概要
てんとう虫コミックス27巻及び、藤子・F・不二雄大全集12巻に収録。
家屋の階を模したブロックのセット。台付きの1階、屋根付きの最上階、その他の階(多数)の3種類のブロックがあり、1階と最上階の間にその他の階のブロックを挟んで積み上げると、ブロックが置かれている家の階数もそれに応じて増やすことができる。例えば、1階と最上階の間に3つブロックを挿入した場合は、5階建ての構造となる。新しく増えた階には何もない部屋ができ、また階段も追加される。
増やした階はあくまでも四次元空間に存在するため、外から見た階数は元のままである。一方、家の中の窓から外を見た場合には、道具の効果が反映された高さの眺めになる。
ストーリー
ドラえもんとのび太は、布団を丸めてぶつけ合う「マット・フェンシング」という遊びを思いつき部屋で遊んでいたが、その騒ぎを聞いてやって来たママに注意され止めざるを得なくなった。しかし2人はもっと遊びたかったので、ドラえもんが「四次元たてましブロック」を使うことを思いつき、これで野比家を3階建てにして自分達は3階で遊ぶことにした。
これにより本来の1階と2階の間に新しく部屋ができたため2人は遠慮なく先ほどの続きをやることができた。そしてのび太はしずかにも喜んでもらおうと彼女に家に向かおうとしたが、その時の家が2階建てのままでることに気付き、ドラえもんから四次元だから外見はそのままだということを明かされてから改めて先を急いだ。
そしてしずかの家に着くと布団の殴り合いのことを持ち出したが、彼女はそれは乗り気になれず、家の裏で工事をしているからその代わりに静かな勉強部屋が欲しいことを言われたので、2階を貸してあげることにした。すると綺麗な部屋だと気に入ってもらえたが、部屋に帰ると「君がやるとろくなことにならないから」と、ドラえもんから自分の外出中にブロックをいじらないよう強く言われたので、これに腹を立てなおさらいじりたくなった。
のび太は部屋をもっと増やしてマンションにすることを決め、ポスターも作って家の前に貼り、1ヶ月の家賃を100円で売りにだすと早速スネ夫がやってきて、家で漫画を読んでいると母親がうるさいから貸しても地井と言って来た。そこで野比家を4階建てにし3階を貸してあげることにしたが、直後にジャイアンものびのびと歌える部屋が欲しいと訪ねて来たので、今度は5階建てにし4階を使ってもらうも、このことでジャイアンの歌声にしずかとスネ夫が迷惑したため、野比家を9階建てにしスネ夫には7階、しずかには8階を貸すことに。
ところがそこへ、ポスターを見た男性が部屋を借りたいと訪れてきたため、ポスターを見たママは激怒。階段を駆け上がってきたため、のび太は上へ逃げようと慌ててブロックを積みまくり野比家を建て増しを続けた。結果、ママはいくら登っても階段が続くばかりでついには力尽きてしまい、一方のび太は最上階から超高層ビル並みの絶景に大興奮。だがこの時尿意を催しトイレに行こうと階段を下りて行ったが降りても降りても1階に着かず、ついに我慢できずもらしてしまい、タケコプターでやってきたドラえもんは「だから言ったのに!!」と呆れながら叫ぶのだった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1982年8月20日に、水田版は2006年11月24日及び、2022年9月24日にそれぞれ放送している
1982年版
- 冒頭のび太は「つまんない!つなんない!」と、漫画を読んでいるドラえもんに向かって叫んでいて、何か遊ぶための道具をねだったが、ドラえもんの発案で「マット・フェンシング」をすることになった。
- ドラえもんとのび太が3階で遊んでいる最中でのママの台詞は「やっと静かになったわ」に変更されていた。
- のび太がしずかを誘いに行ったのは、ドラえもんが自分達だけで遊んじゃもったいないと言ったからだった。またしずかの庭では大工たちが木材を加工したりして工事をしていた。
