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蟲を操る程度の能力

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むしをあやつるていどののうりょく

「蟲を操る程度の能力」とは、東方Projectに登場するリグル・ナイトバグの能力である。

概要

東方Projectに登場するリグル・ナイトバグの能力。

リグルは初登場した『東方永夜抄』からや蟲の生態などを表現した弾幕や<蠢符「リトルバグストーム」>をはじめとした各種のスペルカードを使用している。

作中で表現されているリグルの「蟲を操る」能力やその能力を通した具体的なスペルカードなどについては「リグル・ナイトバグ」記事をはじめ個別のスペルカードなど関連記事も参照。

「蟲を操る」リグル本人もまた蛍の妖怪であり、蟲の側面も持つ。

先述のような初登場時などでも実際にリグルと対峙した相手とリグルがであることを前提とした会話を展開する様子が描かれおり、他者から「蟲」の存在性をもって認識されるだけでなく、リグルもまた自身が蟲の妖怪であることを意識している。

虫っていいよね。昆虫大好き。 」(ZUN、『東方外來韋編』)

稗田阿求曰く

稗田阿求(「幻想郷縁起」、『東方求聞史紀』)によれば、リグルは「 蟲の大群と共に現れ蟲を思い通りに操る 」ことができる。阿求はリグルが蟲の大群を操るシーンの一例を示し、「 蟲の恐怖 」がいかなるものかを具体的に提示している。

蟲の恐怖 」は、阿求によれば「 」に代表される。

多くは一騎当千でこそないものの圧倒的なまでの頭数による集団戦法を成し先頭が倒れても後続が途切れることなく絶え間なく前進・突進することのできる組織力は「蟲」の力の象徴である。

また蟲によっては一騎当千の力を持つものもあり、例えば阿求の例示では「 スズメバチ 」などが挙げられている。一撃必殺の力を持つ単騎がさらに蟲ならではの集団、すなわち群れを成して襲い来る様(例えばハチの集団に襲われる様)は、まさに恐怖である。

ハチの集団に襲われる恐怖と例えばハエの集団やムカデの集団に襲われる恐怖の質はそれぞれ違うかもしれないが、いずれも「 身の毛も弥立つ 」根源的な恐怖感・嫌悪感などを感じさせ得るものだろう。

一方で先述の通り蟲は単独であれば恐れることはないものも多い。

細菌や伝染病の媒介などの不安要素を除けば、小さなハエ一匹に集られる程度ならば(虫嫌いでなければ)ハチ一匹に集られる程の強い反応を示さずに済むだろう。例えば手やモノで払いのけるといった余裕がある。

これはリグルにも言えることで、リグル個人単独ならばさほど恐れなくてよい。

蟲は一般に火や煙、寒さなどが弱点であるが、この弱点はリグルにも当てはまり、例えば冬場のリグルなどは退治する際などは「 狙い目 」であるとしている。殺虫剤にも弱い(『東方文花帖』)。

リグルの恐怖は「蟲を操る」という部分が重要なのである。

しかしながら、蟲は目に見えるものばかりではない。

それはその蟲が目視できないほど小さいか、あるいは幻想郷ならではの、伝承から生まれた「蟲」の具現化が想定され得るためである。阿求は、万一リグルが劣勢の状況にあってなお自信や余裕をみせているときは、特に注意したほうが良いとしている。その際はリグルがすでに目には見えない「 悪魔の蟲 」を自身の周りに配置している可能性がある。

この「 悪魔の蟲 」とは、阿求によれば、「 恙虫 」(ツツガムシ)である。

現実には、この名がついたダニの品種と伝説上に登場する妖怪としての二種類がある。

実際のツツガムシは草むらなどに潜み、その小ささのため、肉眼で確認するのは難しい。

一部は感染病の一種であるツツガムシ病を引き起こす微生物を保菌している。

ツツガムシ病の症状は発熱、発疹をはじめ倦怠感や頭痛などで、重篤化、あるいは死亡のケースもある危険な感染症の一つ。初期症状は初期のインフルエンザとも類似するが、ツツガムシ病の場合、これの感染経路であるツツガムシによる「刺し口」が存在するのが特徴(本記事最下段外部リンクも参照)。

