歴代の主な台風18号
第2室戸台風
1961年の台風18号。国際名は「ナンシー」。最低気圧890hPaを記録した猛烈な台風。9月16日に、高知県室戸岬西方に上陸。その後近畿地方に再上陸した。室戸岬上陸時の中心気圧は925hPaで、1951年の統計開始以降に日本列島に上陸した台風の中では、上陸時の中心気圧が最も低い台風となった(ちなみに、伊勢湾台風の上陸時929hPaがこれに次ぐ。)。
この台風は、室戸岬から上陸後、1934年に関西に甚大な被害をもたらした室戸台風に類似した進路を辿ったため、気象庁はこの台風を「第2室戸台風」と命名した。
この台風は、2年前の伊勢湾台風にほぼ匹敵する勢力で日本を襲った記録的な台風であったが、伊勢湾台風の教訓を生かして災害対策が進められていたため、台風の勢力や規模、家屋被害(住家損壊499444棟・住家浸水384120棟)などの割には犠牲者を少なく抑えることに成功し(特に、一般に人的被害をもたらしやすいとされる、高潮による犠牲者はゼロであった。)、死者194人・行方不明者8人などにとどまった(室戸台風による犠牲者が約3,000人、伊勢湾台風による犠牲者が5,000人以上であったことを考えれば比較的人的被害は少なかった。)。
第2宮古島台風
1966年の台風18号。国際名は「コラ」。同年9月に、沖縄の宮古島に大きな影響を与えた。この時に宮古島で記録された最大瞬間風速85.3m/sは、現在も観測を実施している地点としては日本での観測史上1位の記録。
平成11年台風第18号
1999年の台風18号。国際名は「バート」。9月24日に熊本県に上陸し、強風や高潮による大きな被害を出した。死者36人、負傷者1077人。
平成15年台風第18号
2003年の台風18号。国際名は「パーマァ」。10月21日に日本のはるか南で発生した。台風17号と相互作用を起こして太平洋上に完璧なループを描いた台風。極めて珍しく前例のない進路を取ったことが最大の特徴であり、一部では「くるりーん台風」と呼ばれ太平洋上で1周した台風として、日本に全く被害を与えなかったにもかかわらず、有名な台風となった。南下した南下幅も8.9度と観測史上最も南下した台風でもある。
平成16年台風第18号
2004年の台風18号。国際名は「ソングダー」。典型的な「風台風」であり、日本列島に大きな被害をもたらしたため、激甚災害に指定された。死者47人、負傷者1364人。
なお、この台風が発生した2004年は、統計史上最多となる、なんと合計10個もの台風が日本列島に上陸した(年間で)ことから、社会的にも大きな関心を集めた年である(ウィキペディアも参照)。2004年に発生した台風の総数は29個であり、その3分の1以上の台風が日本に上陸したということである。当時、それまでの台風の年間日本上陸数の最多記録は、1990年と1993年の6個であり、10個というのはそれよりもはるかに多かったため、一気に更新された最多記録は大きく注目された。参考までに、1年間に日本に上陸する台風の数は、平均でだいたい2.6個である。そのため、2番目の最多記録である6個でさえも、平均値2.6個の倍以上であるにもかかわらず、10個となると平均値2.6個のなんと約4倍である。驚きの多さだ。
平成21年台風第18号
2009年の台風18号。国際名は「メーロー」。愛知県に上陸。死者6人、負傷者133人。
平成25年台風第18号
2013年の台風18号。国際名は「マンニィ」。愛知県に上陸。特別警報が同年8月30日の運用開始後初めて適用された。死者7人、負傷者143人。
平成26年台風第18号
2014年の台風18号。国際名は「ファンフォン」。静岡県に上陸。死者6人。行方不明者1人。
平成27年台風第18号
2015年の台風18号。国際名は「アータウ」。愛知県に上陸。死者20人。台風自体による直接の被害はそれほど大きくはなかったものの、上陸後に温帯低気圧に変わったのち、太平洋上にあった台風17号からの湿った空気が関東地方北部から東北地方南部にかけて合流し、「平成27年9月関東・東北豪雨」と命名された豪雨災害をもたらした。
平成28年台風第18号
2016年の台風18号。国際名は「チャバ」。沖縄付近で猛発達して特別警報が発表されるに至った。
平成29年台風第18号
2017年の台風18号。国際名は「タリム」。当初は、日本の本土4島(九州・四国・本州・北海道)全てに上陸した史上初の台風とされていたが、事後解析の結果、北海道に上陸する前に温帯低気圧に変わっていたことがわかり、4島上陸は幻となった。