CV:宇垣秀成
概要
『クローズ』の主人公で、鈴蘭男子高校の25期生で2年生から転入。
人物
性格は明るくお調子者で、年相応に興味を持つ女性を日ごろから追っかけるなど、普段はナンパな面が目立つ。ちなみに女にはモテなかった模様。
また、自分の感情に正直すぎるあまり、ツッコミに手が出してしまったり、「(自分の移動に)便利だから」という理由で自転車やバイクを強奪したりと、ヤンチャに走ることもあって、非常に掴み所のない性格をしている。
自由を好み、相手を束縛することも束縛されることも嫌う一匹狼タイプで、鈴蘭でも自分から頂点を目指すために組織を作ることは望まず、「春道一家」を立ち上げようとした安田泰男(ヤス)に「そーゆう面倒なことはいやなんだよ」と一喝している。
(これには春道の過去も関係してくるのだが、それについては後述)
一方、自分に親しくしてくれたヤスを何度も助け、兄弟分の古川修(ブル)が交通事故に遭ったことを知ったことを知ると真っ先に駆けつけるなど、仲間意識は非常に強く、仲間の危機とあれば自分の身を危険に晒すことも厭わないが、照れ屋な面があり、そういった部分は他人に見せたがらない。
喧嘩についても「憎悪が介在しない」とファンブック等で言及されており、まっすぐぶっ飛ばされた相手が自ら変わっていくこともある。
また、「大事にしなければいけないものが何か」を分かっており、その独特な魅力から春道の後輩である花澤三郎(ゼットン)は 「最高の男」と評している。
実力
初登場時から喧嘩の実力は半端ではなく、作中では最初から最後まで最強格として描かれている。
特に人を数コマに渡って吹っ飛ばすパンチが強烈で、ワンパンで仕留められた人物も少なくない。
活躍
鈴蘭転入まで
本人曰く、小学校の頃から敵なしの暴れ者だったようで、小6時に中学生4,5名をボコボコにしたことから、担任の先生が“暴”屋春道と呼び、あだ名も(暴を丸で囲って)マルボウと呼ばれることになった、と杉原誠(マコ)に語っている。
中学1年の時は意外なことに、2つの中学を傘下に収め、上級生も含めて百人以上の舎弟を持つ番長として君臨していた。その頃の春道は今と違い、凶悪な表情をしていたという。
ある時、高校生のグループと揉めて5対5でタイマンすることになったのだが、子分がビビッて春道は一人で高校生を相手にする事となり、2,3日動けなくなるほどボコボコにされてしまう。春道は怒りを舎弟に向け、追い詰められた舎弟たちは高校生に仕返しに向かうのだが、返り討ちに遭った舎弟の一人が片目を失明する大怪我を負ったことを知らされる。この事件がきっかけとなり、春道は舎弟を持つことをやめ、一匹狼気質となっていった。
中学2年の時に桔梗中に転入、そこでゼットンと知り合うことになる。春道の周囲は笑いが絶えなかったが、その分起こしたトラブルも多く、在籍していた1年半の間に16回も停学処分を受ける問題児っぷりを見せていた。
自分から喧嘩を売ることはなかったが、その強さから降りかかる火の粉を払ううちに周囲から上の立場に持ち上げられそうになったり、勝手に自分の名前を使われたりするようにもなっていった。
そんな周りに嫌気が差したのか、16回目の停学を受けた翌日に桔梗中から姿を消している。それから、どこの中学を卒業したのか、高校1年次は何をしていたのかは明かされていない。
鈴蘭2年次
転入した春道は早々に阿久津太、桐島ヒロミ、マコを倒す。さらにヒロミ達が敵対していた阪東秀人率いる阪東一派も壊滅させた。この事件によって、坊屋春道の名は戸亜留市全体へ広がっていく。
その後、最大のライバルとなる鈴蘭最強と名高い林田恵(リンダマン)と邂逅。初対面時は春道が彼の家族について茶化して聞いたためにぶっ飛ばされてしまい、リンダマンを再び見つけた春道はリンダマンと人知れず決闘を行う。互いに一歩も引かない激闘の末、最後は互いの一撃がカウンターとなり引き分けとなる。しかし、最後の一撃で春道は近くの川に落下、気づいたときにリンダマンの姿が見えなかったことから自分が負けたと思い込む。(のちに春道はこの敗北を「生まれて初めての敗北」と語っている。上述のように中学では5人の高校生にボコボコにされているので、ここでいう敗北とは「タイマンによる初めての敗北」と考えられる)
続いて三代目武装戦線と事を構えることになるが、マコと二人で武装の集会に乗り込んだり、さらわれたヤスを助けるために不利な喧嘩を受け、九能龍信を二度倒すなど活躍、最終的にほぼ一人で三代目武装を壊滅させてしまった。
さらにこの抗争後ブルと知り合い、「女性にもてない」という共感から兄弟分となる。その後見せた強さから、黒焚連合の結成にも一役買っている。
黒焚連合の結成後に起きた県南の3人組襲来時に、そのうちの一人である木島好一(キーコ)と対戦し、圧倒した。
鈴蘭のライバル校である鳳仙学園との抗争では、真っ先に奇襲を受けて重傷を負ってしまい、思うように動けなかった。のちに完治してから受けたタイマンではパンチ3発で圧勝している。
そして卒業するリンダマンに対し決闘を申し込み、戸亜留市内の護国神社でタイマンを行う。タイマンを見守った多くの男たちが戦慄するほどの死闘となったが、最後の一撃にカウンターを合わせられたことが決め手となって敗北。
三年次
3年に進級した春道は、名実ともに鈴蘭最強の存在として戸亜留市に浸透していき、龍信、竜也、ブルと共に「四天王」と呼ばれるようになる。
新入生が入ってくる中、桔梗中時代の後輩であるゼットンと再会。1年戦争を制したゼットンからの挑戦を受け入れ、圧勝している。
しばらくは穏やかな日々が続いたが、県南の3人組とスネイク・ヘッズの抗争に、龍信・竜也と共に、3人組の助っ人として首を突っ込むことになる。途中スネイク・ヘッズの幹部たちから奇襲を受けて動けなくなるも、その後は最大戦力である真弓鉄次を下し、助っ人としての役割を全うした。
その後、同世代の人間が転校や引退で落ち着きを見せる中、ただ一人変わらぬ存在として挑戦を受ける立場にいたが、冬になって「日本不良界最強の男」と呼び声の高い九頭神竜男とタイマンで倒した。その後も活躍した竜男を唯一倒した男として、密かに全国でその名が知れ渡るようになった。
鈴蘭や他校の同期生が卒業していく中、ただ一人留年。その後ヤスに「学校を辞める」と告げ、花木九里虎と入れ替わるように、そのまま街から姿を消した。
漫画「春道」では
彼の名を冠した漫画ではあるが、今作では「金髪スカジャンの“坊屋春道”と呼ばれる男」として登場しており、作中で喋ることは一切ない。
その彼を春道とするのなら、都会・田舎を問わず全国津々浦々を巡っているようで、行く先々で因縁をつけられては返り討ちにしている模様。そしてまっすぐなこぶしに振れたことで相手を変わっていく、彼の特性も健在のようである。
特徴
不良漫画の主人公でありながら「いじめられっ子ではない」「不良ではない」と自称し、作中最強格を最終巻まで維持した異例の主人公である。
春道の強さが安定していたためクローズはインフレがほぼ起こらなかった。