斧鎌マジナ
おのがままじな
「ほーら姿を現してやったぞ」
「オラはただの蟷螂じゃない。蟷螂の大魔法使い、斧鎌マジナ様だ!」
種族 | 魔法使い(蟷螂) |
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二つ名 | 眈々と狙う斧虫 |
能力 | 魔法(主に物質強化と気象予言)を使う程度の能力 |
登場作品 | 妖蟲大戦争(エリア3ボス) |
テーマ曲 | マジカルマンティス ~ 斧装の呪術師 |
斧鎌マジナ(おのがままじな)は東方二次創作作品「妖蟲大戦争」に登場する「カマキリ」の文化的扱いや蟷螂坂の伝説を元としたオリキャラ。
エリア3「魔法の森」のボスを担当する。
元となる妖怪がちゃんと存在するので、妖蟲大戦争の新規キャラの中では一番妖怪染みている。
騒動の黒幕でこそないものの、「現代流蠱毒」が幻想郷中の妖蟲を巻き込んだ一大イベントになってしまったのはだいたいこいつのせい。
緑髪の二つ結び(恐らくツインテール)に、深緑色の帽子を被った少女。
帽子はピエロが被るような二股帽子を縮めたような形状をしており、左右の先端には「雪つよし」を意味する天気記号がでかでかと描かれている。
(ちなみに「雪つよし」は雪の記号にカタカナの「ツ」を足したもの)
額のあたりからカマキリの触角が生えており、帽子はあみだに被られているためこれを隠さない。
トップスは薄い黄緑色であり、前後の一部が伸びて前掛けのようになっている。
こちらの前掛け部分には線で区切られた天気記号が描かれており、上から順に快晴・晴れ・曇り・雨・雷・雪となっている。
胸のあたりには黄色いリボンをつけ、トップスの上には魔法使いらしく帽子と同じ色のローブを羽織っており、ローブの裾はオオカマキリの翅を模したものになっている。
その上から後述の武器などを挟んで留めるための黒い紐で腰を縛っている。
これらのデザインは天気記号を除き、「オオカマキリ」という種のカマキリが元になっている。
左手にはカマキリの前肢を模した杖を持ち、右手には手斧を掲げている。
その他、腰にはククリナイフを下げ、背中には巨大な鎌を背負っている。
こちらの鎌もカマキリの前肢を模しており、柄の部分の一部にも刃が付いている。
現在の種族は「魔法使い」とされているが、元々は巨大なカマキリの妖怪である。
後述の気象予言の魔法を勉強していたが、行き過ぎて魔法使いになってしまったらしい。
「もう人間を襲い食らうことは無い」とされている。
このことから「捨食の術」を使ったか、また別の手段でエネルギー源を魔力に置き換えた可能性が高い。
一般的に身体能力は人間並みだとされている魔法使いではあるが、彼女は白兵戦を得意とする物理戦闘タイプであるため身体能力は妖怪カマキリ時代のものを受け継いでいるようだ。
妖怪としての元ネタは新潟県の中越地方に伝わる「蟷螂坂」という伝説に登場するカマキリ。
かつて巨大なカマキリが人を襲い喰らっていた坂があったが、そのカマキリはある年の大雪で圧死してしまう。
それでカマキリの脅威が去ったかと思いきや、今度は坂で転んだ者に特殊な切り傷ができて黒い血がどくどくと流れ出し苦しむようになってしまった。
その怪異は「雪で死んだカマキリの祟りだ」と恐れられたというものである。
「魔法(主に物質強化と気象予言)を使う程度の能力」
記述の通り、おおまかに二つの能力を持っていることになる。
彼女は前述の蟷螂坂のカマキリのように大雪に押しつぶされるという恐ろしい体験をしたものの何とか生き残ったため、天気を事前に予測する魔法を勉強するようになった。
こうして習得したのが「気象予言」の魔法であり、一週間ほどの単位での天気の傾向を当てることができる。要するに一週間天気予報みたいなものである。
ちなみにカマキリにはその年の積雪量を予測して卵を産むという俗信がある。
また、古代ギリシャでは特徴的な姿勢とローブの裾のようにも見える翅から「予言者」を意味する「マンティス(mántis)」の名が与えられている。カマキリを意味する英単語「mantis」の語源である。
