概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。初登場エピソードはてんとう虫コミックス28巻収録「夢はしご」。
この梯子を使用すると、他人の夢へ入り込むことが出来る。それだけでなく、相手を自分の夢へ引き込むことも可能。
相手を自分の夢へ引き込むと、相手の姿を変化させたり、夢の状況を自由に作り替えることが出来る。しかし自分が他人の夢へ引き込まれた場合は、逆に自分が相手に操られてしまう。それだけでなく、使用者が他人の夢へ引き込まれている状態だと、現実世界で誰かが使用者を起こそうとしても目を覚まさない様子が描かれている。
上記の初登場エピソードの作中では、ドラえもんは夢の中でこの道具を取り出している。その為、この道具が現実世界に存在するかは不明(下記の派生作品では、現実世界でこの道具を取り出す様子が描かれている)。
派生作品
スピンオフ作品『ザ・ドラえもんズスペシャル』2巻収録「悪夢の化身」の作中では、ドラえもんが現実世界でこの道具を取り出している。それだけでなく、ドラえもんとのび太、エル・マタドーラの三人は目を覚ましている(眠っていない)状態でこの道具を使用し、現実世界から他者の夢の中へ直接入り込む様子が描かれている。
同作品4巻収録「おヒゲさんの夢」の作中では、ドラえもんとのび太、ドラメッドⅢ世がこの道具を使用し、昏睡状態の少女・美咲の夢の中へ入り込む様子が描かれている。それだけでなく、ドラメッドは美咲に対し「我輩の夢に渡って来れば、ずっと一緒にいられるであ~る。でも、目覚めないままだと美咲ちゃんは死んでしまうであ~る。この夢はしごから飛び降りれば、目覚められるであ~るよ!」と説明している。
同作品『ロボット養成学校編』2巻収録「睡眠魔神バグーの祈り」の作中では、ドラえもん以外のメンバーがこの道具を使用してマタドーラの夢の中へ入り込んだ際、ドラえもんがマタドーラのスイッチを切った瞬間、メンバー全員がその場で目を覚ます様子が描かれている。
関連道具
上記の「夢はしご」以外にも、夢に関係するひみつ道具は数多く存在する。
夢と現実を入れ替えることが出来る枕だが、(少なくとも原作版の作中では)実在していたかがはっきりしない。詳しくは項目を参照。
- ゆめとりロープ
ロープ型のひみつ道具。
これを使用すると、夢の中に存在するものを現実世界へ引っ張り出すことが出来る。上記の名称は大山のぶ代版アニメにて設定されたもので、原作版での名称は不明。
- ムユウボウ
スティック型のひみつ道具。
これを使用すると、眠っている人を起こさないまま命令通りに動かすことが出来る。ただし、場合によっては操られた人が使用者の意図しない行動を取ることがある(作中ではのび太がこの道具を使用し、眠っているママにラーメンを作らせたのだが、彼女はそのまま自分で食べ切ってしまっている)。
- ゆめふうりん
風鈴型のひみつ道具。
上記の「ムユウボウ」と同様に、眠っている人を起こさないまま命令通りに動かすことが出来る。また、こちらはムユウボウとは違い、操られた人は基本的に使用者の意図しない行動を取ることはない。それだけでなく、風鈴に搭載されたダイヤルを調節すれば、どの年齢の人を操るか指定することも可能。
てんとう虫コミックス21巻収録「ひろびろ日本」では、ドラえもんが「狂時機」で全世界の時間を停止させた際、この道具を使用し、周囲の人物(作中ではパパとママ)を時間が止まっている状態で操っている。
大全集15巻収録「ウルトラヒーロー」では、ドラえもんがこの道具を使用し、既に起きている人物を眠らせている。
『竜の騎士』では、ドラえもんがこの道具を使用し、指定した人物(作中ではしずかとジャイアン)をピンポイントで操っている。
- ゆめまくら
枕型のひみつ道具。別名「夢まくら」。
これを使用して夢を見ると、その内容が正夢になり、目を覚ました後に夢と同じ出来事が起こる。しかし、エピソードによって設定及び描写が微妙に異なっている。
大全集6巻収録「ゆめまくらでドッキリ」で登場した際は、どんな形で正夢になるかは夢を最後まで見ないと分からない様子が描かれている。
