概要
浅緑(あさみどり)の語義は以下のとおり。
(1) 日本の伝統色(和色)の一つ(※a1~3)。薄い緑色(※a1~3)。薄く染めた緑色(※a1)。灰みのある黄緑系の色(※e)。また、その色の物(※a1)。若葉色よりも薄く、地面から顔を出したばかりの新芽のイメージ(※a3)。
深緑の対義語(※a3)。浅緑は春の柔らかな若葉、特に柳の緑を表し、これに対して、深緑は常緑樹の少し青味の深い緑色を表す(※e)。
古来の訓読みを踏襲して「あさきみどり」ともいう(※b)が、古代における「浅緑」は現代の「浅緑」より黄緑色に寄っている明るい色なので注意が必要(※b)。「せんりょく」と音読みもする(※a1,2,b)。
ウェブカラー (cf.) の16進トリプレット表記でのコードは #88cb7(※b)。
「糸」「野辺(のべ|野のほとり、野原)」「霞」などにかかる枕詞でもある(※e,a3)。
(2) 8世紀に施行された養老令 (cf.) の規定(養老の衣服令)では、朝廷への出仕に着用する朝服の七位の色とされる(七位の人の袍〈cf.〉の色〈※a2〉)(※a3)。対義語の深緑は六位の色(※a3)。
(3) 浅葱色(※a1,2)。
関連イラスト
pixivでタグ付けされていない作品も含む。重要な部分に浅緑が使われているものを例示する。
左から順に、1. 背景色が浅緑。2. 髪色が浅緑。3. 髪色が浅緑。4. 髪の一番薄い緑色の部分。5. 帽子の明るい部分など。6. 被り物の緑色の部分。7. 髪の明るい緑色の部分(薄塗り)。8. 体の色。9. 髪色が浅緑ということでタグ付けされてはいるが、現代の「浅緑」からすれば異なる色であり、古代の「浅緑」に近い。「浅緑」は春の新芽の色ということだから、素朴なイメージとしてはむしろ 9の色のほうが合っているように感じられるが、現代の色名としては違うらしい。
脚注
※a1 「浅緑」 コトバンク > 小学館『精選版 日本国語大辞典』
※a2 「浅緑」 コトバンク > 小学館『デジタル大辞泉』
※a3 「浅緑」 コトバンク > 講談社『色名がわかる辞典』
※b 「浅緑」- 伝統色のいろは「日本の色・和色」
※c 「浅緑」- Color-Sample.com
※e 「浅緑」- きもの館 創美苑「きもの用語大全」