
- スネ夫の宿題をする際に出した機械には「勉強ロボット」と呼ばれていて、スネ夫が言ったスポーツ選手とはサッカー選手のことだった。
- ラストは夕日をバックに親友だよと手を繋いでいるドラえもんとのび太が映っていて、その一方でスネ夫は力士に抱きしめられ助けを求めていて、スネ夫のママは登場しなかった。
2018年版
- ドラえもんが経緯を話したのは今までのバージョンと同じくのび太の部屋だった。
- スネ夫が言ったどら焼きの代金は3000円だった。
- ドラえもんが説明した道具のイメージはカプセルを取り付けた犬が、ジャイアン的な自分物から飼い主を守るというものだった。
- スネ夫がドラえもんに吠ええる犬を懲らしめてもらったり、タケコプターで空を飛んだり、どこでもドアでハワイへ行って満喫する下りが追加されている。
- 3人の男子は安雄、はる夫、口先が尖った少年で、2005年版と同じく空地にいた。
- 2005年版と同じく、のび太はドラえもんの口の中も見ている。
- カプセルは力士の足の甲に付いていて、ドラえもんとのび太は帰りながら、これからも親友でいようと言いながら、帰ったらどら焼きを食べようとも言っていた。
- ラストでスネ夫のママはおやつのドーナツを持ってきて、力士に驚いている。