この実際のツツガムシは伝説上のツツガムシと関連しており、当時原因不明だった病の原因が「ツツガムシ」の仕業とされた(江戸時代の奇談・怪談集である『絵本百物語』に記載)。伝説のものもやはり刺し、血を吸うなどする。

後にこの症状を引き起こすものが上記のダニの一種だったことが分かったため、伝説のものを元に当該のダニに「ツツガムシ」の名が付された。正体が後に明らかになり、さらに実態に伝説の謂れが付与されたケースといえるだろう。

阿求の記述する「 恙虫 」は目視できないもので、高熱から死に至る致死性の攻撃を仕掛ける。対抗し得るような「 有効な治療法はない 」。作中の記述によれば「 刺す 」ことによって何らかの影響物を相手に注入するなり媒介的に汚染するなりする様子である。刺された瞬間を気付くことはできない。

「蟲の恐怖」の栄枯盛衰

阿求によれば、古来、「蟲」の恐怖は天狗と並ぶものであったが、今日の幻想郷ではその「 威厳を失って久しい 」。

後述の射命丸文なども、古い時代の蟲を回想しつつ今の蟲を比較してその力の弱まりを感じている。

実際に古来に語られた「 蟲の恐怖 」と言えば、伝承としての土蜘蛛(東方Project作中では例えば黒谷ヤマメ)の他、東方Project作中には該当するキャラクターそのものは登場していない(2017年6月現在)ものの、大百足(俵藤太の大百足退治)などが有名であるか。

またかつては「蠱毒」によってその「 妖力 」を高めた蟲妖怪があったことについても文は言及している。

「蟲」は群れとしての高い繁殖力・生命力や妖怪の場合は伝承にも見られるような高い恐怖性を示すことのできる能力をもち「蠱毒」などの壮絶な生存トーナメントを経てさらに自らを飛躍的に高める可能性も持つなど全体としての極めて高いポテンシャルを持つ。

しかし今日の幻想郷ではかつてのような大物の蹂躙はなりを潜め、リグルもまた次述の様な地道な活動を通してその蟲の地位向上を模索している。

文々。新聞によれば

リグルの「蟲を操る」能力について、先述のような他の存在への攻撃にとどまらない応用の可能性の模索が行われていることを文の文々。新聞が報告している(第百十九季 長月の二刷、『文花帖』)。

同紙面によれば、リグルは蟲の機動力と数、ネットワークを応用した「 蟲の知らせサービス 」を展開しており、このサービスの有用性をもって蟲の地位向上を目指している。

運営もリグルがその能力を通して行っている。

本サービスは、予定を伝えておくと対応する時間に「 大量の蟲 」が当該の時間となったことを知らせに来てくれる、というもの。

例えばモーニングコールなどの目的でこのサービスを依頼すれば、朝の指定した時間が訪れるころには枕元に大量の虫が来て優しい目覚めを促してくれる。有羽、多脚といった蟲のバリエーションの豊富さがサービスの幅の広さにも繋がっており、個々のニーズへの対応力も高い。

蟲好きにはたまらないサービスだろう。

確実に目覚めを呼び起こすことのできるモーニングコールとしての評価は高く、サービス利用者からは「 好評 」の声が寄せられている。

狸寝入りも二度寝も出来ない位の強力な目覚めが提供されているようだ。

ただしリグルはこのサービスに飽きてきているようで、その後本サービスが継続されているどうかなどは定かではない。

阿求は幼い少女の姿をしたリグルが蟲の「 リーダーともいえる存在 」であることに触れて蟲の恐怖性の凋落を象徴するとしている(「幻想郷縁起」、『求聞史紀』)。

一方で、昔のように相手を恐怖に陥れるばかりではなく他者の生活の役に立つことで蟲の地位向上を目指そうとする点に、今日の幻想郷の様子、あるいはそれ以前に今まさに蟲をまとめているリグルの性格の在り方もまた見ることができるだろう。

実際の伝承として、蟲の中には鬼を主食とし邪気や疫病を追い払う「神虫」などもあり、今日でも農業全般や医療技術などでは益虫として共存するものもあるなど、蟲は人間にとっても悪影響や恐怖をもたらすばかりではない、その種類の多さそのままに多面性を持つ存在でもある。

