概要
自身の子供に(過剰なまでに)良い教育を受けさせることにこだわる母親のこと。批判的・揶揄的なニュアンスが強い。
現実には同様の父親も多数おり、教育パパという語も存在するが、一般的ではない。父親による叱咤は「愛の鞭」と考えられやすかったためだと思われる(実際にはむしろ父が子に苛烈なプレッシャーをかけるケースが多い)。後述のフィクションにおけるステレオタイプにも、女性に対する差別的な視点がうかがわれる。
近年では父親・母親によるものを問わず「教育虐待」としてとらえられるようになっている。勉学以外に楽器やスポーツなどを習わせたりすることもあるが、これらもまた、子供の希望を無視して強要する場合は虐待となりえる。
詳細
高度経済成長期(1960年代前後)に専業主婦が増加し、教育が母親の役割とされるのに伴って広まった人物像である。当時はまだ女性の大学進学率が低く、高等教育を受けるのを許されずに結婚・出産をする者も多かったため、自己実現を子供に託す女性が多かった。
「教育ママ」「受験戦争」が流行語となった昭和後期の安定成長期(1970~80年代)には、折しも流行していた恐竜や怪獣になぞらえて「教育ママゴン」などと呼ぶ向きもあった。同時期には恨みを募らせた息子が両親を殺害する事件も発生した(神奈川金属バット両親殺人事件)。
ありがちな行動として、「宿題を終えるまで家から出られない」「テレビやゲームなどの制限・禁止」といった家庭独自のルールを作ることが挙げられる。一世を風靡した「ゲームは1日1時間」という名言も、彼女達からの圧力で半ば強制的に言わされたものだと言われている(発言者の「高橋名人」はゲーム会社の従業員であり、本来は多くゲームを遊んでもらいたい立場であった)。
フィクションでは
皮肉や揶揄を込めたステレオタイプとして描かれることが多い。厚化粧、派手なファッション、変なメガネなど、見るからに癖が強い造形をしていることもよくある。また、この手のキャラクターの代表とされる「スネ夫のママ」のように語尾に「ざます」を付けて喋ることがある(→ザマスおばさん)。子供も子供で、他に取り柄の無いガリ勉であったり、金持ちを鼻にかけるボンボンであったりと、問題児にされがちである。
しかしチチ(ドラゴンボール)などのように、教育ママなりの親心が描かれる場合もある。彼女の場合は、夫の孫悟空が戦い一辺倒で人並みに働こうとせず、「(地球人感覚で)真っ当な父親」としての責任感がまるでなかったため、長男の孫悟飯(ドラゴンボール超からは次男の孫悟天も)には「戦いの道に進むより、立派になって稼いで貰いたい」という思いがあったためである。
関連事項
毒親 モンスターペアレント 虐待:悪化するとこうなる可能性がある。
孟子:「孟母三遷の教え」というように、母親が教育熱心だった。