概要
遊戯王OCG15周年記念の一環として発売された、初代遊戯王の主人公である武藤遊戯のデッキをモチーフにした構築済みデッキ。
「決闘者の王国編」、「決闘都市編」、「戦いの儀編」の3種類が発売され、各時代の遊戯のデッキをイメージした、まさしく決闘王たる遊戯の記憶を追う商品となっている。
商品内容はいずれもエクストラデッキ1枚を含む40枚の構築済みデッキ1セット、新規カード1枚、デュエルでは使用できないプロモーションカード版の三幻神のカード、王国編のプロモーションカード、15周年記念トークン、千年パズルが入っていた箱をイメージしたストックケース、スリーブ、遊戯王OCG15年の歴史を振り返るアーカイブスシートが付属する。
構築済みデッキはいずれも原作の雰囲気を重視した内容であり、実際のデュエルで使用することを想定したものではないようである(詳細は後述)。また、必ず1枚OCGでは禁止カードとなっているカードが入っている。
未だ根強い人気を誇る遊戯のデッキということもあっていずれもかなり高い人気を誇っており、元々生産数が絞られている商品なこともあって各小売店では品薄の傾向にある様子。それを受けてか、「決闘者の王国編」と「決闘都市編」は再販が予定されている。
決闘者の王国編
2014年3月8日に発売。この商品発売のちょうど10年前である2004年3月8日は遊戯王原作の連載が終了した日であり、連載終了からちょうど10年を迎える日に発売された記念すべき商品である。
デッキ内容はタイトル通り「決闘者の王国」時代の遊戯のデッキを再現しており、ウルトラレア使用のカードが15枚入っている。闇遊戯のデッキの象徴とも言える「ブラック・マジシャン」・「ブラック・マジシャン・ガール」はもちろん「エクゾディア」全パーツや「カオス・ソルジャー」「竜騎士ガイア」「死者蘇生」「聖なるバリア-ミラーフォース-」など原作で活躍したカードが収録されている(ただし、本来王国編ではまだブラック・マジシャン・ガールは登場していない)。
新規カードはアニメ版DMに登場した「超電磁タートル」を収録。プロモーションカードは「オシリスの天空竜」(GB版のゲームに付属していたデュエルで使用できないバージョン)「王国への船出」。スリーブは遊戯とクリボーが描かれている。
決闘都市編
2014年7月5日に発売。バトルシティ編で遊戯が使用したカードに加え、遊戯が戦ったブラック・マジシャン使いの奇術師パンドラが使用した魔法・罠カードも収録されている。
新規カードはパンドラが使用した「黒魔族復活の棺」を収録。プロモーションカードは「オベリスクの巨神兵」(GB版のゲームに付属していたデュエルで使用できないバージョン)「王国」。スリーブはブラック・マジシャン・ガールの全体イラストが描かれ、ストックケースにはブラック・マジシャンとブラック・マジシャン・ガールが描かれている。
戦いの儀編
2014年8月23日発売。遊戯王のラストバトルである「戦いの儀」で遊戯、闇遊戯が使用したカードが収録されている。
新規カードはアニメ版で闇遊戯が使用した「ブラック・イリュージョン」(当初は劇場版「時空を超えた絆」で登場した「師弟の絆」の予定だったが変更になった)を収録。プロモーションカードは「ラーの翼神竜」(GB版のゲームに付属していたデュエルで使用できないバージョン)「王の右手の栄光」。スリーブはブラック・マジシャンの全体イラストが描かれ、ストックケースには遊戯と闇遊戯が描かれている。
実際のデッキとしての性能
決闘者の王国編
「カオス・ソルジャー」のリメイクカードである「カオス・ソルジャー-開闢の使者-」や「死者蘇生」「聖なるバリア-ミラーフォース-」など強力なカードも収録されている一方、「ルイーズ」や「グレムリン」のような能力の低いバニラカードや「燃え盛る大地」などの実用性の低いカードも多く収録されており、このデッキで実際のデュエルを行うことはかなり難しい。
尤も、前述のように王国編のデッキを再現したものであるため現在の環境とかみ合わないのはある意味当然ともいえる。
また、「洗脳-ブレインコントロール」はこの商品発売時には禁止カードに指定されているため、実際のデュエルで使用する際は特典カードである「超電磁タートル」と入れ替える必要がある。
決闘都市編
「ブラック・マジシャン」(イラストは奇術師パンドラが使用した赤バージョン)や「ブラック・マジシャン・ガール」など、決闘者の王国編でも収録されたカードを含みつつ、「磁石の戦士」や「絵札の3銃士」などが収録されている。しかしモンスターの数が15枚に対して魔法カードの数が17枚と多く、加えて「黒魔術のカーテン」や「拡散する波動」といった汎用性の低いカードが多いため、決闘者の王国編と同じ様にこのデッキのままで実際のデュエルを行うことはかなり難しい。しかも融合は入っているものの、入っている融合モンスターが攻撃力2100の「有翼幻獣キマイラ」しかないため決め手に欠ける(融合素材は入っているため、「超魔導剣士-ブラック・パラディン」や「アルカナ・ナイトジョーカー」などの強力な融合モンスターを入れる手もある)
また禁止カードに指定されている「強欲な壺」が入っているため、実際のデュエルで使用する際は特典カードである「黒魔族復活の棺」と入れ替える必要がある。
戦いの儀編
ブラマジ師弟(どちらも過去の構築済みデッキに収録されたバージョン)の他、レベルモンスターである「サイレント・マジシャン」「サイレント・ソードマン」、ガジェット等が収録されている。モンスターのバランスは以前のものよりも改善されており、ガジェットやマシュマロンなど優秀な下級モンスターも入っているためある程度は戦えるようになっている。しかしハイランダー構築であるためガジェットもそれぞれ1枚ずつしか入っておらず、「天よりの宝札」のような原作の雰囲気重視のカードも多いため、やはり無改造でのデュエルは困難を極める。
また禁止カードである「混沌の黒魔術師」が入っているため、実際のデュエルで使用する際は特典カードである「ブラック・イリュージョン」と入れ替える必要がある。しかし、そうすると「混沌の黒魔術師」専用のサポートカードである「光と闇の洗礼」が完全に死に札となってしまうため、結局1枚足りないことになってしまう。