作中ではのび太がこの道具を使用して札束を拾う夢を見た際、ドラえもんとのび太は実際に札束を拾ったのだが、その直後に落とし主が現れて「拾ってくれてありがとう。探していたんだよ」と言った為、札束を返すことになってしまった。その後、のび太から「こんなの夢になかったぞ!」と言われたドラえもんは「(夢を)おしまいまで見なかったからだ!」と反論している。
大全集10巻収録「夢まくら」で登場した際は、どんな形で正夢になるかは実際にその出来事が起こるまで分からない様子が描かれている。
作中ではドラえもんがこの道具を使用して青色や赤色の魚を釣り上げる夢を見た際、しずかから赤色や青色の魚が吊り下げられたモビールを貰うという形で現実化している。
- ユメグラス
眼鏡型のひみつ道具。
これを使用すると、他人の夢を覗くことが出来る。
大山版アニメ「ゆめグラス」にも同名のひみつ道具が登場するが、こちらは大全集3巻収録「ゆめ」に登場した道具(原作版での名称は不明)であり、夢を覗くだけでなく、上記の「ゆめとりロープ」を使用して現実世界に引き寄せたものを他者の夢に押し込むことも可能。
- ユメテレビ
テレビ型のひみつ道具。
方角と距離を設定すると、他人の夢を視聴することが出来る。
- 立ちユメぼう
帽子型のひみつ道具。
これを被ると眠ってしまい、現実で起こった出来事を夢という形で体験することが出来る。ダイヤルで調整すれば、見る夢の内容を変更することも可能。
作中ではのび太がこの道具を使用した際、ドラえもんがダイヤルで冒険活劇の夢を見られるように調整したことで、彼が見た夢ではジャイアンやスネ夫等の友人は怪物に、車は恐竜に、周囲の光景はジャングルに変化した。
- ゆめスピーカー
メガホン型のひみつ道具。
上記の「ゆめふうりん」を使用して操っている人々に命令を出すことが出来る。作中ではドラえもんがこの道具を使用し、日本中の人々(ゆめふうりんの効果により、時間が止まった状態で動いている人々)に命令を出している。
使用者(及び周囲の人物)の頬をつねり、今の状況が夢か現実かを確かめてくれる。詳しくは項目を参照。
- ゆめコントローラー
端末型のひみつ道具。
これを使用すると、他人の夢の内容を自由に操作することが出来る。それだけでなく、ある程度離れた場所にいる人物の夢を操作することも可能。また、この道具はドラえもんではなくドラミが取り出している。
- 夢破壊砲
大砲型のひみつ道具。
これを使用すると、他人の夢を破壊することが出来る。原作版の作中では未使用に終わっているが、『ドラえもん最新ひみつ道具大事典』ではドラえもんがこの道具を使用し、のび太の夢を破壊して目を覚まさせている。
また、2016年版「夢はしご」(水田わさび版アニメ)の作中でもドラえもんがこの道具を使用し、ジャイアンのママとスネ夫のママが夢の中で持っていた焼き芋とダイヤを破壊している。
- 夢のり
これを使用すると、複数人の夢を貼り付けることが出来る。原作版での形状は不明だが、2016年版「夢はしご」では刷毛型の道具として描かれている。
- 夢ホール
フープ型のひみつ道具。
これを持った状態で夢を見た際、夢の中で手に入れた物をホールに投げ込むと、現実世界に出現させることが出来る。それだけでなく、現実世界に存在する物をホールに投げ込むと、その物を夢の中へ届けることも可能。
- ドリームプレイヤー
枕とカセットテープがセットになったひみつ道具。
この枕にカセットを入れて眠ると、カセットに書かれた内容の夢を見ることが出来る。
- ユメかんとくいす
椅子型のひみつ道具。
上記の「ゆめコントローラー」と同様に、他人の夢を操作することが出来る。椅子に座った状態で指示を出せば、夢の内容を変化させることが可能。
ただし、夢を見ている本人及び夢の中の人物の行動次第では、使用者の望み通りに夢を進行出来ない場合がある。
作中では、ドラえもんがこの道具を使用してスネ夫の夢に干渉したのだが、スネ夫は不利な状況になっても夢を操ってすぐに有利な状況を作り出し、逆に夢の中ののび太は有利な状況になっても悪い方へ考えてしまい不利な状況を作り出してしまっていた。
- ユメスクリーン&ユメプロジェクター
端末型のひみつ道具。