リグルの模索もまた、そのような「蟲」の多様な可能性にチャレンジするものでもある。

霧雨魔理沙による考察

リグルがその能力を応用した弾幕について、霧雨魔理沙がその弾幕研究に際して記述している(『グリモワールオブマリサ』)。

魔理沙は蟲を操ったりその生態を表現するタイプのリグルの弾幕を通して「 目の前が不規則な色で覆い尽くされる 」様を体験し、これを「 バグった 」と表現している。そして「 バグる 」展開の弾幕について「 バグタイプ 」との分類を設定している。

隠蟲「永夜蟄居」>などは魔理沙によれば「 勢いよくバグるスペルカード 」。

大自然の力って事だ 」 (魔理沙、<隠蟲「永夜蟄居」>について。『グリモワールオブマリサ』)

リグル以外のスペルカードで魔理沙が「バグタイプ」として分類したものとしては、同様に多様な色彩の弾幕が展開される紅美鈴の<彩符「極彩颱風」>などがある。魔理沙によれば同スペルカードは「 典型的なバグタイプ 」。ただしこちらは蟲ではなく「 如雨露 」から振り撒かれる「 」が弾幕のイメージだろうとしている。

他には蓬莱山輝夜の<新難題「金閣寺の一枚天井」>についても道具を用いた「 道具使用バグタイプ 」としているなど、「バグタイプ」の弾幕を展開する方法やスタイルは人によって様々。

全般的な傾向としては魔理沙は「バグタイプ」は「 弱い者が使う事が多い 」ともしている。

また魔理沙はリグルは蟲を操るばかりでなく、本人が蛍の妖怪であることもあって、蛍としての要素もまた弾幕として表現しているとしている。例えば<蛍符「地上の流星」>などは魔理沙によれば「 蛍の光を流星に見立てたもの 」である。このスペルカードを通しては同じく「 流星 」に独自の意味を抱きスペルカードなどでもそれを表現する魔理沙との流星観の違いも語られている。

このとき、それぞれの評価については蛍の光を表現するものは「 参考度」として評価しているが、蟲を操るものについては「 嫌悪度 」で評価している。

魔理沙は『外來韋編』(クロスレビュー)でも再度リグルの弾幕について触れており、こちらの機会では先述の『グリモワールオブマリサ』の際のような体験の記述ではないもののその蟲の恐怖(不快感)を想像することでリグルの蟲弾幕について言葉を寄せている。

やはり蟲による気持ちの悪さが強く印象に残ったようだ。

その他の作品では

リグルは『月のイナバと地上の因幡』(『東方儚月抄』)でも蟲を操ってその統率力と驚異的な数の力を永遠亭の面々に見せつけた。敵陣・永遠亭の只中、リグル指揮による眼前を覆い尽くす程の蟲の大群は、この地を守る永遠亭の兎を圧倒する。

永遠亭勢はリグルの前に劣勢となるも、そこに月の叡智がその知略と熟達した技術とをもって現れ、ここに、月夜に煌めく蛍と地上に降った月の二者の対決が始まろうとしていた。

という壮絶な弾幕ごっこが展開されるということは特にはない。

蟲の大群で鈴仙・優曇華院・イナバの視界を奪って蟲たちを鈴仙の「 変なところ 」に侵入させたりするものの、直後に八意永琳怒りの蠅叩きの一振りを受けて蟲の軍勢は追い払われた。

この他の要素として、リグルの能力の影響力が及ぶものであるかどうかは不明ながら、東方Projectにも設定上(あるいは一部のキャラクターの発言中)に登場する特殊な「蟲」として「三尸」(さんし)がある。

「三尸」は人間の体内に住み、人間の行いを見る。そして定期的に体から抜け出し、その人間の行いを天帝(閻魔)に報告する。天帝はこの報告をもとに、対象の人間の寿命などについて調整を行う。

この寿命に関わる「三尸」に対抗すべく豊聡耳神子が製造したものが「四猿ちゃん」である。

神子によれば、這い出す「三尸」を逃さず捕えて報告させず、結果寿命をぐんぐん伸ばすというのが「四猿ちゃん」のおおまかな売り文句である。

三尸もまた一種の「蟲」であるとされるが、これへの対応をめぐって神子の四猿ちゃんとリグルの対決や「三尸」の妨害を商機としたシェア争いなどが起きるかどうかも不明である。

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