- のび太が描いたポスターのマンションには窓が描かれておらず、「家賃一ヶ月100円」の部分は横書きになっていた。
- ジャイアンはのび太が家賃の件を言い出すと、怒って胸倉をつかみ「俺から家賃を取ろっていうのか!」と脅され、殴られるよりましと渋々許可した。
- 放送時期が夏だったため、部屋を借りに来た男性は半そでだった。
- ドラえもんもママと一緒に階段を駆け上がっていた。またママはのび太のおもらしに呆れて帰ってしまい、ドラえもんは「しーらないっと」と言っていた。
2006年版
- サブタイトルには「のび太の部屋、貸します」の煽り文句が追加されていた。
- のび太がやって来た時しずかは工事の音がうるさくて耳を塞いでいたため、最初は「いい天気ね」と会話がかみ合っていなかった。また部屋を貸してもっらた際はウィンクをしてお礼を言っていた。
- のび太は窓から通りかかったジャイアンに呼びかけていて、本人は4階から叫んでいたが、ジャイアンからは2階にしか見えなないため「大げさだなぁ」と少し引いていた。またジャイアンは家賃を自身の美しい歌声で払うと言っていた。
- スネ夫は2階からのしずかのバイオリンの演奏音、4階からのジャイアンの歌声と上下両方から被害を受けていた。そして7階から出木杉を発見し、窓から乗り出してしまったのび太も助けているが、やはり出木杉には2階だてにしか見えていないので、少し引いていた。
- 出木杉はしずかから部屋に誘われたので、のび太に担がれ3階の部屋でと移され、先ほどのスネ夫と同じ被害にあっていた。これによりしずかの部屋に避難し一緒に勉強していたが、これを見たのび太は気に食わず両者の部屋の間にブロックを大量に挟み会いにくくした。しかしこの最中にのび太がよろけて上の階のブロックを落としかけ、一つを挟み忘れてしまったため、その階にいたジャイアンは何度階段を昇り降りしても他の階へ移動できなくなってしまった。
- ドラえもんは友達の猫たちと騒ごうと思って帰宅したところ、ポスターに集まっている人々を見て嫌なことを予感している。
- のび太が階段を下って行った際、ジャイアンはやっとのび太に会えたと感動し抱きしめようとしたがあっさりスルーされ、のび太がおもらしをしたところをしずかも見ていて、「見なかったことに」とつぶやいていた。
2022年版
- 原作の扉絵をオマージュしたサブタイトルでの高層された野比家は、横長の画面に収まるようにか、少し低めになっていた。
- 居間でママが呼んでいたのは雑誌になっていた。
- のび太は台所で一杯水を飲んでからしずかの家に行っていた。またしずかは2006年版と同じく工事の音がうるさくて耳を塞いでいたため、最初のび太の言葉が混ざって「お布団を取り換えっこ」と聞こえていた。
- のび太はスネ夫に部屋を貸した後、しずかの部屋に誘われお茶を入れてもらってニヤニヤしていたが、その時野比家の近所でも道路工事が始めり、スネ夫は何とかするよう言われ、ジャイアンも部屋を借りたいと言って来たので急遽9階建てにした。そじてジャイアンには6階を貸していて、家賃をもらおうとしたら途端に歌い出したため慌てて逃げ出した。
- ドラえもんはどら焼きを買って戻って来た際、ポスターに気付いて階段を駆け上がっているが途中で力尽きた。
- 1982年版と同じく放送時期が夏だったため、部屋を借りに来た男性は半そでだった。
- のび太がトイレに走ったのは腹痛が原因で、スネ夫が他にも部屋を借りようと勝手にブロックを増やしたり移動させたりしたため、何時までたっても1階へたどり着けなかった。このためおもらしは描かれていない。
余談
作中でののび太が考案した「マット・フェンシング」はこれ以前にも、新オバケのQ太郎「これはたのしい!!ふとんゲーム」(藤子・F・不二雄大全集2巻間に収録)にも「ふとんゲーム」という似た物が登場していて、これは藤本氏が自身の長女及び安孫子氏と実際にやっていたことが元ネタになって、ホコリだらけになり妻から怒られたのも同じく元ネタになっている。