林田恵
はやしだめぐみ
「クローズ」の登場人物で、スピンオフである「クローズ外伝 リンダリンダ」(以降「リンダリンダ」)では主人公を務めるほか、映画の「クローズZERO」にも登場している。通称はリンダマン。
鈴蘭男子高校の24期生で、外伝・スピンオフを含めた「クローズ」世界の中でも「最強」の呼び声が高い人物。本編の主人公である坊屋春道の1年先輩で、同級生には阪東秀人がいる。
モジャモジャ頭になった茶髪が特徴の大男。
寡黙で暗い性格であり、鈴蘭内でも派閥を作ることなく、一匹狼を貫いている。
その実力を恐れられているため喧嘩をすること自体少ないが、自分から喧嘩をすることはなく、ほとんどは襲われて返り討ちにしている。親しい人物が傷つけられた際には例外として、報復のために参戦する。
一方、目上の人間には敬意を見せ、中学から働くバイト先の弁当屋「米米亭」でも、真面目に働いて高校を卒業するまで勤め上げるなど、作中の同世代と比較すると、極めて真面目とも言える。
「リンダリンダ」によると、少なくとも中学時代では祖父の集合住宅に住んでいた。中学には顔を出すことがなくなっても、高校へ通うために弁当屋以外にも土木のアルバイトをしていた模様。
過去
幼い頃に父親を病気で失い、小学生の頃に母親は再婚、義理の父と、当時中学生の義兄が出来たのだが、間もなく母親も交通事故で亡くしてしまう。
3人暮らしとなる中、義父はリンダマンを可愛がってくれたが、中学時代の夏休みに入る前あたりに、受験ノイローゼになった義兄が包丁で義父を刺してしまう。ちょうど現場を見たリンダマンは義兄の包丁を奪おうとしたが、取り合いになる中で包丁は義兄の胸に刺さってしまい、兄はその場で、義父も3日後に息を引き取ってしまった。
その後は祖父に引き取られて戸亜留市にやってきたが、このことが原因で「リンダマンは人殺し」という噂が流れてしまい、リンダマン自身も心を閉ざすような今の性格になってしまった。
鈴蘭高校以前
「リンダリンダ」によると、かつては「藤原中学」という中学校に在籍していたが、2年の夏休み前に例の事件が発生。2学期に顔を出すものの、事件の事を揶揄われたことがきっかけで相手を病院送りにしてしまい、そのまま学校を去ってしまった。
以降は高校へ行くための資金を集めるためにバイトをする傍ら、次々と現れる彼を倒そうとする不良を撃退していった。
作中で語られる「1vs46に勝利」「リンダマン以上の巨体を誇る外国人に勝利」の他にも、多くのエピソードを作り出した模様。
鈴蘭高校(春道入学まで)
鈴蘭に入ったリンダマンであったが、ここでも派閥を作らず一匹狼を貫いており、1年上の桂木源次郎や鳳仙学園の美藤真喜雄がわずかな理解者であった。
2年では鈴蘭に入学したばかりの桐島ヒロミ、本城俊明、杉原誠に喧嘩を売られ、5分足らずで返り討ちにしている。
また、「クローズZERO」では鈴蘭統一最後の砦として、「ZERO」の主人公である滝谷源治とも何度か戦っている。
鈴蘭高校(春道入学後)
阪東一派にボコボコにされたヒロミを病院に運ぶ形で初登場。
阪東と決着をつけた春道を見かけて久々に登校するが、帰り道で春道と遭遇。その時には春道が親の事を不謹慎な態度で聞いてきた事に腹を立てて殴り飛ばし、一撃で気絶させている。
その後、リンダマンを追いかけてきた春道と河原で対戦。壮絶な殴り合いの末、最後は互いの一撃がカウンターとなって引き分けとなる。しかし、カウンター直後に春道は川に落ちて流されてしまうのだが、目覚めたリンダマンは春道がいないことで「自分が負けた」と誤解。人生初の敗北を清々しく受け止めたリンダマンは、OBとなった桂木に敗北を、かすかに笑いながら報告していた。
以降、春道の存在はリンダマンに深く刻まれるのだが、顔を合わせれば対抗心からかにらみ合い、小学生のような口喧嘩をするなどムキになる一面を見せるようになる。
三代目武装戦線の岩井政則によって桂木が入院に追い込まれたと知った時は、九能龍信の1度目のタイマンに勝った春道の前に現れ、張本人である岩井を一撃で倒すばかりか、その一撃で集まっていた武装戦線のメンバーを戦意喪失させている。
さらに、自分を襲ってきた九能一聖も、一撃で返り討ちにした。
鳳仙と鈴蘭との抗争には顔を出さなかったが、「鈴蘭最強」ということで美藤竜也・美藤秀幸の兄弟に目を付けられる。だが、リンダマンにとってみれば自分に勝った(と思っている)春道こそが最強である為、竜也に「正々堂々挑んでみろ」と言葉を投げかけた。
その後は春道と美藤兄弟のタイマンを見届けている。
卒業式当日に春道から挑戦状を渡される。桜の舞う護国神社のタイマンには多くのギャラリーが詰めかけるが、登場時には揉めかけた名の通っている面々を黙らせ、格の違いを見せつける。
そして始まった春道のタイマンはお互いが一歩も退かず殴り合い、ギャラリーの誰もが戦慄するほどの壮絶な死闘となる。最終盤、春道の怒涛の攻撃を受けるも、春道が放つ渾身のパンチに合わせたクロスカウンターを喰らわせ、この一撃が決め手となって春道に勝利。戦いが終わった後は倒れた春道を担ぎ、神社を後にしていった。
その後は春道を病院の入り口に運んだ後は、春道と出会えたことを喜んでいる心中を振り返りながら、「あばよ春道…」と言って、よろけながらも春道の前から去っていった。
その後、バイト代で購入したバイクで「日本中の色んな人間の色んな人生を見る」ための旅に出たことが古川修(ブル)の口から語られている。
少年誌の漫画でありながら、初期からライバルキャラとして位置づけられていたリンダマンに春道が勝てなかった展開に、読者の多くは驚愕した。
しかし、「ライバルキャラにリベンジ勝利」「主人公が強くなって強い敵に勝利」という王道的な展開であったバトルインフレがなくなった。
そのおかげでクローズの最大の特徴であるパワーインフレの廃絶が成し遂げられ、名作の一つの押し上げられたのもリンダマンというキャラのおかげである。
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