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名古屋市交通局が運用する電車で2000形を名乗った車両は以下の2形式が該当する。

本項ではどちらも紹介する。

名古屋市交通局2000形(軌道)

1956年から1958年にかけて29両が導入された路面電車車両。製造は日本車輌輸送機工業。名古屋市電としては最後の新形式である。

同時期に製造された800形がメーカー主導で新機軸を意欲的に取り入れた車両だったのに対し、当時の路面電車車両の最新技術の集大成ともいえる最高級の車両である。

1800形から始まる名古屋市電の「和製PCCカー」の最終形式で、1900形を踏襲して床下部分をスカートで覆った形態が特徴。

前後扉が従来の2枚引き戸あるいは折り戸から1枚引き戸に変更されたことから、運転台直後の小窓が廃止されている。

側面は上段窓下部がサッシュレスとなった大窓が特徴。

前面形態は1800形以来の方向幕の左右に通風器を備えた3枚窓だが、中央の運転台窓と方向幕を大型化し、本格的に行灯式系統板を採用したことから近代的で軽快な印象の外観となった。

車体塗装は従来車と同様のクリームとグリーンのツートンだが、1962年頃までは裾部分がダークグリーンに塗り分けられていた。

集電装置はZパンタグラフを採用している。

運転台は機器を全面カバーで覆い、空気ブレーキはブレーキシューではなく電機子軸を外締め式のブレーキドラムで締める方式を採用している。

電装品は1900形のものを改良し、間接自動制御、直角カルダン駆動を採用している。

台車は2001号車は日本車輌製のコイルばね台車NS-6、2002号車~2024号車は日立製作所製コイルばね台車KL-8、2025号車以降は同KL-8Aだったが、2002号車は1957年に空気ばね台車のKL-10に交換されている。

前照灯および尾灯はコスト削減のため自動車用のものを使用している。

全車両が浄心車庫に配置され、栄町線を通る11系統や循環系統の3系統、柳橋・熱田神宮方面の10系統などに投入された。浄心車庫が名古屋駅に近かったこともあって名駅周辺ではいつでも姿を見られる車両だった。

本形式の導入によって単車の置き換えが完了し、名古屋市内では800形や1800形・1900形といった新型車両の競演を見ることができた。

他都市では和製PCCカーは少数勢力として短命に終わることも多かったが、技術を地下鉄にフィードバックした名古屋市電は大阪市電同様和製PCCカーの成功例としての評価を受けた。

名古屋市電が廃止される中でも浄心車庫の担当線区を拡大する形で2000形は有効活用され、1972年に浄心車庫が廃止されるまで活躍した。

ラストナンバーの2029号車が藤が丘駅付近に開設された名古屋市電展示場に保存されたが、屋外展示であまり手入れがされなかったこともあって10年足らずで解体されてしまった。

その後守山区の幼稚園に払い下げられていた2017号車が交通局に引き取られ、再整備の上で赤池駅付近に開設されたレトロでんしゃ館に保存されている。

このほか2025号車の前頭部が北区清水の旅行代理店に保存されており、旅行代理店が閉店した現在も現存している。旅行代理店が営業していたころは方向幕に「旅行案内」と表記されていたが、閉店後は「交通安全」に書き換えられている。

名古屋市交通局2000形(鉄道)

メイン画像の車両。

バブル景気世界デザイン博覧会開催を機に、名城線の冷房化推進と6両編成化を目的に導入された名古屋市営地下鉄の車両。製造は日本車輌日立製作所笠戸事業所。

東山線5050形は事実上兄弟車にあたる。

オールステンレス車体を採用し、製造時より名城線のラインカラーである紫色の帯を纏っている。

まずは6両編成5本が導入され、その後1000形系列の置き換えと名城線の環状運転開始に備えて6両編成31本が増備された。

製造期間が長期にわたるため内装は製造時期によって変化があり、座席の材質は1993年に製造された車両まではポリウレタン、1994年に製造された車両からはポリエステルとなっている。

また1992年度に導入された車両からは車椅子スペースが、1995年度に導入された車両からは路線図式車内案内表示器とドアチャイムが設置されている。

貫通路上部にはLED式の車内案内表示器が設置されているが、一部編成ではLCD式に交換されている。

VVVF-GTOインバータ制御・WN駆動。2012年からはVVVF-IGBTインバータ制御に更新されている。補助電源装置は制止式インバータ(SIV)。

台車はボルスタレス式空気ばね台車で、ほとんどが日本車輌製ND716/ND716Tを装備しているが、一部編成は住友金属工業製SS013/SS113を装備している。

2016年からは名城線・名港線の可動式ホーム柵導入に備えて可動式ホーム柵車上制御装置やATOを搭載する改造を施され、2023年3月をもって全編成の施工が完了した。

ATOの制御方式は東山線と同様の車上パターン式比例制御となっている。

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