概要やっ!
猿展開とは漫画家、猿渡哲也氏(通称 猿先生)の作品特有のストーリー展開である。猿先生はデッサン能力と高い画力に支えられた緻密な絵が特徴なのだが、あまりにも唐突過ぎる話運びやキャラクターの使い捨て、設定や時系列の矛盾は日常茶飯事で更に、独特すぎるセリフ回し(き…鬼龍が廊下を練り歩いてる!!)や、氏の作品全体に見られる様式美も含めてネタにされやすく、そこに惹かれた熱心なファン(通称:マネモブ。猿渡作品で頻発する、目に生気の感じられないマネキンみたいなモブが由来)が日々氏の作品を愛読し、敬愛ゆえに日々愚弄し続けている。皆で愛読するから尊いんだ、絆が深まるんだ。
ただしこの猿展開、あまりにも行き当たりばったりでドライブ感がありすぎるが故に途中で振り落とされてしまう読者も少なからずである。これをネタとして楽しめるのは、あくまでも猿作品を愛して止まない異常猿愛者達であり、安易にネットで見たタフ・ネタから興味を持って読んでしまった人には哀しき過去となってしまうかもしれない。
良くも悪くも、上級者向けのネタなんだ。悔しいだろうが、仕方ないんだ。
なお、猿展開がよく見られるのは長期連載作品であり、短編連作や短期連載作品、原作付の作品は普通に完成度の高い名作揃いなんだよね、すごくない?
忌憚の無い意見を言わせて貰えば、猿先生の構成力は短編連載向きであり、長期連載にはあまり向いていないのだと思われる。しかし、凡百の作家ならそこで駄作と切り捨てられて終わりであろうが、猿先生の場合はどんな破綻したストーリーであっても漫画としての面白さと清々しいまでのゴリ押しで無理矢理読者に読ませてしまう力があるのだ。ある意味、猿先生ってやつは最強の漫画家だな。
猿展開、禁断の箇条書き
- 主要キャラが突然消える。重要な設定も無かったことにされる(通称「猿空間送り」)
- 主人公の母方の祖母がしっかり登場してたのに、主人公の母親は家族が居ない天涯孤独の身だったという事になる(TOUGH)
- 平気でキャラクターを使い捨てる
- 主人公の父親が二転三転(TOUGH)
- 元ラスボスがポッと出のキャラに惨敗(TOUGH)
- 主人公射殺ENDを二回も描く
- 内容自体は事実とはいえ、文面には信憑性のかけらもないスパム・メールによって主人公を狙う殺し屋が続々と集まる(龍を継ぐ男)
- 登場キャラに(特に必要性も無く)滅茶苦茶に荒んだ哀しき過去がとって付けられる
- ところが、連載時にこの「哀しき過去…」というアオリが最初に出て来たエピソードを良く良く読むと「こいつが油断してたり武術家としての心構えがイマイチだったのも、その『哀しき過去…』原因の1つじゃないのか?」となってしまう展開(龍を継ぐ男)
- 甚しい場合は、作中屈指の聖人君子として描かれている宮沢静虎に「血も涙もないサイコパス」扱いされてたキャラにまで後付で「哀しき過去」が有った事になる(龍を継ぐ男)
- 「ところで、猿先生の作品をポリコレ観点から批判するのもアレっスけど、そんなテーマの話じゃないのに1つの作品で『男が男に強姦された』って『哀しき過去』が複数回出て来んのもワンパターンじゃないっスかね? 忌憚のない意見ってやつっス。」
- 悪堕ちした前作の主人公の犠牲者だった筈のキャラが、その悪堕ちが芝居だったと云う後付展開の余波で、「実はロリコン強姦魔だったので制裁を受けた」という更に酷い後付をされる(龍を継ぐ男)
- ラスト間際で主要キャラに矢鱈と壮大な設定が付与されるも、特に回収されること無く終了
- 話のコシをいきなりへし折って無理矢理バトル展開に持っていく
- 悪役として無闇矢鱈とヤクザが登場する。そして後腐れが無いように壊滅させられる。
- まともな倫理観を持たない格闘家ばかり出てくる。日本の治安はクソっスね。
- 現在生きているキャラが過去編で死亡する。タイム・パラドックスやっ!(龍を継ぐ男)
- 前々作のラスボスが急に動物園のゴリラにボコボコにされる(龍を継ぐ男)
- 新キャラに箔を付けるために某恐ロシアの大統領をボッコボコに殴り倒させる。ちなみに、この話が連載された一週間後にロシアで『プリゴジンの乱』が勃発してるんだよね。現実が猿展開するとかすごくない?(龍継ぐ)
- 「ところで、問題のシーンで問題の大統領は、どう見ても生きてる方が不思議な位、仮に奇跡的に命をとりとめても、面白い顔になったり洒落になんね〜後遺症が残ってたりしなきゃおかしいぐらいにボコボコにされてんスけど、あの世界の例の大統領は途中からそっくりさんと入れ変ってるなんてオチでも有るんスかね? 忌憚のない意見ってやつっス」
- 「ジキル博士とハイド氏」をモチーフにしたキャラクター(名前は「ヘンリー・ジーキル」。白人系と思われるアメリカ人)に第三の人格が!!!! その人格とは……テコンドーの達人・パク。(龍継ぐ)
- くどいようですが、「ジキル博士とハイド氏」をモチーフにしたキャラに、何故か第三の人格が有って本人曰く「ジーキルは"スリー・フェイス"って呼ばれてるんだぜ」。
- くどいようですが、白人系と思われるアメリカ人の第三の人格がテコンドーの達人・パク。
- なお、単純な技量・戦闘能力・邪悪さに関しては「テコンドーの達人・パク」の人格が一番上にもかかわらず、対戦した尊鷹兄さんとの相性が一番悪かったせいで……3つの人格の中で、一番、あっさりやられました。
等々。
・・・殆どがTOUGH(タフ)シリーズじゃないかって?まぁ事実だからしょうがないんやけどなブヘヘヘヘ。
まぁ、長く続いてるシリーズなので、それだけ粗も多くなっているだけかも知れないが。
関連タグやんケ
ゴリラ(タフ):猿展開を超えたゴリラ展開でつとに有名