もう一つ得意としている「物質強化」の魔法はいわゆるエンチャント魔法であり、武器やそれを作るための道具に硬さや鋭さを与えたり、呪いの効果を持たせることができるというもの。
呪いの効果を持たせた状態で生物を斬ると、蟷螂坂での伝承のように黒い血が流れるようになる。
ちなみに各種武器はこの魔法をかけて使うことを前提としており、普段持ち歩きやすいようにわざとなまくらに作ってあるとのこと。
無謀さと臆病さを併せ持った不思議な性格をしている。
戦ったことのない相手であればそれがどんな存在であっても強気に出るが、負けたことのある相手には弱気になってしまう。
ただしトラウマの対象を「より自身の力を高める強いもの」として認識することもあり、前述の経験から苦手としているはずの「大雪」を再現したスペルカードを複数使用する。
彼女曰く、
「むかーし大雪ですげー痛い目見たんだよー。だから雪ってすげー強いってことじゃん?」
……らしい。
また、
「虫なんてごく一部の例外を除いたらみーんなオラの餌だと思うぞ」
とも発言しており、他の妖蟲のことをまるで脅威に思っていない。
その「ごく一部」についてリグルに問われた際は
「妖怪の山の洞窟にさ、ちょーっと良さげな鉱石取りに行ったら痛い目に遭ってな」
と返答しており、この経験が「ごく一部」ができた原因らしい。つまり……?
彼女が行っていたものは(目当てとなる鉱石が違うとはいえ)立派な盗掘行為であり、その「ごく一部」からは「盗掘蟷螂」と呼ばれている。
それ以外の部分はかなり単純な性格をしている。
魔法使いらしくストイックで努力家であり、自身の強さを磨くことばかりを考えている。
魔法の森に棲んでいるが木の上で魔導書を黙々と読んでいるか、地下の工房で武器を作っていることが多いため人目に付くことはほぼない。
また、作った武器や魔法で試し切りをするために人間をこっそり辻斬りで襲っていたりする。
転倒時の怪我に見せかけるため、坂道での犯行が多いという。
ちなみに中越地方にちなんで「オラっ娘」になっているが、話しているのは新潟弁や長岡弁ではなく標準語である。
(この辺りはどこぞの甲州弁のカメムシとは真逆である)
口調自体は中性的かつ乱雑なものを使用する。
妖蟲大戦争での斧鎌マジナ
蟲毒の主催者から招待状を受け取り、参加した妖蟲の一人。
ただそれだけなら問題なかったのだが、彼女は「数が多い方が蠱毒の効果も増すだろう」という単純な考えから招待状を大量に複製しあちこちに適当にばらまいてしまう。
あまりにも適当にばらまいたため中には風穴の蜘蛛の巣に引っかかってしまったものもあり、「招待された」と勘違いした土蜘蛛まで出てきてしまう事態になった。
ちなみにリグルが受け取った招待状は、マジナがばら撒いたものを次エリアのボスが拾い、紙銀鱗雪がそれをさらに複製してリグルの棲家へ置いてきた……というものなのでリグルが蠱毒に参加することになった遠因でもある。
そんなリグルが対戦相手を求めて魔法の森へやって来ると、斬撃弾幕を物陰から放つことで誘導。
自身にとって都合のいい戦闘場所である「魔力が最も集まる場所」へ誘い込んでから姿を現して勝負をするという狡猾さを見せた。
敗退後はリグルの「蟲を操る程度の能力」にも恐怖を覚えると同時に、
「こんな恐ろしい力…… ものにすればもっと強くなれそうだな!」
と興味を示してしまい、能力を魔法で再現する研究のために各地の蠱毒の戦いを観戦しにどこかへ去って行ってしまった。
彼女が引き起こした蠱毒参加者の大量増加は当然主催者からすれば予想外の事態であり、これが原因で大きな問題が発生してしまったようだ。
その後はエンディングにも登場。他の敗退した参加者と共にこっそりリグルと主催者の戦いを見学していたとのこと。
その場に留まっていたため、直後のエリアEXにも続けて登場することになる。
しかし彼女は招待状をばらまきすぎた。
それによって以前痛い目に遭った洞窟にも妖精が招待状を持ち込んでしまい、彼女のトラウマともいえる妖怪を引き寄せてしまうことになる。
彼女はその妖怪の戦闘対象がリグルになるように誘導したが……?