ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

目次 [非表示]

火工品とは編集

火工品とは火薬類を加工した物品の事である。


火工品の一覧編集

導火線(どうかせん)編集

導火線は心薬に黒色粉火薬を用いている紐状の火工品で、工業雷管に挿入して導火線の燃焼火炎の伝播で工業雷管を起爆する。導火線は折り曲げると速燃や不爆の原因となる。

耐水性は2時間以上、燃焼秒時は100秒~140秒/m、吸湿すると速く燃え、性能が戻ることはない。


導爆線(どうばくせん)編集

導爆線は心薬にペンスリット(爆薬)を用いたもので、どのような長さでも確実に爆轟を伝播できる。

耐水性があり水圧にも強いことから水中発破も可能、6号雷管の代わりにもなる。

ただし、導爆線どうしを接近させたりキンクさせた場合、爆轟がそこで止まり不爆になる。

特殊部隊などが突入などに用いる「ドアカッター」などの指向性爆薬がここに含まれることもある。


導火管システム(どうかかん-)編集

プラスチックチューブ内に高性能爆薬HMX+アルミ粉が塗布されている火工品。

前述の導爆線と異なり、チューブが強じんであるため影響はなく交差させても問題ない。

チューブ先端の親ダイを起爆して全体が爆発するため、最小0.008秒間隔の段発発破が出来る。



雷管(らいかん)編集

雷管とは、親ダイを起爆させるための火工品である。電気雷管と工業雷管がある。

雷管が取り付けられ、最初に爆発する物を「親ダイ(親ダイナマイトの略)」と呼ぶ。


工業雷管編集

工業雷管は装薬量の増減に対応して1~10号まであるが、主に6号雷管が用いられる。

金属管体に起爆薬と添装薬が充填され、後端に導火線/導爆線/導火管を挿入する点火孔が開いており先端はノイマン効果で爆轟威力を上げるためくぼんでいる。

工業雷管は点火孔が空いている関係で、吸湿や摩擦、火炎には注意しなくてはならない。


電気雷管編集

電気雷管は電流を白金線で出来た電橋に流して起爆薬に点火する雷管である。

電流を流してすぐ爆発する瞬発電気雷管と、何段かに分かれて爆発する段発電気雷管がある。

段発電気雷管には0.25秒の秒時差で爆発するデシセコンド(DS)電気雷管と0.025秒で爆発していくミリセコンド(MS)電気雷管がある。

より精密に制御するためにICチップを組み込んだIC雷管も存在する。

電気雷管の電気抵抗は電橋である白金線と脚線の抵抗の和で出る。


DS雷管が「ドドドドド」と聞こえるのに対し、MS雷管は斉発のように、一発だけのように聞こえ耳では判別できない。

段発にすると前段の発破の衝撃波が後段の発破の衝撃波によって相殺され、騒音と振動の低減になる。


参考編集

直列結線の発破回路の電圧計算(※火薬類取扱保安責任者乙種で出題)

電圧=(発破母線の長さ×1m当たりの抵抗)+(電気雷管の個数×1個当たりの抵抗)×電流

全抵抗(直列結線+母線の抵抗)と電流で出る。

甲種で出題される直並列結線の場合、電流に並列結線を掛ける。発破器の内部抵抗はほぼ0なので無視する。


弾薬(実包、空包、銃用雷管)編集

実包(じっぽう)とは拳銃小銃散弾銃の装弾の総称で、口径が20㎜以下で弾丸内に爆薬を内蔵していない物を指す。

薬莢底部中央に銃用雷管が装着され(センターファイヤ方式)撃針が打撃すると起爆薬(トリシネート等)が圧潰し発火、発射薬の無煙火薬に点火する事で弾丸を発射する。

空包(くうほう)は実包から弾丸や散弾を取り除いたもの。なお、発射ガスは高速であり数メートル先のスチール缶に穿孔する威力があるので空包でも危険である。


演出用火工品編集

演劇、映画撮影などで発煙や閃光を作り出す用途に用いられる火工品。

西部警察などのドラマに登場するプロップガン(発火式モデルガン)も空砲というよりはこちらに近い。自衛隊が訓練展示、演習における状況の現示などで使用している発炎筒もここに属する。


爆砕ボルト(ばくさい‐)編集

爆砕ボルトとは、部品を排除する際に用いられる火工品である。

航空機や船舶、ロケット、一部の高級車などで用いられ、強度は必要だが緊急時に除去しなくてはいけない部位に用いられる。近年は線状に切断できる指向性の高い導爆索(プリマライン™)が登場している。

ロケットのブースター切り離し、プッシャー型航空機の推進プロペラ排除、風防ガラス排除などが有名。


射出座席(しゃしゅつざせき)編集

前述の爆砕ボルトなどと似たような用途に用いられ、戦闘機などで緊急事態が発生した場合にパイロットが機外へ脱出する装置。

黄色と黒のストライプのハンドルを引っ張ると作動する。ベイルアウト。


フレアー/チャフ編集

フレアーは赤外線誘導方式のミサイルに追尾された場合に、ミサイルのシーカーをかく乱させるために放出される熱源である。戦闘機ヘリコプターに装備されている自衛装備である。

なお、現代においてはシーカーなどの発達などによって効力を減じているが、無いよりはマシである。

チャフディスペンサーは、細かいグラスファイバーの雲を発生させ、電波誘導式ミサイルのレーダー波を反射させて偽の目標を与える撹乱装置である。

航空機艦船に自衛装備として搭載されている。


発煙弾発射機編集

陸上車両に搭載される自衛装備。発煙弾を発射し照準レーザーや目視を妨害する用途に用いられる。

陸上自衛隊の車両には3連装(74式戦車等)の物と4連装(90式戦車等)、8連装(90式戦車回収車等)の物が存在する。


火工品の運搬について編集

出発地を管轄する警察署長を通じて、都道府県公安委員会に運搬届を提出する。

車体前後に赤地に白文字で丸の中に「火」と表示された表示板を取り付ける。


関連タグ編集

火薬 爆薬 発破 薬莢 空包 戦闘機

関連記事

親記事

火薬 かやく

兄弟記事

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました