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工藤會

くどうかい

福岡県北九州市に本部を置く特定危険指定暴力団。「日本で最も凶暴な暴力団」として悪名高い。
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概要編集

福岡県北九州市小倉北区に本部を置く、九州有数の規模を誇る暴力団


最大の特徴はその凶暴性である。

気に入らない者であればカタギ(一般市民)にも平然と牙を向き、幾度となく死傷者を伴う襲撃事件を起こしている。

1998年の元漁協組合長殺害事件や、2003年のクラブへの手榴弾の投擲事件は全国ニュースでも広く報道され、その凶暴性を知らしめた。

また、2008年にはトヨタ自動車九州の工場内にやはり手榴弾が投擲される事件が発生。日本の経済界のトップまでもが標的になった。


市民や関係者も、報復を恐れて証言を拒否することが珍しくなく、北九州一帯を長年に渡り恐怖で支配してきた。

この凶暴性は、2008年に当時総裁だった溝下秀男が病没し、現総裁の野村悟が台頭してから拍車が掛かったとされる。


2012年より改正暴対法に基づく特定危険指定暴力団に全国で唯一指定されている。


山口組の旗手としても知られ、九州地方の独立組織のみで構成された「四社会」という連合を道仁会、太州会、熊本會と共に結成している。

この連合の威力により、現在に至るまで山口組は九州北部で影響力を持つに至っていない。


武装はやたらと充実しており、関係施設の捜索では拳銃はもとより自動小銃や手榴弾、ロケットランチャーRPG)まで出てくるなど、テロリスト並みであった。


歴代組長編集

  • 初代(創立~1987):工藤玄治

二代目(1987~1990):草野高明

三代目(1990~2000):溝下秀男

四代目(2000~2011):野村悟(現在は総裁)

五代目(2011~現在):田上文雄


壊滅に向けた作戦編集

上記のような工藤會の凶暴性は、福岡県が修羅の国呼ばわりされる大きな原因となっており、当地の行政、特に福岡県警にとっては何としても叩き潰すべき不倶戴天の敵である。

このため、2010年代以降は壊滅に向けた頂上作戦が何度も行われてきた。


転機となったのは、2014年に総裁である野村悟が逮捕され、その後再逮捕が繰り返され5つの罪に問われた事である。

中には野村が陰茎増大手術を受けた美容整形クリニックへの逆恨み(要するに思いのほか大きくならなかった)から、看護師の殺害を示唆した案件もあった。

被害者は一命を取り止めたことから殺人未遂で済んでいるが、このあまりに個人的かつ下らない動機で部下に殺人の罪を負わせようとしたことで組織内の人望も低下したとみられ、後述の警察の切り崩し成功の一因ともなった。


野村の逮捕を機に福岡県警は他府県警察の協力も得て、組員らの検挙を加速。

同時に被害者たちや元組員を説得して裁判の証言を依頼。2021年8月24日に福岡地裁で野村に死刑判決が下された。

後に野村が控訴した後に第二審では無期懲役となり、検察側が控訴し最高裁まで争う方針となるが、直接手を下していないヤクザの親分の所業が死刑相当と認定されるのは極めて異例であった。


切り崩し作戦や野村の検挙などが影響し、組員の数は大幅に減少していると言われているが、一部は関東に事務所を構えるなど未だ油断できない状況でもある。


影響編集

工藤會の弱体化は急速に進み、現在では組員の約半数が逮捕されており、主要幹部は全員表にはいない状況だという。

2019年には、それまで本部としていた要塞のような事務所が没収された上で解体され、拠点の縮小も余儀なくされている。なお本部となっていた土地は後にNPO法人「抱樸」が、生活が苦しい人たちが一時的に暮らせる場や地域の交流スペースを備えた福祉施設を建設する「希望のまちプロジェクト」を進めている。工事の入札が成立しなかったことから着工の時期は未定だったが、入札を年内に改めて公募し、来年の1月から3月までに着工する見通しを示した。


施設の完成は再来年度を予定とのこと。(NHKニュースより)


地元の人間を散々苦しめてきた暴力団が今度はその土地を福祉に使われるという真逆の末路はまさしく皮肉というほかない。


暴力団対策法や暴力団排除条例による規制もあり、組員の生活基盤は崩壊し、脱会しても転職が困難なため難民も多く生まれている。


有名な元組員に、小倉駅近くの商店街でうどん店を営む元幹部の男性がいる。

この男性は服役期間中に工藤會を脱会し、出所後に社会的に不利な立場を承知で修行を積み開店。

当初は警察からマークされていたが、その後「元暴力団員」の指定が解除され、現在では名実ともに一般市民として生活している(基本的に暴力団員は脱会後も暴力団対策法の影響を受けるため、警察の判断でこの指定を解除されない限り一般市民と同じ生活には戻れない)。


その他編集

  • 三代目組長である溝下秀男は写真や随筆が趣味で、自作の写真集を福岡県警の担当刑事に贈呈したり、著書を出版社から一般販売したりと、暴力団らしからぬ風流な人物だったとされる。
  • 2022年10月28日、2013年12月に発生した「王将社長射殺事件」の容疑者として、服役中の工藤會幹部が逮捕された。世間では迷宮入り扱いされていた事件だけに、9年越しの逮捕は大いに話題となった。

別名・表記ゆれ編集

工藤会


関連タグ編集

暴力団 指定暴力団 ヤクザ 修羅の国 山口組

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