概要
数々の凶悪事件を引き起こす犯罪組織バイオロンを取り締まる為に、バイオロンに唯一対抗できる機動刑事ジバンに超法規的権限を与えるべく、警察と国家上層部が制定した法律。
劇中で披露された条文は以下の通り。
第1条
機動刑事ジバンは、いかなる場合でも令状なしに犯人を逮捕することができる。
第2条
機動刑事ジバンは、相手がバイオロンと認めた場合、自らの判断で犯人を処罰することができる。
（補則）場合によっては抹殺することも許される。
第3条
機動刑事ジバンは、人間の生命を最優先とし、これを顧みないあらゆる命令を排除することができる。
第5条
人間の信じる心を利用し、悪のために操るバイオロンと認めた場合、自らの判断で処罰することができる。
第6条
子どもの夢を奪い、その心を傷つけた罪は特に重い。
第9条
機動刑事ジバンは、あらゆる生命体の平和を破壊する者を、自らの判断で抹殺することができる。
（※第4、7、8条は劇中では使用されず）
ジバンはバイオロンの怪人・バイオノイドに対峙した際、電子警察手帳を突き付けながら上記の第1、2条と2条補則を読み上げつつ迫ってゆく。
もちろんそんなことで降伏するバイオノイドはおらず、ジバンは第2条補則を執行して事件を解決してゆくのであった。
一個人の判断で裁判抜きに処刑可能という超法規的条文の数々は、極端に言えば「ジバンが己の判断で何をやっても許される法律」であり、ほぼ重複している第2条と5条や、もはや法律にもなっていない第6条などツッコミどころ満載である。
しかし「正しい心の持ち主が正しく法を行い、悪を処罰する」ことを前提としたという意味では、法律の理想の姿・・・と、言えないこともないかもしれない。
余談
弁護士ドットコムにて、実際の弁護士が法律の観点からバイオロン法についてツッコんでいる。
「対バイオロン法とは、一言でいえば「ジバンが自分の判断でなんでもできてしまう法律」です。裁判所の判断や不服申立の機会すらなくジバンの判断だけで誰でも抹殺することができるというのは、憲法の保障する基本的人権や刑事裁判の様々な手続原則を無視したものであります。憲法違反の指摘は避けられないでしょう」
※田村直人を演じた日下翔平（現：所宏吏）氏のインタビューも掲載されている。詳細はコチラ
ちなみに、ドクター・ギバの誕生とその後の経緯、バイオロン設立の動機が周知となれば、生命倫理の観点からかなり強烈なバッシングが免れず、極秘裏に殲滅したい事情と、ジバンは極秘の存在でメンテナンス不在でいつ機能停止に陥るかわからず切り捨てしやすく、仮にメンテ可能な者がいても制御しやすい背景事情がある。
つまり、使い捨てしやすい汚れ役の執行者ジバンと、公に語る機会をドクター・ギバに与えず隠蔽したい上の立場の都合の二重の都合に守られており、実はネタ抜きに上記の内容より法の施行した背景の方がえげつない。
一部では「この法律に従うならば、ジバンが最初にやるべきことは自らの抹殺ではないのか？」と言われることもあるようだ。
TCG・レンジャーズストライクでカード化された際のフレーバーテキストは
「機動刑事が読み上げるその内容に、悪人達は震え上がった。」
こんな事を伝えられた時の心情を考えれば納得である。
カードの効果は相手の除去なのだが、対象として適切ならばそれが巨大な神であっても除去、すなわち抹殺することができる。
関連タグ
ジャッジメント(デカレンジャー)：こちらも似た様なシステムで警察官が死刑執行を行う。ただし、こちらは宇宙最高裁判所で相応の時間(すぐに結論が出ているように見えるのは宇宙最高裁判所のある星と地球では時間の流れ方が違う為。地球の10秒が向こうの8ケ月にあたる。作中設定でジャッジメントに要する時間は1分なので、計算すると48か月、つまり地球時間で換算して4年)をかけて判断されており、自己判断のみ、しかも即断即決のジバンとはその点で異なっている。また、例は少ないが犯人の事情や現場の警察官たちが知らなかった事実を鑑みて「デリート不許可」の判断が出たこともある。
宇宙刑事：上記のジャッジメントや、この法律のようなものもなく対象を抹殺しているためか、海外では「Police(刑事)」ではなく「Sheriff(保安官)」と訳されている。
俺ルール：今でいうならこれに該当するとも言える。
ジャスピオン：俺が正義だ！ と、OPで歌っている。