これらを併用すると、上記の「ユメテレビ」と同様に他人の夢を映し出すことが出来る。また、現実世界の物を夢の中へ移したり、夢の中の人物が現実世界へ移動することも可能。
作中では、夢の中ののび太がスクリーンから飛び出して現実世界へ現れてしまっており、彼はドラえもんが渡した「ターザンパンツ」に着替えた後、スクリーンの中(スネ夫の夢の中)へ戻っている。
2013年版「ユメかんとくいす」の作中では、ドラえもんがこの道具を使用してのび太とスネ夫の夢を合体させる様子が描かれている(原作版ではそのような描写はない)。
- ユメ完結チップ
小さな端末型のひみつ道具。
これを後頭部に取り付けた状態で夢を見た場合、途中で目を覚ましてしまったとしても、夢の続きが現実で起こる。
作中ではドラえもんがこの道具を使用した状態でドラ焼きを沢山食べる夢を見ていたのだが、途中でのび太に起こされてしまう。しかし翌日、ドラ焼きを買いに行った店の福引で1等に当籤し、大量のドラ焼きを入手することに成功した。
ドラえもん曰く「絶対に壊れないし、捨てたとしても戻って来る」とのことで、この道具を使用した状態で悪夢を見た場合、後に起こる悪夢の続きを回避する為には、他人にこの道具を取り付けて身代わりにするしかない。
逆に他人がこの道具を使用して良い夢を見た場合、その人物からチップを取り外して自分に取り付ければ、その夢の続きを現実で体験することが出来る。
- タイムドリーマー
枕型のひみつ道具。
これを使用すると、以前見た夢を再び見ることが出来る。事前に時間を指定した状態で眠ると、その時に見た夢を見ることが可能。
また、見た夢をテープに録画しておくことも出来る。自分が気に入った夢を録画したテープを使用すれば、同じ夢を何度も見ることが可能。それだけでなく、テープを使用すれば夢を見た本人以外の人物も同じ夢を見ることが出来る。
更に、この道具には「現実化ボタン」が搭載されている。このボタンを押すことで、この道具を使用して見た夢が正夢になり、夢の内容が現実化する。しかし非現実的な内容の夢を実現することは不可能で、作中ではのび太がこの機能を使用してジャイアンを倒す夢を現実化しようとした際、彼に殴られたのび太が気絶した時に見た夢という形で現実化してしまった。
- モニターめがね
眼鏡型のひみつ道具。
上記の「ユメグラス」と同様に、他人の夢を覗くことが出来る。
- 気ままに夢見る機&アクセサリー・セット
映画及び大長編『のび太と夢幻三剣士』に登場したひみつ道具。
上記の「ドリームプレイヤー」と同様に、カセットに書かれた内容の夢を見ることが出来る。また、他の人物に「マイクロアンテナ」を取り付ければ、その人物にも使用者と同じ夢を見せることが可能。
それだけでなく、この道具は現実世界の光景を映し出すことも可能で、指定した他人の夢を覗くことも出来る。
万が一夢を見ておねしょをしてしまった場合も、付属の「瞬間クリーニングドライヤー」を使用すれば、汚してしまった布団等をすぐに乾かすことが出来る。
使用者が夢を見ている状態でも、付属のリモコンを使用すれば、夢の中からこの道具を操作することも可能。また、この道具には「かくしボタン」が搭載されており、それを押すと夢と現実を入れ替えることが出来る。
- ユーメー人
水田版アニメオリジナルひみつ道具。
上記の「ドリームプレイヤー」及び「気ままに夢見る機」と同様に、使用者が見たい夢を自由に見ることが出来る。ただし、この道具で見られる夢は使用者にとって非常に心地よいものになっており、使用者がずっと夢を見続けてしまう危険がある。
万が一そのような状況に陥ってしまった場合は、第三者がこの道具を通じて使用者の夢の中へ入り込み、使用者を説得することで夢から覚まさせなければならない。しかしドラえもん曰く「夢の世界はとても危険で、夢の中に囚われてしまったら、二度と現実世界に戻れなくなる」とのことで、使用者が心を閉ざしてしまった場合、夢の世界も闇に閉ざされてしまう。
また、夢の中から脱出する為のボタンもあり、これを押せばいつでも現実世界へ戻ることが可能。
関連タグ
パプリカ(アニメ):夢を共有できる「DCミニ」という機械が登場する。