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担当声優/女優編集

作品名公開年担当声優・女優
エイケン版TVアニメ1984年中西妙子
トムス・エンタテインメント版TVアニメ2005年~2006年藤田淑子
OVA1998年戸田恵子
『3ねんDぐみ ガラスの仮面』2016年田中敦子
パチンコ版2020年矢島晶子
TVドラマ1997年野際陽子

概要編集

ガラスの仮面』全編を司るキーキャラクター。

黒いドレスを着ていることが多く「黒夫人」という別称もあったがほとんど使われず、主に「月影先生」と呼ばれる。

演劇史に名を残す名作『紅天女』の主役を務めた唯一の人物であり、物語開始時点で『紅天女』再演の上演権を持つ。


美貌と演技力を兼ね備えた往年の大女優だが、舞台での事故により顔を負傷したため一線を退き、劇団つきかげの主宰となって自分の後継者を探していた。

長い黒髪で顔半分を隠しているが、その下の素顔は今も崩れたままである。

心臓が弱いらしく、度々吐血したり発作に苦しみ生死の境を何度も彷徨っているが、初期のころは喫煙描写もあったりする。

北島マヤの才能を見出し、自分の後継者として彼女を厳しく教育し、見守っている。


「月影千草」は芸名であり、本名は「千津」で苗字は不明だが、自宅の表札に「月影」を使っている。

生年月日も不明で来歴を踏まえると大正生まれの可能性がある。

作者の公式ページに設けられた質問コーナーでも生年を聞かれているが「女優の歳など気になさらず」と威圧するように答えている


来歴編集

戦前編集

物心ついたときには両親も身寄りもない孤児であり、スリの親方の元で同じ境遇の子供達と共に盗みや詐欺の手伝いをさせられていた。

親方から「将来けっこうな器量よしになる」と評されるほどの美少女ではあったが、いずれは女郎屋に売り飛ばされる運命であった。


7歳の時、劇団「月光座」の楽屋に盗みに入って捕まり、劇団で台本と演出を担当していた劇作家の尾崎一蓮に助けられる。

資産家の息子である一蓮は、スリの親方に資金を払って千津を引き取った。

千津は月光座の下働きとして不自由のない生活を送り、一蓮から読み書きなどの勉強や礼儀作法を教わった。

一蓮の妻である清乃からは不振に思われていたが、一蓮は全責任を自分が負うと妻を説得した。


やがて仲良くなった劇団員達と共に芸事を学び、千津は子役として舞台に上がる。

役者としての素質を認められた千津は、一蓮の指導の下で役者として成長していく。

16歳で子役を卒業した千津は「月の女神ダイアナ」という大役を演じ、月光座始まって以来の評判となる。

一蓮も見とれるほどの美しさから、千津は「月影千草」という芸名を与えられた。


千草は一蓮への恩義が愛情に変わりつつあることを自覚していたが、既に妻子ある身の一蓮と結ばれることは叶わなかった。

本心を秘めた悲痛な感情を演技の糧にして、千草は女優として大成していく。

一蓮は月光座の座長の代わりに実質的な責任者になっていた。

千草は一蓮のすすめで映画に出演、大ヒットを重ねて映画女優の誘いも来たが、千草は一蓮のもとを離れようはしなかった。


戦後編集

時代が進み第二次世界大戦が勃発、月光座は東京大空襲によって壊滅してしまう。

一蓮は妻子を田舎に疎開させてはいたが、戦争により父と財産と劇団と劇場を失い、千草の前から姿を消す。

残された千草は心当たりを探し回り、一蓮の姉から幼い頃に奈良の田舎で暮らしていたことを聞かされる。

禁足地とされる「伝説の梅の谷」を知った千草は梅の里に向かう。


一蓮は梅の里で養生しながら『紅天女』の台本を書き上げていた。

梅の谷に現れた月影千草の姿は、一蓮曰く紅天女そのものであったという。

紅天女を演じられるのは千草の他にはなく、一蓮は厳しい稽古をつける。

千草は一蓮への思いを乗せた演技で答えるが、一蓮はそれを無視した。

女性として愛されるのを諦めた千草は、女優として愛される道を選ぶ。


復帰第一作として上演された紅天女は、月影千草の神懸った演技により大評判となった。

