敵は本能寺にあり
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てきはほんのうじにあり
明智光秀が本能寺の変を起こす際に発したとされる台詞、または映画及びテレビドラマのタイトル。
江戸時代中期に記された『明智戦記』の中にある台詞とされるが、信長から毛利家討伐を命じられていた光秀が謀反を起こす際、実際にこう発したのかどうかは不明である。
転じて、「真の目的・目標は別の場所にある」という意味のことわざとしても定着している。
ただし、本能寺の変に参加した光秀配下の本城惣右衛門による覚書によると――
毛利輝元討伐のために備中へ進軍する途上、突然に京都へ行くよう命じられ、惣右衛門は徳川家康がちょうど上洛していたことから家康を討つものだと思ったという。
そして、着到した寺院(惣右衛門は本能寺という場所を知らなかった)の堂内に入ったが、白い着物を着た女一人を捕らえたのみで侍は一人も見当たらず、女から「上様は白い着物を御召しになっておられます」と聞いた際も「上様」が信長のことを指しているとは思わなかった。
――と述べており、光秀が謀反を近臣以外には告げず秘密裏に本能寺まで軍を進め、告げぬまま攻撃に及んだ可能性が高く、光秀はこの言葉を発していないとする説が濃厚とされている。
事実であるとすれば、事情を知らない伴回りや兵卒へ突如何の根回しも無く主君を討ちに行くと表明するような物であり、「殿御乱心だよね」「だれも止める奴がいなかったのか」と時折ネタにされるが、実は当日光秀が引き連れていた兵卒の多くは、知ってか知らずかかつて信長に野垂れ死に同然で処分された佐久間信盛の配下が多数を占めており、かつての主君に対する非情な仕打ちから信長への怨恨が深かったとする説もある。
そのため、仮にこれが事実であったとしても案外兵卒はノリノリで引き受けていたかもしれない。
いずれも本能寺の変を取り扱った作品である。
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