「太宰さんの新しいお友達
ずいぶん壊れやすいんだね
けどいいんだ
太宰さんを壊す楽しみが残ってるもの☆」
プロフィール
人物
『Q』という異名で座敷牢に閉じ込められていた、ポート・マフィアの構成員。
マフラーを巻いた白と黒の髪に黒目の子供。片足だけの不気味な人形を持ち歩いている。
常に狂気じみた笑顔を浮かべており、自分の異能で人が死のうとも何とも思っていない。
だが、ギルドに捕まった時は泣きながら
「こんな力欲しいと思った事は一度もない
どうして僕だけこんな事ばかり起きるの?」
と叫んでいた為、彼もまた鏡花と同じく、望まない異能力によって人生を狂わされてしまった人物だと言う事が窺える。
中原中也が組織の構成員になったころからすでにポート・マフィアに在籍していた。
異能力
能力名 | ドグラ・マグラ |
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解説 | 自分を傷つけた相手を呪う |
異能の中でも最も忌み嫌われている“精神操作”の異能力。持っている人形を破壊する事で発動する。
自分を傷つけた相手は『呪いの受信者』として手形の痣が浮かび上がり、受信者は幻覚によって精神を冒されて発狂し周囲の人に襲いかかってしまう。さらに恐ろしいのは、この能力は一度発動すると敵味方問わず無差別にかかってしまう諸刃の剣である事。止められるのは消失異能『人間失格』を持つ太宰のみ。
マフィア内では彼を封印する為に大勢の人間が死亡しており、それには太宰も関わっている。それ故か太宰をかなり恨んでいる。
元ネタ
元ネタは夢野久作の傑作『ドグラ・マグラ』。
日本探偵小説三大奇書 (アンチミステリー) に数えられる小説であり「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす。」といわれている。
常軌を逸した作風故か、推理小説家の横溝正史氏が対談のためにドグラ・マグラを読み返した際に気分がヘンになり、夜中に暴れたという実話があるほど。
精神への異能はこれが元ネタと考えられる。
活躍
武装探偵社と組合(ギルド)を壊滅させるべく首領の森鴎外によって座敷牢から解き放たれる。
避難のために列車に乗り合わせた谷崎ナオミと春野綺羅子ごと迎えに来た中島敦を異能により発狂させ立ち去る。
そして街を散策中に出くわしたH・P・ラヴクラフトを引き込もうとするが、直後に形容し難い恐ろしい『何か』を見て気絶。
その後フィッツジェラルドの『緊急プラン』という名の謀略によりジョンの異能「怒りの葡萄」に取り込まれ、横浜全域の人間を壊滅させる人柱と化してしまう。
だが、敦の活躍と提案により探偵社とポート・マフィアの両社が一時的凍結同盟を結び、それによって駆けつけた太宰と中也によって救出される。
余談
夢野久作がいつも持ち歩いている人形の声は某自殺願望の元マフィア構成員の中の人と同じである。
また、舞台文豪ストレイドッグス第3弾に登場した夢野久作の人形も某人に迷惑をかけない清くクリーンな自殺が信条の旧双黒の舞台版キャストが演じている。
作中において性別はぼかされており、不明。
外伝小説『太宰、中也、十五歳』でも太宰が初めて顔を合わせた時に森鴎外に訊ねたが明かされなかった。
文ストと角川文庫コラボのアニメカバーでも(これはカバーが付いている「犬神博士」の内容によるもので、主人公・チイは女の子の恰好をした男の子だからか)女性物の着物を着ている。