月光座は息を吹き返し、月影千草は改めて看板女優として名を馳せる。

一蓮は千草に感謝の意を述べ「わたしの魂の半身」と評した。

この頃に大部屋にいた小林源造が月影千草の付き人となり、世話係として生涯付き従うことになる。


大都芸能との確執編集

『紅天女』および月影千草の熱心なファンとなった速水英介(後の速水真澄の義父)が協力を申し出る。

運輸業を営む英介は、その人脈を活かして地方興行を請け負い確実に成功させた。

『紅天女』が全国的に広まったのは英介の貢献も大きいことは千草も認めざるを得なかった。


しかし、味をしめた英介は興業の私物化に走り、人脈の大半はやくざ者であったため月光座の治安が悪化。

激怒した一蓮は英介と手を切るが、英介は独自に「大都芸能」を興す。

月光座の座員達は大都芸能に引き抜かれ、月光座は経営難に陥る。

一方の大都芸能も芝居に失敗し続け、英介はより一層『紅天女』と月影千草に執着していく。


借金苦に陥った一蓮は儲け話に騙され更なる借金を背負う。

月光座には連日やくざ者が押しかけ執拗な嫌がらせを繰り返した。

一蓮は心労がたたって病に倒れ、月光座は事実上解散した。

そこに英介が『紅天女』の上演権を大金で買うことを申し出るが、一蓮と千草は英介を追い返した。


病が治った後も一蓮は立ち直れず、生活が荒れ妻子も去っていった。

千草は映画に出て出演料を稼ごうとしたが、契約していた映画会社も大都芸能に乗っ取られていた。

協力者を募ってなんとか芝居に漕ぎ付けるも、かつての隆盛を取り戻すことは叶わなかった。

自身をなくした一蓮は月影千草の才能を惜しんで別れ話を切り出すが、それでも千草は離れなかった。


一方『紅天女』への執着を捨てた英介は、専門家を募って芝居を成功させていた。

本業の運輸業を活かして大都芸能の事業を全国に拡大、月光座の劇場も大都芸能に奪われた。

一蓮の借金もやくざ者の嫌がらせも英介の策略であったことを知った千草は、英介に無言で詰め寄った。

うろたえて何も言えず逃げるように去っていく英介を見送りながら、千草は復讐を誓う。


灯籠流しが行われている河原の前で、千草は一蓮に告白する。一蓮は戸惑いながらも千草を受け入れ、二人は一夜を共にした。

(作中において初めて明確な濡れ場が描かれる)


翌日、一蓮は月光座劇場の楽屋で首を吊っている姿で発見された。

残された遺書により、月影千草は『紅天女』の上演権を託された。


一蓮の死後編集

千草は一蓮の後を追って自殺しようとしたが、付き人の源造に止められる。

『紅天女』の上演権を持つ千草が死ねば、大都芸能に奪われてしまう。

一蓮が残してくれた『紅天女』を守り続けるべく、千草は演劇を続けていく。


『紅天女』を復活させた月影千草は三度女優として大成する。

映画会社との契約が切れた千草は、大都芸能とライバル関係にあった企業と契約。

英介のやり方を真似て権力者達を味方につけ、大女優としての地位を固めていった。


出演した舞台や映画は大ヒットを続け、舞台演劇の映画化も珍しくなくなったが、千草は『紅天女』の上演権を意地でも守り続けた。

月影千草が演じる舞台でしか見られないことが『紅天女』の神秘性を高め、伝説的な人気作となった。

大都芸能を更に成長させた英介も『紅天女』と一心同体となった月影千草に見惚れるしかなく、上演権を奪うことなど誰にも考えられなくなっていった。

この頃から千草は大邸宅に住み、プライベートでは喪服のような黒い服を着て過ごすようになる。


千草にとって『紅天女』は一蓮の魂そのものであり、舞台上で蘇らせるのが生き甲斐となっていた。

しかし、上演中に舞台上のライトが落下する事故に見舞われ、千草は顔の右半分が整形不可能なまでに潰されてしまう。

女優生命を絶たれた千草は表舞台から姿を消し、30年かけて『紅天女』を演じうる才能を持つ後継者を探し続けていた。

自ら女優を教育するための演劇研究所「劇団つきかげ」を旗揚げした千草は、北島マヤと出会う。


関連タグ編集

ガラスの仮面 北島マヤ  おそろしい子

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