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妖獣ララ

ようじゅうらら

テレビアニメ版『デビルマン』第26〜36話に登場した自称デビルマンちゃんの恋人
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概要編集

CV:沢田和子

TVアニメ版『デビルマン』第26〜36話に登場。自称デビルマンちゃんの恋人。外見は天然系の金髪美少女だが、これでもれっきとしたデーモン族の一員であり、物体を変形させたり、別の物に作り変える能力を持つ。自他を問わず生物を変身させたりすることもでき、自分自身の顔も本来は老婆のような崩れた顔を能力で美少女に変形させている。ただし顔の変形はクシャミなどのショックですぐ元に戻ってしまう。


頭が悪く、自他ともに認める「バカ」であり、上述の能力を活かし単独で人間界に何かしようという考えもなく妖獣たちからも軽視され、人間からも妖獣扱いされない。本人もかなり気にしているようで、バカ呼ばわりされると「どうせ私はバカですよ」と顔を崩して泣き喚き、相手を困惑させる。一方で(作り物ながら)容姿には自信があり、泣き叫んでいるときでも「美人」とおだてられると「○○好きよ~」などと一転して上機嫌になり呆れられるのが定番である。


戦闘力に関しては、身体能力が高くない上に頭の悪さからくるドジも加わってデーモン族としてはかなり低く、悪魔王ゼノンから酷評され、変身していないデビルマンに軽くあしらわれるほど弱い。とはいえ明のバイクに息一つ切らさず走って追いつくなど、並の人間に比べて身体能力は遥かに高い。また、彼女の行動が(意図的でないものも含めて)デビルマンの危機を救ったことも多い。第30話では「これでも、もしもの時はちっとは役に立つんだ」と美樹を守るように頼まれるなど、それなりに明からも信頼されている。美樹からは「突然現れて明くんにつきまとう得体の知れない女性」のような印象であまり良く思われていなかったが、次第に打ち解けて友人のような関係になっている。ララの方は美樹を「(自分を愛している)明くんに片思いする女の子」と認識しており、自分の方が完全に上と思っているのでライバル視はしていない。


当初はデーモン族の一員として人間界を滅ぼすために行動していたが、妖獣ドドと組んでの作戦に失敗したあとの成り行きでデビルマン=に愛されていると誤解し、彼同様にデーモン族を裏切ることになる。その性格のため、明や美樹たちを振り回すことも多かったが、明にとっては自分の正体を知る友人でもあり、後になると助けられたことを素直に感謝したり、彼女からの好意を満更でもなく思う様子も見られた。

それは「お前はデーモン族で一番長生きするぜ(=お前を殺すつもりは今後含めて無い)」という明の発言にも現れている。

しかしデビルマンと妖獣との戦いが苛烈さを増していく終盤において、悲しい別れを迎えることとなってしまう。


活躍編集

第26話で初登場。美樹達とスキー旅行に向かう途中の明が乗っていた電車の窓に姿を見せ、乗客達を驚かせてパニックに陥らせるが、明に見つかりそうになり姿をくらます。その後、ゼノンから妖獣ドドへの伝令と支援を命じられ、明たちが宿泊する山荘に客を装い潜入。翌日にドドがデビルマンを「生きている檻」に閉じ込めた後、彼を自身の能力で明の姿に変え、美樹やアルフォンヌら他の宿泊客を雪山の危険地帯に誘い出し、雪崩を起こしてまとめて始末しようとするが、目的の場所にたどり着く前にクシャミしたことで半端に雪崩が起きてしまい失敗。その後、「生きている檻」から脱出したデビルマンにドドを倒されて単身デビルマンに挑むも簡単にあしらわれ、最後は明に連行されて精神病院行きの救急車に乗せられ退場した。


第27話では収容されていた精神病院で何度も脱走を試み、院長や看護師の手を焼かせたことで秘密裏に処分(重りを着けて海に沈める)されかかるが、運ばれる途中で妖獣ジュエルが起こした騒動に乗じて脱出に成功する。しかし拘束されたままだったため身動きもままならず川に落ちてしまい、下水道まで流されたところを明に(ララとは知らずに)救出される。その後、また戦いを挑むも適当にあしらわれて放置されるが、自分を殺さなかった明の行動を「美しい自分を愛したから」と思いこみ、デーモン族を裏切り彼とともに生きることを決意。デビルマンがジュエルに苦戦していたところへデビルマンに変身して現れ、ジュエルを動揺させて隙を作り逆転勝利に貢献した。


最期編集

第36話で妖獣マグドラーの襲撃の際に見つかり、火炎弾で攻撃されてしまう。明に助けを求めながら逃げ回るも執拗に追われ、明が駆け付けたときには下半身を焼かれて力尽き倒れてしまっていた。もはや助からないと悟った彼女は、涙を流しながら明に感謝と最後の別れを告げる。


「でも…私、明くんに会えて幸せだったよ。だって明くん、楽しい思い出を一杯くれたんだもん。それだけが言いたくてさ、やっとここまで来たんだよ。さようならデビルマン。私は死ぬまでロマンチックだもん…」


そんな彼女に、非情にも追討ちの火炎弾を浴びせて笑うマグドラー。「いいとこなのに!待ってくれないの!?嫌な奴だね!」とボヤきながらマグドラーを睨みつけたララは、「愛してる」と明に投げキッスを送る。それはまるで何も変わらない、いつもの彼女のように。


だが、明の目の前で、その手はみるみる炎に包まれていった。


そして、ひときわ大きな炎が彼女の全身を包むと大きく燃え上がり、彼女の影が一瞬だけ残ったあと、それも消え去りララは跡形もなく消滅した。明にできたことは、彼女の最期をただ茫然と見送ることだけだった…。


その後、宇宙空間でマグドラーを倒し彼女の仇を討ったデビルマンが「バカな奴だ。死んじまいやがって」と寂しげに呟くと、流れ星とともに彼女の幻が現れ「いや~ん、私のバカは死んだから治っちゃったのよ」と笑いながら消えていった。


ダイナミックヒーローズ編集

パンサーゾラの呪術により復活。不動明、兜甲児とともにパンサークローに捕らわれた如月ハニーを救出しようとするが妖女ゾルドバ妖獣イヤモンに捕らえられる。その後デビルマン、甲児、ハニーに救出されるがゾラが倒されたことにより術が解け消滅する。


余談編集

  • 当初は明を「デビルマン」と呼んでいたが、人間界での暮らしに馴染むようになるにつれて「明くん」と通名で呼ぶことが増えた。特に美樹やタレちゃんなどがいる時は必ず「明くん」と呼んでおり、「バカ」ながら空気が読めるところも見られる。
  • プロデューサー旗野義文氏の話によると、本作に対して「残酷で暗い」という視聴者からの感想が多かったことからコメディリリーフとして投入されたキャラクターであり、永井豪が描いた老婆の妖獣のスケッチをもとに「老婆を若返らせて美人にする」というスタッフのアイデアを加えて作られたとのことである。実際に視聴者からも人気があったものの、初登場回の放送時点で既にマグドラー回のシナリオが作成されていた(つまり死亡することは決定していた)ため、脚本担当の辻真先氏は「ララはしかし、申し訳なかったというか、人気が出た時には殺してましたからね(苦笑)」とコメントしている。


関連項目編集

カイム:漫画デビルマンにおける愛に殉じたデーモン。

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