概要
CV:和多田美咲
『地獄少女宵伽』におけるキーパーソン。11歳。
閻魔あいの前に突如現れた謎の少女。しかし自分が誰なのか思い出せない記憶喪失状態であり、その素性や目的は一切謎に包まれている。
注意!ネタバレを含みます!
ミチルは第三期『地獄少女三鼎』の御景ゆずきと同様、既にこの世の者ではなかった。
そしてミチルは思い出していく、自分の名前や自分の過去を………。
それは生前の大正時代、商社勤めの父親が尽力を尽くし、ドケチと言われる大家の金で長屋へ電気を引いて長屋の人々から喜ばれていた。そんな父を見て嬉しそうにするミチルは母親から、「人のためになることをすれば天国に行ける」と教えられた。
しかしそのことから大家一家はミチル達家族の存在を気に入らず、大家の息子が仲間と3人がかりで河童が出るという噂の池にミチルを突き落として殺そうとするが、その時起きた事故で仲間諸とも池に落ち、自力で池から這い上がったミチルは辛うじて助かったが、自分を殺そうとした大家の息子達3人は天罰を受けるようにそのまま池で溺死し、ミチルが目覚めた時には既に水死体となっていた。
「子供の仇」という大義名分を得た大家夫妻は子供の死を大いに利用することによってミチル達家族を強く弾圧し、ミチルや両親は「女の子1人が男の子3人を溺れさせられる訳がない」「ミチルが3人に殺されかけた」などと周囲に訴えても信じてもらえず、長屋の人々も大家夫妻に同調する形でミチルの父への恩を忘れて掌を返し、他の町民達は大家夫妻や長屋の人々のように罵倒はせずとも、大家夫妻からの弾圧を恐れてミチル達家族を極力避けるようになり、ミチル達家族はひどい村八分を受けるようになってしまう。
その後長屋の人に拉致され、大家の屋敷の蔵に10日間も軟禁されたミチルは蔵の中に落ちていた風鈴の音で両親に居場所を知らせることで無事に発見されたが、その直後大家達に見つかり、父は殴り殺されてしまい、家族全員が蔵に閉じ込められた状態でそのまま火を放たれ、ミチルと両親は焼け落ちていく蔵の中で悲劇的な最期を迎えるのだった…。
…ここまでの記憶を取り戻すことができたミチルだったが、しかし実は思い出していない続きがまだあった。
炎に包まれ、焼け落ちていく蔵の中で母に抱き寄せられるミチルは命が尽きる直前、自身の強い怨念がこもった業火を爆発させ、暴走するがままに全てを焼きつくしたのだった。家族のささやかな幸せを奪った全ての元凶である大家夫妻や父に対する恩を忘れて自分達家族を裏切った長屋の人々諸とも大家の屋敷を焼き尽くし、果ては無関係だった町民達をも巻き込んで町中を怨念の炎で包み込み、一夜にして全滅させた。
あいに促されたことで全ての記憶を取り戻したミチルは、「だからその罪を償わなくてはいけない、地獄少女として」と、あいに代わる地獄少女になるかならないかの選択を迫られることとなる。
初めこそは地獄少女になることを頑なに拒絶していたミチルだったが、自身が背負った罪の大きさを認識したことで、赤い牡丹をあしらった緑色の振袖を身に纏う第三の地獄少女(『三鼎』『新地獄少女』終盤のゆずき、漫画版『地獄少女R』のオリジナルキャラクターの藤堂まりやを入れるとすれば、厳密には第四)となり、あいの元を離れて自身の使い魔となった山童と共に地獄流しを始めることとなった。
ただし、理不尽に感じた依頼の場合は断ったり、「天国へ行けなくなる」と再考を促す場合もあり、引き受けた依頼に対して基本的に私情を挟まないあいとは異なる道を模索している様子が描かれている(この考えに山童が興味を示し、ミチルについた事が『P地獄少女 四』で明かされた)。
依頼者に藁人形を手渡す時の背景は夕暮れの里ではなく、路面電車やモダン建築が立ち並ぶ大正時代風の都市であり、地獄流しの口上も「天に背きし憐れな影よ。人の痛みに瞼を閉ざし、過ち犯せし咎の魂。いっぺん、死んでみる?」と、あいとは多少異なるものとなっている(エピローグの描写からあいとミチル、それぞれが別個の「地獄少女」として併存しているとみられる)。
藤商事より発売されたCR地獄少女シリーズでは2018年稼働開始の第三作目『CR地獄少女 宵伽』から登場し、こちらではアニメ版で地獄少女になった後の話が新たに三話(『信ずる者は…』『夢を喰らう者』『とむらい』)製作された。
2020年に稼働開始した第四作目『P地獄少女 四』の地獄少女モードにてアニメ版では尺の都合上語られなかったキャラクター像がピックアップされ、アニメ版では入れ違いで登場したため会う事も無かったゆずきとの絡みも描かれた。
生まれた年が早いという理由でゆずきにお姉さん風を吹かせたり、依頼を手伝って貰う為にあいにバナナやさくらんぼで交渉するなど、アニメ版では分からなかったお茶目な面も明らかになっている。